【10年連続増配】コメリ(8218)を8指標分析

コメリ(8218)連続増配株の8指標分析

最終更新日:2026年8月11日

10年連続増配・全国1,234店のホームセンター、8指標はオールクリア

こんにちは。10年以上連続増配株の情報を発信している桃モアイです。園芸用品や工具、肥料に灯油まで——庭仕事や日曜大工、農作業のときに立ち寄る赤いロゴの店を、地方で見かけたことがあるかもしれません。全国に1,234店を構え、そのうち1,088店は人口0.8万人の小さな商圏でも成り立つ独自の小型店で、都市部の競合が入りにくい地域を押さえています。

今回は3月と9月に配当権利が確定する連続増配株の1社、コメリ(証券コード:8218)を私独自の8指標で分析しました。

結論から言うと、コメリは8指標すべてをクリアしました。10年連続増配に加え、自己資本比率65.2%、営業CFは過去10年すべてプラスと、財務の余裕が際立ちます。いっぽうで確認しておきたい点もあります。理由も含めて、このあとひとつずつ分かりやすく説明します。

📊 株価・利回りの基準日:2026年8月10日時点の値です
📊 財務指標は2026年3月期(実績)の数値を使用しています


コメリとはどんな会社?

コメリは、新潟県新潟市に本社を置くホームセンター大手です。1962年に設立され、1987年に株式を上場しました。資材・建材、金物・工具、園芸・農業用品といった、流通の近代化が遅れた分野の改革を掲げ、生産から販売までを自社で組み立てる事業を進めています。

店舗は複数の形態を組み合わせています。3,000坪級の大型店「コメリパワー」が120店、資材・建材と工具に特化した「コメリPRO」が24店、小商圏向けの「コメリハード&グリーン」(以下、ハード&グリーン)が1,088店、このほか「アテーナ」が2店で、合計1,234店です(2026年3月末・決算短信p.3)。商品別では園芸・農業・ペット用品が1,163億円と最も大きく、営業収益の30.2%を占めます(決算説明会資料p.3)。

報告セグメントはホームセンター事業のみのため、セグメント情報の記載は省略されています(決算短信p.18)。プライベートブランド(PB・自社開発商品)の売上構成比は48.7%と半分近くに達し、ネット注文した商品を店舗で受け取る仕組みを軸に、EC売上は前期比112.8%と伸びています(決算説明会資料p.21・p.24)。各地のJAとの協業も広がり、2026年3月末時点で8つのJAと組み、JAの商品を扱う店舗は47店になりました(決算短信p.4)。

会社の基本情報は次のとおりです。

上場市場:東証プライム
業種:小売業
決算月:3月
連続増配:10年(2026年3月期時点)
現在の株価:3,925円(2026年8月10日時点)
予想配当利回り:1.48%(2027年3月期 会社予想配当58円ベース)
配当権利確定:3月・9月(年2回)


配当情報

コメリは増配を続けていて、2026年3月期で10年連続増配になりました。同期の実績は年間56円(中間28円+期末28円)で、前期から2円の増配です。2027年3月期の会社予想は年間58円(中間29円+期末29円)で、実施されれば11期連続の増配になります。会社は「業績の成長に応じて配当の維持または増配を行う累進配当」を利益配分の基本方針に掲げています(2026年3月期 決算短信p.6、決算説明会資料p.10)。

項目 内容
株価 3,925円(2026年8月10日時点)
予想配当利回り 1.48%(2027年3月期 会社予想配当58円ベース)
連続増配年数 10年(2026年3月期時点)
1株あたりの配当 実績56円(2026年3月期・中間28円+期末28円)/予想58円(2027年3月期)
EPS(1株あたりの利益) 309.72円(2026年3月期 実績)
配当性向 18.1%(2026年3月期 実績)

出典:株価はYahoo!ファイナンス(2026年8月10日終値)、配当・EPS・配当性向は2026年3月期 決算短信p.1。予想配当利回りは2027年3月期の会社予想配当58円に基づき、株価の変動により変わります。連続増配年数は配当実績ベースで、2017年3月期を増配1年目として10年と数えています(2016年3月期は36円で据え置き)。

いちばん右の薄いグレーの棒は会社予想(2027年3月期)です。

コメリ 1株あたりの配当の推移 10年連続増配

1株あたりの配当は、2017年3月期の38円から2026年3月期の56円まで増えました。毎年ならすと約4.4%ずつ増やしてきた計算です。2020年3月期までは1〜2円ずつの小刻みな増配でしたが、2023年3月期以降は4円・2円・2円・2円と一段ペースが上がっています。


8指標分析の結果

ここからは、コメリを私独自の8指標で見ていきます。

8指標の詳しい説明はこちらの記事をご覧ください。

なお私が確認する8つの指標は、売上高・EPS(1株あたりの利益)・営業利益率・自己資本比率・営業活動によるCF(以下、営業CF)・現金等・1株あたりの配当・配当性向です。

指標 基準 コメリ 判定
売上高 増加傾向 3,295億円→3,853億円(過去10年で増加傾向)
EPS(1株あたりの利益) 安定して増加傾向 217.54円→309.72円(ピーク410.24円・急落年なし)
営業利益率 5%以上 5.98%(直近期・実績)
自己資本比率 40%以上 65.2%(直近期・実績)
営業活動によるCF 過去10年すべてプラス 全期間プラス(198億〜365億円)
現金等 増加傾向 75億円→120億円(過去10年で約1.6倍)
1株あたりの配当 10年以上連続増配 10年連続増配
配当性向 50%以下 18.1%(直近期・実績)

※判定欄の✅は桃モアイ基準を満たした指標です。
※財務指標は2026年3月期(実績)。IRBANKおよび決算短信・決算説明会資料をもとに桃モアイが独自に分析しています。「増加傾向」「安定して増加傾向」は過去10年の長期トレンドで判定し、一時的な減少はクリア扱いとしています。2026年3月期は営業収益3,853億円(+1.6%)・営業利益230億円(+2.9%)・純利益146億円(+6.7%)の増収増益でした。本記事の売上高は、損益計算書の「営業収益」(売上高3,705億円+営業収入148億円)を指します。金額は億円未満を切り捨てて表示しています。投資判断の参考としてご活用ください。


グラフで見る業績の推移(過去10年・2017年〜2026年実績+2027年予想)

ここからは、過去10年の業績をグラフで見ていきます。年はいずれも3月期で、いちばん右のグレーは会社予想(2027年3月期)です。会社が予想を開示しているのは売上高・営業利益率・EPS・配当性向・配当のため、営業CF・現金等・自己資本比率のグラフには予想の値を入れていません。

売上高と営業利益率

売上高は、2017年3月期の3,295億円から2026年3月期の3,853億円へ増えました。ただし2021年3月期の3,857億円をピークに、その後は3,700億〜3,800億円台での一進一退が続いています。2026年3月期は春先の天候不順でガーデニング用品が振るわず、前年の防災用品の特需の反動もありましたが、猛暑と熱中症対策の義務化で冷房関連が伸び、+1.6%の増収となりました(決算説明会資料p.2)。2027年3月期は4,008億円(+4.0%)と、初の4,000億円台を見込んでいます。

営業利益率(売上に対する本業のもうけの割合)は、2026年3月期で5.98%と基準の5%を上回りました。過去10年では2021年3月期の7.86%が最も高く、そこから5%台後半まで下がっていますが、2025年3月期の5.91%を底に、2026年3月期は5.98%へとわずかながら持ち直しています。プライベートブランドの伸長と荒利率の改善(+0.2pt)が、人件費や設備費の増加を吸収した形です(決算説明会資料p.5)。

コメリ 売上高と営業利益率の推移

EPS(1株あたりの利益)と配当性向

EPSは、2017年3月期の217.54円から2026年3月期の309.72円へ、約1.4倍になりました。最も高かったのは巣ごもり需要のあった2021年3月期の410.24円で、その後は反動で下がりましたが、下げ幅が最も大きかった2024年3月期でも前期比▲18.65%にとどまり、3割を超える急落の年はありません。2025年3月期・2026年3月期は2年続けて増益に戻し、判定は✅としました。2027年3月期の会社予想は319.44円(+3.1%)です(2026年3月期 決算短信p.1)。

配当性向(利益のうち配当に回す割合)は、過去10年を通じて11.0〜18.7%と、基準の50%をかなり下回る水準で推移しています。2026年3月期は18.1%でした。会社は成長のための投資に備えて内部留保を確保したうえで配当を行う方針で、配当を増やす余力自体は大きいといえます。2027年3月期の予想も18.2%です(2026年3月期 決算短信p.1・p.6)。

コメリ EPSと配当性向の推移

営業活動によるCFと現金等

営業CF(本業で稼いだ現金)は、過去10年すべてプラスで、レンジは198億〜365億円です。最大は2021年3月期の365億円、最小は2023年3月期の198億円でした。2026年3月期は238億円(+3.0%)で、税金等調整前当期純利益218億円と減価償却費133億円が主な源泉です(2026年3月期 決算短信p.5)。

現金等(手元の現金)は、2017年3月期の75億円から2026年3月期の120億円へ、約1.6倍に増えました。ただし直近は減少が続いていて、2022年3月期の192億円をピークに4年で72億円減りました。2026年3月期は前期末より42億円の減少です。稼いだ現金238億円に対し、コメリ(新)関西流通センターの稼働を含む投資活動で180億円、借入の返済・自社株買い・配当などの財務活動で99億円を使ったためです(2026年3月期 決算短信p.5)。長期のトレンドでは最新が最古を上回るため、判定は✅としています。

コメリ 営業CFと現金等の推移

自己資本比率

自己資本比率(会社の資産のうち、返す必要のないお金でまかなえている割合)は、2026年3月期で65.2%でした。基準の40%を大きく上回るだけでなく、2017年3月期の50.6%から10年間ひとつも下がることなく上がり続けています。2026年3月期は利益の積み上がりで純資産が106億円増える一方、電子記録債務と短期借入金の減少で負債が31億円減り、比率が1.5pt高まりました(2026年3月期 決算短信p.5)。

コメリ 自己資本比率の推移


注目ポイント

10年連続増配・累進配当を明記。来期は58円へ増配予想

1株あたりの配当は2017年3月期の38円から2026年3月期の56円へ、年平均約4.4%のペースで増えました。会社は利益配分の基本方針として「業績の成長に応じて配当の維持または増配を行う累進配当」を短信に明記しており、2027年3月期は58円(+2円)への増配を予想しています。減配しない姿勢を文章で示している点は、長く持つことを考える投資家にとって心強い材料です(2026年3月期 決算短信p.6、決算説明会資料p.10)。

自己資本比率65.2%・配当性向18.1%。財務と配当の余力が大きい

自己資本比率は10年連続で上昇し、65.2%に達しました。営業CFも10年すべてプラスで、直近5年は198億〜258億円の範囲です。配当性向18.1%は基準の50%を大きく下回り、利益の8割超を成長投資と内部留保に回せている状態です。有利子負債の返済に必要な年数を示すキャッシュ・フロー対有利子負債比率も1.3年と、前期の1.5年から改善しています(2026年3月期 決算短信p.5)。

小商圏フォーマットとPB・EC・JA協業で、地方の需要を押さえる

1,234店のうち1,088店は、0.8万人の商圏でも成り立つ小型店「ハード&グリーン」です。大型店が出にくい地域を面で押さえる形になっており、プライベートブランドの売上構成比は48.7%、EC売上は前期比112.8%と伸びています。JAとの協業も8件に広がり、JA商品を扱う店舗は47店になりました(決算短信p.3・p.4、決算説明会資料p.21・p.24)。

いっぽうで、売上の伸び方や利回りの水準には確認しておきたい点もあります。次の「投資の留意点」でくわしく説明します。


投資の留意点

確認しておきたい点が3つあります。

第一に、売上高が5年ほど横ばいで、成長のペースがゆるやかな点です。2021年3月期の3,857億円に対し、2026年3月期は3,853億円と、5年間ほぼ同じ水準です。国内の人口減少と店舗の飽和が背景にあり、会社自身も損益分岐点の高い店から撤退し、その売上を残る店に上乗せする方針を示しています(決算説明会資料p.18)。2027年3月期は42店の新規出店と約140店の改装で+4.0%の増収を計画していますが、計画どおりに進むかは確認したいところです。

第二に、予想配当利回りが1.48%と、高配当とはいえない水準にある点です。増配は続いていますが、増配ペースが年平均約4.4%と穏やかなため、配当収入そのものを目的に持つには物足りない水準です。8月10日の株価3,925円で計算すると、PER(株価収益率)は約12.3倍、PBR(株価純資産倍率)は約0.72倍と、割高感の乏しい水準ではあります。配当性向18.1%には引き上げの余地もありますが、会社は成長投資を優先する方針を掲げており、急な増配は前提にしないほうがよいでしょう。

第三に、業績が天候と季節商材に左右されやすい点です。園芸・農業・ペット用品が営業収益の30.2%を占め、燃料や冷房用品も扱うため、天候次第で四半期ごとの業績が振れやすい構造です。実際に2026年3月期も、暖冬による灯油の販売量の落ち込みが利益を押し下げました。加えて、2027年3月期は220億円の設備投資を計画しており、出店に伴う賃料や人件費の増加が利益率を押し下げる可能性もあります(決算説明会資料p.2・p.3・p.34)。


まとめ

コメリ(8218)は、2026年3月期で10年連続増配となった、8指標すべてをクリアした連続増配株です。強みと留意点を3点ずつにまとめると、次のとおりです。

【強み】
✅ 10年連続増配・累進配当を明記。来期は58円へ増配予想
✅ 自己資本比率65.2%・配当性向18.1%。財務と配当の余力が大きい
✅ 小商圏フォーマットとPB・EC・JA協業で、地方の需要を押さえる

【留意点】
・売上高は5年ほど横ばい。国内の人口減少と店舗の飽和が背景にある
・予想配当利回り1.48%。増配ペースも年平均約4.4%と穏やか
・天候と季節商材に業績が左右されやすい。設備投資の負担も続く

3月と9月に配当の権利が確定する銘柄です。予想配当利回りは1.48%と控えめですが、財務の堅さと配当余力を評価して、腰を据えて見ていきたい1社です。


連続増配株への投資を始めるには、証券口座が必要です。どの証券会社で始めるか迷っている方は、こちらの記事で楽天証券とSBI証券を比較しています。

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※業績・配当・財務の数値は、コメリの2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(2026年4月28日)、2026年3月期 決算説明会資料(2026年4月30日)およびIRBANKに基づきます(連結業績・配当の状況・2027年3月期予想・1株当たり当期純利益・自己資本比率・キャッシュ・フローの状況はいずれも決算短信のサマリー情報p.1、店舗数・フォーマット別店舗数・JA協業・PB・ECは同p.3・p.4、財政状態とキャッシュ・フローの状況・キャッシュ・フロー関連指標は同p.5、利益配分に関する基本方針は同p.6、セグメント情報の省略は同p.18。決算実績は決算説明会資料p.1、営業収益・営業利益推移と増減要因は同p.2、商品カテゴリー別実績は同p.3、営業利益増減要因は同p.5、株主還元方針と過去20年の配当金額は同p.10、2027年3月期業績予想は同p.11、出店方針は同p.18、PB売上構成比は同p.21、EC売上は同p.24、2027年3月期の設備投資計画は同p.34)。株価・予想配当利回りはYahoo!ファイナンス(2026年8月10日終値)です。PER・PBRは2026年8月10日の株価3,925円を、2027年3月期の会社予想EPS319.44円および2026年3月期末の1株当たり純資産5,472.59円で割って算出しています。本記事の売上高は損益計算書の「営業収益」(売上高3,705億円+営業収入148億円)で、IRBANKの「売上高及び営業収入」と同じ系列です。株式分割は1993年から1997年にかけて実施されていますが、本記事が扱う2017年3月期以降には影響しません。設立(1962年)・上場(1987年)は会社の公開情報で確認しています。

※本記事は情報提供を目的としており、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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