【12年連続増配】村上開明堂(7292)を8指標分析

村上開明堂(7292)連続増配株の8指標分析

最終更新日:2026年7月27日

12年連続増配・バックミラー国内シェア約40%で首位、8指標オールクリアの「村上開明堂」

こんにちは。10年以上連続増配株の情報を発信している桃モアイです。クルマのドアミラーやルームミラー――運転中の「後ろを見る」を支える鏡で、国内シェア約40%・首位の会社があります。1882年に静岡で創業し、1897年から鏡づくりを手がけてきた老舗で、いまでは売上の半分超を海外(アジア・北米)で稼いでいます。

今回は3月・9月に配当権利が確定する連続増配株の1社、村上開明堂(証券コード:7292)を私独自の8指標で分析しました。

結論から言うと、村上開明堂は8つの指標をすべてクリアしました。12年連続の増配と、過去10年で約1.7倍に伸びた売上、自己資本比率77.6%の厚い財務が強みです。来期の配当予想が据え置きになっている点などは、「投資の留意点」で確認していきます。

📊 株価・利回りの基準日:2026年7月24日時点の値です
📊 財務指標は2026年3月期(実績)の数値を使用しています


村上開明堂とはどんな会社?

村上開明堂は、静岡市に本社を置く自動車用バックミラーの専業大手です。1882年に静岡で創業し、1897年に鏡の製造を開始しました。1948年に会社を設立し、1991年に株式を店頭公開、1995年に東証二部へ上場し、2022年4月の市場再編でスタンダード市場へ移行しています。国内シェアは約40%で首位(会社発行の紹介資料・報道に基づく)、国内の自動車メーカー各社と取引しています。

事業は自動車用バックミラーの製造・販売が中心で、鏡づくりで培った薄膜技術を生かした光学機器用ファインガラスも手がけています(決算短信)。グループは子会社18社で構成され、報告セグメントは日本・アジア・北米の3つです。2026年3月期の売上構成は、日本44.4%・アジア28.6%・北米27.0%(外部顧客への売上高ベース)で、海外売上比率は55.6%にのぼります。アジアはタイ・中国・インドネシア、北米は米国・メキシコに製造子会社を置き、インドにも製造子会社(非連結)を持つグローバルな生産体制です。

会社の基本情報は次のとおりです。

上場市場:東証スタンダード
業種:輸送用機器
決算月:3月
連続増配:12年(2026年3月期時点)
株価:6,570円(2026年7月24日時点)
予想配当利回り:3.65%(2027年3月期 会社予想配当240円ベース)
配当権利確定:3月・9月(年2回)


配当情報

村上開明堂は増配を続けていて、2026年3月期で12年連続増配になりました。1株あたりの年間配当は、2026年3月期の実績で240円です(中間105円・期末135円)。なお2023年3月期の84円には記念配当14円を含みます(決算説明資料の配当推移)。

2027年3月期の会社予想は240円の据え置き(中間120円・期末120円)です。配当の方針は「安定的な配当の継続を基本としながら、経営環境や業績動向及び配当性向等を総合的に勘案して決定」としています(決算短信)。据え置き予想の扱いは「投資の留意点」で説明します。

利益に対する配当の割合(配当性向)は45.7%と、桃モアイ基準の50%以下に収まっています。

項目 内容
株価 6,570円(2026年7月24日時点)
予想配当利回り 3.65%(2027年3月期 会社予想配当240円ベース)
連続増配年数 12年(2026年3月期時点)
配当性向 45.7%(2026年3月期 実績)

出典:株価はYahoo!ファイナンス(2026年7月24日時点)、配当・配当性向は決算短信。予想配当利回りは2027年3月期の会社予想配当(1株240円)に基づき、株価の変動により変わります。配当性向は2026年3月期の実績(240円÷EPS524.89円=45.7%)で、決算短信の公表値と一致しています。連続増配年数は、株式分割をさかのぼって調整した配当実績ベース(IRBANK・決算短信)で、2015年3月期を増配1年目として実績12年と数えています。

いちばん右の薄いグレーの棒は会社予想(2027年3月期)です。

村上開明堂 1株あたりの配当の推移 12年連続増配

1株あたりの配当は、2017年3月期の32円から2026年3月期の240円まで増えました。毎年ならすと約25.1%ずつ増やしてきた計算で、増配ペースはかなり速い部類です。2027年3月期は240円の据え置き予想です。


8指標分析の結果

ここからは、村上開明堂を私独自の8指標で見ていきます。8指標の詳しい説明はこちらの記事をご覧ください。

なお私が確認する8つの指標は、売上高・EPS(1株あたりの利益)・営業利益率・自己資本比率・営業活動によるCF(以下、営業CF)・現金等・1株あたりの配当・配当性向です。

指標 基準 村上開明堂 判定
売上高 増加傾向 699億円→1,157億円(過去10年で約1.7倍)
EPS(1株あたりの利益) 安定して増加傾向 389.4円→524.9円(過去10年で最高を更新)
営業利益率 5%以上 7.9%(直近期・実績)
自己資本比率 40%以上 77.6%(直近期・実績)
営業活動によるCF 過去10年すべてプラス 全期間プラス(過去10年のレンジは60.3億〜119.2億円)
現金等 増加傾向 234.7億円→432.2億円(過去10年で約1.8倍)
1株あたりの配当 10年以上連続増配 12年連続増配
配当性向 50%以下 45.7%(直近期・実績)

※判定欄の✅は桃モアイ基準を満たした指標です。
※財務指標は2026年3月期(実績)。IRBANKおよび決算短信・決算説明資料をもとに桃モアイが独自に分析しています。「増加傾向」「安定して増加傾向」は過去10年の長期トレンドで判定し、一時的な減少はクリア扱いとしています。8指標すべてをクリアしました。EPSは過去10年で約1.35倍と伸びは緩やかですが、単年▲30%超の急落がなく、直近5期連続の増加で最新が過去10年の最高のため基準クリアとしています。EPSは決算短信の1株当たり当期純利益を使用しています(2026年3月期は524円89銭)。金額は表示桁未満を四捨五入しています。


グラフで見る業績の推移(過去10年・2017年3月期〜2026年3月期実績+2027年3月期予想)

ここからは、過去10年の業績をグラフで見ていきます。グラフは2017年3月期〜2026年3月期の実績で、会社予想のある系列は2027年3月期の予想もグレーで示しています。

売上高と営業利益率

売上高は、2017年3月期の699億円から2026年3月期の1,157億円へと、過去10年で約1.7倍に増えました。2021年3月期(▲4.5%)・2022年3月期(▲0.7%)に一時的な減少はあったものの、2023年3月期からは4期連続で過去最高を更新しています。2026年3月期は、タイ(アジア)とメキシコ(北米)での販売数量の増加や為替換算の影響で、前の年より5.9%増えました(決算短信)。

営業利益率(売上に対する本業のもうけの割合)は過去10年6.2〜10.7%で推移し、直近は7.9%と基準の5%以上をクリアしています。2021〜2023年3月期に6%台へ低下したあと、2024年3月期以降は8%前後まで戻しました。2027年3月期の会社予想は7.4%です。

村上開明堂 売上高と営業利益率の推移

EPS(1株あたりの利益)と配当性向

EPS(1株あたりの利益)は、過去10年で389.4円から524.9円へ約1.35倍になりました。2021年3月期に▲25.1%(290.9円)の減少はあったものの、その後は5期連続で増加し、最新は過去10年で最高です。伸びは緩やかですが急落がなく、着実な右肩上がりのため桃モアイ基準はクリアとしています。なお2027年3月期の会社予想は509.4円と、前の年より2.9%減る見込みです。

配当性向は、増配のペースが利益の伸びを上回ってきたため、8.2%から45.7%へ切り上がってきました。それでも基準の50%以下には収まっています。2027年3月期の会社予想は47.1%です(グラフの破線)。

村上開明堂 EPSと配当性向の推移

営業活動によるCFと現金等

営業CF(本業で稼いだ現金)は、過去10年すべてプラスでした(レンジは60.3億〜119.2億円。最小は2022年3月期、最大は2024年3月期)。2026年3月期は99.4億円です。現金等(手元の現金)は、2017年3月期の234.7億円から2026年3月期の432.2億円へと過去10年で約1.8倍に増えました。直近1年は19.6億円の減少ですが、設備投資57.4億円や投資有価証券(長期で持つ株や債券など)の取得22.0億円といった投資への支出と、配当の支払い26.0億円などが営業CFを上回ったためです(決算短信)。

村上開明堂 営業CFと現金等の推移

自己資本比率

自己資本比率(会社の資産のうち、返す必要のないお金でまかなえている割合)は、過去10年71.7〜78.1%で推移し、直近は77.6%です。基準の40%以上を大きく上回ります。有利子負債はリース債務など約1.4億円とごくわずかで、実質無借金の財務です(連結貸借対照表)。

村上開明堂 自己資本比率の推移


注目ポイント

国内シェア約40%で首位、世界7か国に広がる生産体制

自動車用バックミラーの国内シェアは約40%で首位です(会社発行の紹介資料・報道に基づく)。明治期から120年以上続く鏡づくりの技術を土台に、国内の自動車メーカー各社と取引しています。タイ・中国・インドネシア・米国・メキシコに製造子会社を置き、インドにも製造子会社(非連結)を持つなど、日本を含む世界7か国に生産の足場を築いています。

アジア・北米がけん引し、3期連続の増収増益

2026年3月期は売上高5.9%増・営業利益3.3%増・純利益2.3%増と、3期連続の増収増益でした。アジアはセグメント利益13.9%増の47.5億円、北米は同33.1%増の19.4億円と海外が伸び、海外2セグメントでセグメント利益の約8割を占めます(セグメント情報)。海外売上比率は55.6%と、成長の軸足は海外にあります。

自己資本比率77.6%・実質無借金、配当を支える厚い財務

自己資本比率77.6%・現金等432.2億円・実質無借金と、財務の厚さはこのシリーズでも上位クラスです。2026年3月期の配当金総額27.8億円は営業CF99.4億円で十分にまかなえる水準で、無理のない範囲で増配を続けてきたことが数字からも読み取れます。

いっぽうで、来期の配当予想や利益計画には確認しておきたい点もあります。次の「投資の留意点」で説明します。


投資の留意点

強みのある会社ですが、確認しておきたい点が3つあります。

第一に、2027年3月期の配当予想が240円の据え置きである点です。予想どおりに実施されれば、連続増配はいったん12年で止まることになります。会社の方針は「安定的な配当の継続」が基本で、減配しないことを明示する累進配当のような方針は開示されていません。予想配当性向は47.1%と基準の50%以下に収まっており、増配の再開には利益の伸びが前提になります。

第二に、2027年3月期が減益計画である点です。売上高は1,170億円(1.2%増)を見込む一方、営業利益は87億円(▲5.0%)・純利益は59億円(▲2.9%)の減少計画です。追加関税や原材料高・賃上げによるコスト増に対して価格転嫁が限定的なことが背景で、2026年3月期は日本セグメントの利益が▲38.2%の17.3億円まで減っています。予想は1ドル150円が前提で、中東情勢悪化の影響は織り込まれていません(決算短信)。

第三に、バックミラー中心の事業構造で、自動車市況と為替の影響を受けやすい点です。売上の半分超(55.6%)が海外のため、円高は業績の下押し要因になります。2026年3月期は北米で減損損失2.7億円を計上しました(決算短信)。完成車メーカーの生産動向に業績が左右されやすい構造は、確認しておきたいところです。


まとめ

村上開明堂(7292)は、バックミラー国内首位の自動車部品メーカーで、2026年3月期で12年連続増配となった、8指標すべてをクリアした連続増配株です。強みと留意点を3点ずつにまとめると、次のとおりです。

【強み】
✅ 売上は過去10年で約1.7倍、2023年3月期から4期連続で過去最高
✅ 自己資本比率77.6%・実質無借金、現金等は過去10年で約1.8倍
✅ 年平均約25.1%の増配ペースで、配当性向45.7%と基準内

【留意点】
・2027年3月期の配当予想は240円の据え置き(実施されれば連続増配は12年でいったん停止)
・2027年3月期は営業利益▲5.0%の減益計画(コスト増への価格転嫁が課題・中東情勢は未織り込み)
・売上の半分超が海外で為替の影響が大きく、自動車市況に業績が左右されやすい

3月・9月に配当の権利が確定する銘柄です。来期の据え置き予想のあと、増配路線に戻れるかどうかをチェックしていきたい1社です。


連続増配株への投資を始めるには、証券口座が必要です。どの証券会社で始めるか迷っている方は、こちらの記事で楽天証券とSBI証券を比較しています。

楽天証券とSBI証券、連続増配株を始めるならどっち?

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※業績・セグメント・キャッシュフロー・貸借対照表・配当の数値は、村上開明堂の2026年3月期 決算短信および連結決算概要(決算説明資料)に基づきます。過去10年の各指標はIRBANKと決算短信を突合し、増減率の機械照合で確認しています。EPSは2025年・2026年3月期は決算短信の1株当たり当期純利益(513円64銭・524円89銭)を使用し、それ以前はIRBANKの系列です。連続増配年数は、株式分割をさかのぼって調整した配当実績ベース(IRBANK・決算短信)で、2015年3月期を増配1年目として実績12年と数えています(過去10年内に株式分割はありません)。2023年3月期の記念配当14円は連結決算概要の配当推移によります。国内シェア約40%・首位は会社発行の紹介資料および報道によります。株価・予想配当利回りはYahoo!ファイナンス(2026年7月24日時点)によります。

※本記事は情報提供を目的としており、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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