最終更新日:2026年7月27日
12年連続増配・ホームセンター「コーナン」を全国671店舗に広げる関西発の小売大手
こんにちは。10年以上連続増配株の情報を発信している桃モアイです。日曜大工の木材や工具から日用品、園芸の土、ペット用品まで、暮らしの「そろえたい」を一度に買えるホームセンター「コーナン」を運営する会社があります。2026年にはアレンザホールディングスと資本業務提携し、単純合算でホームセンター業界トップの売上規模になりました(決算説明資料p.34)。
今回は8月・2月に配当権利が確定する連続増配株の1社、コーナン商事(証券コード:7516)を私独自の8指標で分析しました。
結論から言うと、コーナン商事は8指標のうち5つをクリアしました。12年連続の増配と、職人・プロ向け「コーナンPRO」がけん引する成長が強みです。いっぽうで、EPS・営業利益率・自己資本比率の3つは基準に届きませんでした。理由も含めて、このあとひとつずつ分かりやすく説明します。
📊 株価・利回りの基準日:2026年7月24日時点の値です
📊 財務指標は2026年2月期(実績)の数値を使用しています
コーナン商事とはどんな会社?
コーナン商事は、大阪市に本社を構えるホームセンター大手です。1978年9月に設立され、1996年9月に株式を上場しました(現在は東証プライム市場)。関西を地盤に、一般のお客さま向けの「ホームセンターコーナン」と、職人・プロ向けの「コーナンPRO」を展開しています。
グループには、会員制の建築資材卸「建デポ」、九州地盤の「HIヒロセ」、ベトナムなどの海外店舗も加わります。2026年2月末の店舗数はグループ計671店舗です。売上は近畿42.3%・関東30.0%と、大都市圏が中心です(決算説明資料p.22〜23)。
強みはPRO業態の伸びです。2026年2月期のPRO業態売上高は1,477億円(前期比+6.2%)と全体の29.4%を占め、第4次中期経営計画では2028年2月期に構成比32%を目指しています(同p.25)。
会社の基本情報は次のとおりです。
上場市場:東証プライム
業種:小売業
決算月:2月
連続増配:12年(2026年2月期時点)
株価:4,155円(2026年7月24日時点)
予想配当利回り:3.37%(2027年2月期 会社予想配当140円ベース)
配当権利確定:8月・2月(年2回)
配当情報
コーナン商事は増配を続けていて、2026年2月期で12年連続増配になりました。1株あたりの年間配当は、2026年2月期の実績で130円(前期比30円の増配)です。2027年2月期の会社予想は140円(10円の増配)で、実施されれば13期連続の増配となります。会社は第4次中期経営計画の期間中、総還元性向40%以上と累進配当(減配せず維持または増配を続ける方針)を目標水準に掲げています(決算説明資料p.44)。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 株価 | 4,155円(2026年7月24日時点) |
| 予想配当利回り | 3.37%(2027年2月期 会社予想配当140円ベース) |
| 連続増配年数 | 12年(2026年2月期時点) |
| 配当性向 | 30.1%(2026年2月期 実績) |
出典:株価はYahoo!ファイナンス(2026年7月24日時点)、配当は決算短信および決算説明資料。予想配当利回りは2027年2月期の会社予想配当140円に基づき、株価の変動により変わります。配当性向は2026年2月期の実績(130円÷EPS432.27円=30.1%)です。連続増配年数は、配当実績ベース(IRBANK・決算短信)で2015年2月期を増配1年目として12年と数えています(2014年2月期は32円で据え置き。会社開示の「12期連続増配」と同じ数え方です)。
いちばん右の薄いグレーの棒は会社予想(2027年2月期)です。

1株あたりの配当は、2017年2月期の44円から2026年2月期の130円まで増えました。毎年ならすと約12.8%ずつ増やしてきた計算です。特に2023年2月期以降は90円→95円→100円→130円と、増配の幅が広がっています。
8指標分析の結果
ここからは、コーナン商事を私独自の8指標で見ていきます。
8指標の詳しい説明はこちらの記事をご覧ください。
なお私が確認する8つの指標は、売上高・EPS(1株あたりの利益)・営業利益率・自己資本比率・営業活動によるCF(以下、営業CF)・現金等・1株あたりの配当・配当性向です。
| 指標 | 基準 | コーナン商事 | 判定 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 増加傾向 | 3,048億円→5,198億円(過去10年で約1.7倍) | ✅ |
| EPS(1株あたりの利益) | 安定して増加傾向 | 175.2円→432.3円(ピークは2021年2月期の561.3円) | - |
| 営業利益率 | 5%以上 | 4.3%(直近期・実績) | - |
| 自己資本比率 | 40%以上 | 34.4%(直近期・実績) | - |
| 営業活動によるCF | 過去10年すべてプラス | 全期間プラス(過去10年のレンジは94.0億〜351.2億円) | ✅ |
| 現金等 | 増加傾向 | 57.4億円→133.0億円(過去10年で約2.3倍) | ✅ |
| 1株あたりの配当 | 10年以上連続増配 | 12年連続増配 | ✅ |
| 配当性向 | 50%以下 | 30.1%(直近期・実績) | ✅ |
※判定欄の✅は桃モアイ基準を満たした指標、「-」は基準に届かなかった指標です。
※財務指標は2026年2月期(実績)。IRBANKおよび決算短信・決算説明資料をもとに桃モアイが独自に分析しています。「増加傾向」「安定して増加傾向」は過去10年の長期トレンドで判定し、一時的な減少はクリア扱いとしています。売上高の欄は、売上高にテナント賃料などの営業収入を加えた「営業収益」の実額です。営業利益率も営業収益に対する比率(IRBANKと同じ計算)で、売上高に対する比率でも4.5%と、いずれも基準の5%に届きません。2026年2月期は増収ながら、営業利益は前期比▲10.4%・純利益は同▲13.7%でした。8指標のうち5つをクリア。EPSはピーク(2021年2月期561.3円)から約23%低い432.3円にとどまり「安定して増加傾向」に届かず、営業利益率は販管費の増加で、自己資本比率は出店・M&Aを借入も使って進める財務構造で、それぞれ基準に届きませんでした。EPSは決算短信の公表値を小数第一位に丸めて表示し、金額は億円未満を四捨五入して表示しています。投資判断の参考としてご活用ください。
グラフで見る業績の推移(過去10年・2017年〜2026年実績+2027年予想)
ここからは、過去10年の業績をグラフで見ていきます。年はいずれも2月期です。会社予想のある系列は、いちばん右にグレーで2027年2月期の予想を示しています。
売上高と営業利益率
営業収益(売上高にテナント賃料などの営業収入を加えた額。本記事では売上高の系列としてこの額を使います)は、2017年2月期の3,048億円から2026年2月期の5,198億円へと、過去10年で約1.7倍に増えました。新店の上積みに加え、PRO商材や日用消耗品・食品がけん引しています。いっぽう営業利益率(売上に対する本業のもうけの割合)は過去10年4.3〜7.0%で推移し、直近は4.3%と基準の5%を下回りました。人件費や賃借料など販管費の伸びが、粗利の伸びを上回ったためです。なお2027年2月期の会社予想は営業収益5,435億円・利益率4.2%です。

EPS(1株あたりの利益)と配当性向
EPS(1株あたりの利益)は、2017年2月期の175.2円から2026年2月期の432.3円へと、過去10年で約2.5倍になりました。ただしピークは巣ごもり需要が追い風となった2021年2月期の561.3円で、直近はその約77%の水準です。2026年2月期も前期比▲12.2%の減少でした(単年で30%を超える急落はありません)。配当性向は過去10年10.9〜30.1%と、基準の50%以下で安定しています。2027年2月期の会社予想は31.5%です。

営業活動によるCFと現金等
営業CF(本業で稼いだ現金)は、過去10年すべてプラスでした(レンジは94.0億〜351.2億円。最小は2023年2月期、最大は2021年2月期)。2023年2月期にかけては在庫の積み増しなどで細りましたが、直近3期は224.4億〜229.9億円で安定しています。現金等(手元の現金)は、2017年2月期の57.4億円から2026年2月期の133.0億円へと過去10年で約2.3倍に増えました。2025年2月期に一度減りましたが、2026年2月期は37.8億円増えています。

自己資本比率
自己資本比率(会社の資産のうち、返す必要のないお金でまかなえている割合)は、過去10年32.8〜35.8%で推移し、直近は34.4%です。基準の40%は下回りますが、水準自体は10年間おおむね33〜36%で安定しています。背景は「投資の留意点」で説明します。

注目ポイント
累進配当と総還元性向40%以上を掲げ、13期連続増配へ
会社は第4次中期経営計画(2026年2月期〜2028年2月期)で、総還元性向40%以上と累進配当を株主還元の目標水準に掲げています(決算説明資料p.44)。2027年2月期の予想配当は140円で、実施されれば13期連続の増配です。配当性向は実績30.1%・予想31.5%と基準の50%以下に収まり、増配を続ける余力を残しています。
職人・プロ向け「コーナンPRO」が成長をけん引
2026年2月期のPRO業態売上高は1,477億円(前期比+6.2%)と、全体の29.4%まで高まりました。内装工事資材やエアコン用部材、工具などの販売好調が続いています(決算説明資料p.25)。既存店売上高も前年同期比▲0.4%と、業界平均の▲1.7%を上回りました(同p.8)。PRO業態は2026年2月期に20店舗を出店し、2028年2月期には売上1,900億円・構成比32%を目指します。
M&Aとアレンザとの提携で業界トップ規模の連合へ
2026年2月期は、福井県のホームセンターみつわと、家具・インテリアECのI’nTホールディングスをグループに加えました。さらに2026年4月にはアレンザホールディングスの株式38.79%を取得し、持分法適用会社としました。単純合算でホームセンター業界トップの売上規模となり、PB商品の供給や物流の合理化などの効果を見込みます(決算説明資料p.33〜34)。加えて2026年6月には、アレンザの親会社にあたるバローホールディングスとの資本業務提携も公表しています(2026年6月30日 適時開示)。
いっぽうで、利益率や財務のレバレッジには確認しておきたい点もあります。次の「投資の留意点」でくわしく説明します。
投資の留意点
強みのある会社ですが、確認しておきたい点が3つあります。
第一に、営業利益率が4.3%と基準の5%を下回り、直近期が減益だった点です。2026年2月期は増収ながら、営業利益224億円(前期比▲10.4%)・純利益123億円(同▲13.7%)でした。人件費や賃借料など販管費の伸びが粗利の伸びを上回る構造で、販管費率(売上高に対する比率)は35.4%から36.0%へ上がっています。2027年2月期は営業利益230億円(+2.7%)と増益計画ですが、人手不足による人件費の上昇は続く前提です。
第二に、借入を使って出店・M&Aを進める財務で、自己資本比率が34.4%にとどまる点です。有利子負債は2,194億円と、純資産の1.26倍にあたります(決算説明資料p.16)。金利の上昇局面では支払利息が増え、2026年2月期の支払利息は28億円と前期から5億円増えました。2027年2月期は設備投資450億円(うちアレンザへの出資などM&A関連220億円)を計画し、借入の活用はしばらく続く見通しです。
第三に、EPSがピークから2割強低い水準にとどまる点です。2021年2月期の561.3円は巣ごもり需要による押し上げを含みますが、その後は431.1円〜492.5円の範囲での推移が続き、直近も432.3円と前期比▲12.2%でした。配当性向にはまだ余裕があるものの、この先も増配ペースを保つには、アレンザとの提携やM&Aの成果を利益の成長につなげられるかがカギになります。
まとめ
コーナン商事(7516)は、ホームセンター「コーナン」「コーナンPRO」を展開する小売大手で、2026年2月期で12年連続増配となった、8指標のうち5つをクリアした連続増配株です。強みと留意点を3点ずつにまとめると、次のとおりです。
【強み】
✅ 12年連続増配。2027年2月期は140円予想で、実施されれば13期連続
✅ 累進配当・総還元性向40%以上を掲げ、配当性向30.1%と増配余力あり
✅ PRO業態の成長とアレンザとの提携で、業界トップ規模の連合へ
【留意点】
・営業利益率4.3%と基準未達で、販管費の増加により直近期は営業減益
・自己資本比率34.4%。有利子負債2,194億円で、金利上昇時は利息負担が増加
・EPSはピーク比2割強低い水準で、増配の持続は利益の回復が前提
8月・2月に配当の権利が確定する銘柄です。PRO業態とグループの拡大が利益の伸びに変わっていくか、これからの決算で見ていきたい1社です。
連続増配株への投資を始めるには、証券口座が必要です。どの証券会社で始めるか迷っている方は、こちらの記事で楽天証券とSBI証券を比較しています。
※業績・配当・財務の数値は、コーナン商事の2026年2月期 決算短信および決算説明会資料(2026年4月13日)、IRBANKに基づきます(有利子負債・DEレシオは説明資料p.16、既存店・PRO業態は同p.8〜9・25、株主還元方針は同p.44、アレンザホールディングスとの提携は同p.33〜34)。株価・予想配当利回りはYahoo!ファイナンス(2026年7月24日時点)です。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

