最終更新日:2026年9月2日
10年連続増配・介護付有料老人ホームに集中する首都圏と近畿圏の介護大手
こんにちは。10年以上連続増配株の情報を発信している桃モアイです。親や自分が年を重ねたとき、どんな老人ホームを選ぶかは多くの家庭にとって身近な問題だと思います。その受け皿となる有料老人ホームを、首都圏と近畿圏で115ホーム運営しているのがチャーム・ケア・コーポレーションです。そのうち94%を介護付有料老人ホームに絞り込んでいるのが特徴です。
今回は6月と12月に配当権利が確定する連続増配株の1社、チャーム・ケア・コーポレーション(証券コード:6062)を私独自の8指標で分析しました。
結論から言うと、8指標すべてクリアでした。ただし、2025年6月期に利益がいったん落ち込んだ経緯など、確認しておきたい点もあります。理由も含めて、このあとひとつずつ分かりやすく説明します。
📊 株価・利回りの基準日:2026年8月31日時点の値です
📊 財務指標は2026年6月期(実績)の数値を使用しています
チャーム・ケア・コーポレーションとはどんな会社?
チャーム・ケア・コーポレーションは、大阪と東京に本社を置く介護サービス会社です。主力は介護付有料老人ホームの運営で、有料老人ホーム全体では2026年6月期末時点で115ホーム・7,746室を展開しています。エリアは首都圏58ホーム、近畿圏57ホームと、都市部に絞り込んでいます。
強みは、事業を介護付有料老人ホームに集中させていることです。運営するホームのうち94%が介護付で、大手の中では珍しい構成になっています。要介護度の高い方を受け入れる体制を整えることで、入居者数が安定しやすく、収益の振れも小さくなります。実際、開設から2年を超えた既存の介護付ホームの入居率は、過去5年にわたって94%台から96%台で推移しています。
リスクの芽としては、成長のスピードが新規ホームの開設ペースに左右されることが挙げられます。新しいホームは開設直後の入居率が5割前後にとどまるため、出店を増やすほど短期的には利益を押し下げます。用地の取得や建築費の動向も業績に影響します。
会社の基本情報は次のとおりです。
上場市場:東京証券取引所プライム市場
業種:サービス業
決算月:6月
連続増配:10年連続(2026年6月期時点)
現在の株価:1,404円
予想配当利回り:3.42%
配当権利確定:6月・12月(年2回)
配当情報
チャーム・ケア・コーポレーションは、2017年6月期から2026年6月期まで10年連続で増配しています。年間配当は、2017年6月期の1.88円から2026年6月期の43円まで増えました。2027年6月期は48円が会社予想です。
2026年6月期の年間配当43円には、「第1号ホーム開設20周年記念配当」3円が含まれています。記念配当を除いた普通配当だけで見ても40円で、前期の34円から増えています。2027年6月期予想の48円は記念配当を含まない金額です。
📌 株式分割と本記事の基準
チャーム・ケア・コーポレーションは、過去10年のあいだに4回の株式分割を行っています。2017年1月1日、2017年6月1日、2018年4月1日、2020年1月1日に、いずれも1株を2株に分割しました。4回を合わせると、株数は累計で16倍になっています。
このため本記事のEPS(1株あたりの利益)と1株あたりの配当は、すべて分割をさかのぼって調整した「調整後」の金額で統一しています。たとえば2017年6月期の配当1.88円は、当時の実際の金額ではなく、いまの株数に合わせて計算し直した値です。
なお株価は実際の取引価格のため、調整はしていません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 株価 | 1,404円(2026年8月31日時点) |
| 予想配当利回り | 3.42%(2027年6月期予想) |
| 連続増配年数 | 10年(2026年6月期時点) |
| 1株あたりの配当(実績・総額) | 43円(普通40円+記念3円/2026年6月期) |
| EPS(1株あたりの利益・実績) | 123.87円(2026年6月期) |
| 配当性向 | 34.7%(43円 ÷ 123.87円/2026年6月期) |
※予想配当利回りは、2027年6月期の年間配当予想48円を2026年8月31日の株価1,404円で割った値です。配当性向は2026年6月期の実績です。株価は東証終値(2026年8月31日時点)。株価が動くと、予想配当利回りも変わります。
※2026年6月期の中間配当20円には、「第1号ホーム開設20周年記念配当」3円が含まれます(出典:2026年6月期 決算短信p.1)。連続増配年数は、記念配当を含む年間配当の総額ベースで数えています。
いちばん右の薄いグレーの棒は会社予想(2027年6月期)です。

年平均の増配率は、2017年から2026年までの9年間で約41.6%になります。ただしこれは、分割調整後の起点が1.88円と小さいことが効いた数字です。直近5年(2021年から2026年)で計算すると約29.1%で、こちらのほうが最近のペースに近い目安になります。
8指標分析の結果
ここからは、チャーム・ケア・コーポレーションを私独自の8指標で見ていきます。
8指標の詳しい説明はこちらの記事をご覧ください。
なお私が確認する8つの指標は、売上高・EPS(1株あたりの利益)・営業利益率・自己資本比率・営業活動によるCF(以下、営業CF)・現金等・1株あたりの配当・配当性向です。
| 指標 | 基準 | 実値 | 判定 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 増加傾向 | 109億円 → 490億円(10年で約4.5倍) | ✅ |
| EPS(1株あたりの利益) | 安定して増加傾向 | 20.55円 → 123.87円(約6.0倍) | ✅ |
| 営業利益率 | 5%以上 | 10.8% | ✅ |
| 自己資本比率 | 40%以上 | 43.6% | ✅ |
| 営業活動によるCF | 過去10年すべてプラス | 全期間プラス(4億〜105億円) | ✅ |
| 現金等 | 増加傾向 | 9億円 → 101億円 | ✅ |
| 1株あたりの配当 | 10年以上連続増配 | 10年連続増配(2017年6月期〜2026年6月期) | ✅ |
| 配当性向 | 50%以下 | 34.7% | ✅ |
※判定欄の✅は桃モアイ基準を満たした指標です。
※財務指標は2026年6月期(実績)。IRBANKのデータをもとに桃モアイが独自に分析。なお8指標の「増加傾向」「安定して増加傾向」は過去10年の長期トレンドで判定しており、一時的な減少はクリア扱いとしています。2026年6月期は増収増益となりました。金額は億円未満を切り捨てて表示しています。
※配当性向は決算短信および決算説明資料の開示値を採用しています(自算値と丸めの段が1年分だけ異なるため)。
※EPSはグラフのみ小数第一位まで表示しています。本文と表の値は決算短信の「1株当たり当期純利益」(2026年6月期123.87円、2025年6月期89.89円)を採用しました。IRBANKと決算説明資料p.21では2025年6月期を89.75円と表示していますが、本記事は決算短信の値で統一しています。
※EPSは2025年6月期に前期比▲31.4%となりました。前期まで手がけていた不動産開発・売却の利益と、固定資産の売却益がなくなったためです。本業の介護事業は増益が続いており、長期トレンドでの判定のためクリアとしました。詳しくは「投資の留意点」で説明します。
※投資判断の参考としてご活用ください。
グラフで見る業績の推移(過去10年・2017年〜2026年実績+2027年予想)
売上高と営業利益率
売上高は2017年6月期の109億円から2026年6月期の490億円まで、10年で約4.5倍になりました。ホーム数を増やし続けてきたことが、そのまま売上の伸びにつながっています。2027年6月期は514億円が会社予想です。
10年のうち唯一の減収が2025年6月期で、466億円と前期から2.4%減りました。これは介護事業が縮んだのではなく、当時あわせて手がけていた不動産開発・売却の売上が減ったためです。この不動産開発・売却の案件は、2026年6月期に完了した調布市国領案件をもって終了しています。
営業利益率(売上に対する本業のもうけの割合)は、10年を通して7.8%から11.3%のあいだで推移しています。桃モアイ基準の5%は全期間で上回っており、直近の2026年6月期は10.8%でした。2027年6月期は11.6%が会社予想です。

EPS(1株利益)と配当性向
EPSは2017年6月期の20.55円から2026年6月期の123.87円まで、約6.0倍に増えました。2027年6月期は124.08円が会社予想です。
途中で1度だけ大きく下がった年があります。2025年6月期の89.89円で、前期の130.96円から31.4%の減少でした。ただし、下がる前の2024年6月期が不動産開発・売却の利益と固定資産の売却益で押し上げられていたという事情があります。翌2026年6月期は123.87円まで戻り、10年で2番目の水準になりました。
配当性向(利益のうち配当に回す割合)は9.1%から37.8%のあいだで動いています。直近の2026年6月期は34.7%で、桃モアイ基準の50%以下には余裕があります。2027年6月期は38.7%が会社予想です。会社は決算説明資料で、配当性向30%以上を続ける方針を示しています。

営業活動によるCFと現金等
営業CF(本業で稼いだ現金)は、過去10年すべてプラスでした。金額は4億円から105億円まで年ごとの幅が大きく、2026年6月期は73億円です。介護事業では入居時に受け取る一時金の増減が現金の動きに出るため、年による振れが起きやすくなっています。
現金等は2017年6月期の9億円から2026年6月期の101億円まで増えました。2020年6月期と2024年6月期に大きく増えているのは、公募増資と、事業用不動産の売却によるものです。

自己資本比率
自己資本比率(会社の資産のうち、返す必要のないお金でまかなえている割合)は、2017年6月期の16.1%から2026年6月期の43.6%まで上がりました。桃モアイ基準の40%以上をクリアしています。
2020年6月期に24.3%から40.8%へ大きく跳ねているのは、2019年に行った公募増資で自己資本が厚くなったためです。その後はホームの新設に伴う資産の増加で30%台に下がる時期もありましたが、利益の積み上がりによって直近は43.6%まで戻しています。

注目ポイント
介護付有料老人ホームに絞り込んでいる
事業を介護付有料老人ホームに絞り込んでいます。2026年8月1日時点で運営するホームは介護付が108、住宅型が7で、介護付の比率は94%です。会社は決算説明資料で、大手の中でこれだけ介護付に集中している例は他にないと説明しています。
介護付は、入居者一人ひとりに継続的なサービスを提供する形態です。いったん入居が決まれば長く利用されるため、売上が積み上がりやすい構造になっています。
入居率が高い水準で安定している
入居率は高い水準で安定しています。開設から2年を超えた既存の介護付ホームの期中平均入居率は、2026年6月期で94.5%でした。前期の94.4%とほぼ同じ水準です。
会社が四半期ごとに開示している過去5年の系列を見ても94%台から96%台のあいだで動いており、大きく崩れた年はありません。介護事業全体で見ても、入居者数を定員で割った平均入居率は2025年6月期の87.1%から2026年6月期は89.5%へ上がりました。
2026年6月期はホーム数を10増やしています。新しいホームは開設直後の入居率が5割前後にとどまるため、出店を増やした年に全体の入居率を上げられている点は、今期の内容の良さを示しています。
職員1人あたりの生産性が上がり続けている
職員1人あたりの生産性が上がり続けています。1人あたりの月間の付加価値労働生産性は、2022年6月期の53.3万円から2026年6月期は68.9万円になりました。
同じ期間に、職員の平均年収も約427万円から約480万円へ上がっています。2024年7月には選択的週休3日制度を導入し、いまは介護スタッフのおよそ65%が週休3日を選んでいるとのことです。
人手の確保は介護業界に共通する課題です。待遇と働き方を良くしながら生産性も上げられている点は、この会社の特徴といえます。介護事業のセグメント利益は、2025年6月期の48億円から2026年6月期は63億円へ伸びました。
いっぽうで、利益の振れ方や今後の伸びしろについては、確認しておきたい点もあります。次の「投資の留意点」でくわしく説明します。
投資の留意点
確認しておきたい点が3つあります。
第一に、2025年6月期に利益が大きく落ち込んだ経緯です。EPSは130.96円から89.89円へ、31.4%減りました。原因は本業の不振ではなく、当時あわせて手がけていた不動産開発・売却の利益と、固定資産の売却益がなくなったことです。不動産開発・売却の案件は2026年6月期をもって終了しており、今後は同じ理由での振れは起きにくくなります。ただし、過去10年のグラフを見るときは注意が必要です。2024年6月期の高さも2025年6月期の落ち込みも、介護事業そのものの動きではありません。
第二に、2027年6月期の利益は横ばい予想である点です。会社予想では、売上高は514億円へ4.8%増、営業利益は59億円へ13.0%増と伸びる一方、純利益は40億円で前期比0.2%増にとどまります。2026年6月期にあった事業用不動産の売却益がなくなるためです。配当は48円へ増える予想ですが、配当性向は34.7%から38.7%へ上がる見込みで、増配のペースが利益の伸びを上回る形になります。
第三に、過去に株数が増えている点です。チャーム・ケア・コーポレーションは2018年と2019年に公募増資などを行っています。株式分割による増加分を差し引いても、発行済株式数はそのぶん増えました。自己資本比率が2020年6月期に大きく改善したのも、この増資によるところが大きい点です。増資は成長のための資金調達ですが、1株あたりの利益や配当は、そのぶん薄まる方向に働きます。今後も出店を続ける計画のため、資金の調達方法は見ておきたいところです。
まとめ
チャーム・ケア・コーポレーション(6062)は、2026年6月期で10年連続増配となった、8指標すべてをクリアした連続増配株です。強みと留意点を3点ずつにまとめると、次のとおりです。
【強み】
✅ 運営ホームの94%を介護付有料老人ホームに絞り、売上が積み上がりやすい
✅ 既存の介護付ホームの入居率が94%台で安定し、ホーム数も10年で増え続けている
✅ 配当性向34.7%と余裕があり、10年で配当は1.88円から43円へ
【留意点】
・2025年6月期にEPSが31.4%減った経緯(不動産開発・売却と売却益の反動)
・2027年6月期の純利益は前期比0.2%増の横ばい予想
・過去に公募増資で株数が増えており、1株あたりの価値は薄まる方向
配当の権利確定は6月と12月です。予想配当利回りは3.42%となっています。
連続増配株への投資を始めるには、証券口座が必要です。どの証券会社で始めるか迷っている方は、こちらの記事で楽天証券とSBI証券を比較しています。
【出典】2026年6月期 決算短信〔日本基準〕(連結)/2026年6月期 決算説明資料/株式分割に関するお知らせ(2016年11月16日・2017年5月8日・2018年2月16日・2019年11月15日)/2025年6月期 有価証券報告書/IRBANK。株価は東京証券取引所の終値(2026年8月31日)。連続増配年数は配当履歴ベース(上場前を含む・株式分割の調整後)で数えており、増配1年目は2017年6月期です。
※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。記載の数値は作成時点のものです。

