YOCとは?買ったあとに利回りが育つしくみ【配当利回りとの違い】

YOCとは 連続増配株の基礎知識

最終更新日:2026年10月13日

YOCは「自分の買値に対する利回り」です

こんにちは。10年以上連続増配株の情報を発信している桃モアイです。

この記事では、YOC(Yield on Cost)の意味と、配当利回りとの違いを説明します。先に結論を3つにまとめます。

・YOCは、自分が買った値段に対して、いま年間いくら配当をもらえているかを表す割合です。
・配当利回りは「いまの株価」で割り、YOCは「自分の買値」で割ります。違いはこの1点です。
・増配が続くと、買値は変わらないので、YOCは上がっていきます。


YOCとは?言葉の意味と計算式

YOCは「Yield on Cost」の頭文字です。日本語の決まった呼び名はなく、「取得利回り」「取得原価利回り」などと書かれることもあります。買ったときの値段を基準にして、配当の割合を見る数字です。

計算式は次のとおりです。

YOC(%)= 1株あたりの年間配当 ÷ 自分の取得単価 × 100

取得単価とは、その株を1株いくらで買ったかという値段です。何回かに分けて買った場合は、平均の買値を使います。証券会社の保有一覧では「平均取得価額」などの名前で表示されます。

年間配当には、実績を使う方法と、会社予想を使う方法があります。本サイトのポートフォリオでは、会社予想の配当で計算しています。


配当利回りとの違い

2つの違いは、配当を何で割るかです。よく目にする配当利回りは、同じ時点で見れば誰が見ても同じ数字になります。YOCは、買った人ごとに数字が違います。

比べる点 配当利回り YOC
割る数 いまの株価 自分の買値(取得単価)
人による違い 誰が見ても同じ 買った人ごとに違う
分かること いま買うと何%になるか 自分の買値に対して何%か

株価は毎日動くので、配当利回りも毎日変わります。一方で買値は、買い増しをしないかぎり変わりません。そのため買い増しをしなければ、YOCが動くのは配当が増えたときか減ったときだけです。


YOCを計算してみる

数字を当てはめると、違いがはっきりします。ある株を1株1,000円で買い、年間配当が30円だったとします。

このときのYOCは、30円÷1,000円×100で3.0%です。買った時点では、配当利回りも同じ3.0%になります。

数年後に配当が40円へ増え、株価も1,600円に上がったとします。YOCは40円÷1,000円×100で4.0%です。同じ時点の配当利回りは、40円÷1,600円×100で2.5%になります。

これから買う人から見ると、利回り2.5%の株です。けれども1,000円で買った人は、買値に対して4.0%の配当を受け取っています。同じ株でも、見る立場で数字が変わります。


増配が続くとYOCはどう育つか

増配が長く続くほど、YOCは大きく育ちます。買ったときの利回りが3.00%の株で、増配が10年続いた場合を試算しました。

毎年5%ずつ増配した場合、YOCは5年後に3.83%、10年後に4.89%です。毎年10%ずつなら、5年後に4.83%、10年後に7.78%になります。

増配が続いた場合のYOCの試算 年5%と年10%の比較

これは増配率を一定と置いた仮定の計算で、将来の配当を約束するものではありません。買い増しをせず、同じ株を持ち続けた前提です。実際の増配率は年によって変わり、増配が止まることもあります。


YOCを見るときの注意点

YOCを使うときに、確認しておきたい点が4つあります。

第一に、これから買う判断には使えません。YOCは過去の買値をもとにした数字です。いま買う人に当てはまるのは、いまの株価で計算した配当利回りです。

第二に、YOCが高くても減配は起こりえます。YOCの高さは、過去の買値とこれまでの増配で決まります。この先も増配できるかは、会社の利益と財務の余力しだいです。私が8指標で配当性向などを確認しているのは、この余力を見るためです。

第三に、YOCは株価の値動きを映しません。計算に使うのは配当と買値で、いまの株価は入っていません。YOCが高くても、株価が買値を下回っていることはあります。保有株の状況は、評価損益とあわせて確かめます。

第四に、買い増しをするとYOCは変わります。買値より高い株価で買い増すと、平均の取得単価が上がり、YOCは下がります。

なお、YOCは配当利回りと同じく、配当にかかる税金を引く前の数字です。


私のポートフォリオでの使い方

私は毎月、保有している連続増配株をポートフォリオのページで公開しています。そこでは2つの利回りを並べて載せています。

1つは「時価ベース平均予想利回り」で、いまの株価で見た利回りです。もう1つが「簿価ベース平均予想利回り(YOC)」で、自分の買値で見た利回りです。

並べている理由は、役割が違うからです。時価ベースは、いまの水準を知るために見ます。YOCは、持ち続けた結果として利回りが育っているかを確かめるために見ます。

▶ 桃モアイのポートフォリオを見る


まとめ:YOCは「持ち続けた結果」を見る数字

YOCは、自分の買値に対する利回りです。増配が続くと、買値が変わらないぶんYOCは上がっていきます。

・これから買うときは、配当利回りを見る
・持っている株の育ち具合は、YOCで見る
・増配が続くかどうかは、利益と財務の余力で確かめる

連続増配株そのものについては連続増配株の基礎知識で説明しています。連続増配株を取り巻くいまの環境は、「連続増配株の魅力と、いま吹いている追い風」にまとめました。実際の銘柄は10年以上連続増配株一覧からご覧ください。


※本記事は情報提供を目的としており、特定の銘柄への投資を勧めるものではありません。試算は仮定にもとづく計算で、将来の配当や利回りを約束するものではありません。投資は自己責任のもとで行ってください。

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