【11年連続増配】綿半ホールディングス(3199)を8指標分析

綿半ホールディングス(3199)連続増配株の8指標分析

最終更新日:2026年7月30日

11年連続増配・小売と建設の2本柱で売上高・営業利益・経常利益が過去最高

こんにちは。10年以上連続増配株の情報を発信している桃モアイです。長野県を中心に、工具や日用品から食品・生鮮品までを1つの店でそろえられるホームセンターとスーパーセンターを展開する会社があります。2026年3月期は建設事業の売上が前期比11.5%増と伸び、売上高・営業利益・経常利益がそろって過去最高を更新しました。

今回は3月に配当権利が確定する連続増配株の1社、綿半ホールディングス(証券コード:3199)を私独自の8指標で分析しました。

結論から言うと、綿半ホールディングスは8つのうち5つをクリアしました。11年連続の増配と、売上・EPSの長期の伸びは基準を満たしています。いっぽうで営業利益率・自己資本比率・営業活動によるCFの3つは基準に届きませんでした。理由も含めて、このあとひとつずつ分かりやすく説明します。

📊 株価・利回りの基準日:2026年7月29日時点の値です
📊 財務指標は2026年3月期(実績)の数値を使用しています


綿半ホールディングスとはどんな会社?

綿半ホールディングスは、長野県飯田市で1598年に綿屋として創業した商家が母体です。代々の当主が「綿屋半三郎」を襲名したことが社名の由来で、明治期に金物店へ転換し、2003年にグループをホールディングス制にしました。2014年に東証二部へ上場し、2015年に東証一部、2022年からプライム市場です(会社の沿革)。

報告セグメントは3つです。2026年3月期の売上高1,354.5億円のうち、小売事業が770.3億円で約57%、建設事業が499.0億円で約37%、貿易事業が65.0億円で約5%を占めます。残りの約1%は「その他」の区分です(2026年3月期 決算説明会資料p.7)。

小売事業は、ホームセンター「綿半ホームエイド」と、食品・生鮮品まで扱うスーパーセンターです。1977年に綿半ホームエイドを設立してホームセンターを始め、2007年に生鮮食品を入れたスーパーセンター1号店を開きました(会社の沿革)。建設事業は、自走式立体駐車場と鐵構(鉄骨)、木造建築が柱です。2026年3月期には『(仮称)三井アウトレットパーク福岡』の自走式立体駐車場を受注し、着工しました(2026年3月期 決算説明会資料p.22)。貿易事業は、医薬品の原料や肥料・飼料、食品の輸入販売です。

2026年3月期には、木質バイオマス発電を手がける綿半ウッドパワーが連結子会社に加わりました(2026年3月期 決算短信p.2、決算説明会資料p.25)。中期経営計画では、2029年3月期に売上高1,500億円・経常利益45億円を目標にしています(同p.63)。

会社の基本情報は次のとおりです。

上場市場:東証プライム
業種:小売業
決算月:3月
連続増配:11年(2026年3月期時点)
株価:1,365円(2026年7月29日時点)
予想配当利回り:2.27%(2027年3月期 会社予想配当31円ベース)
配当権利確定:3月(年1回)


配当情報

綿半ホールディングスは増配を続けていて、2026年3月期で11年連続増配になりました。1株あたりの年間配当は、2026年3月期の実績で30円(期末一括、前期比1円の増配)です。2027年3月期の会社予想は31円で、予想どおりなら12期連続の増配になります(2026年3月期 決算説明会資料p.61)。

配当は年1回で、権利が確定するのは3月です。配当方針は「安定的な配当を継続」で、配当性向(利益のうち配当に回す割合)は直近3期で24.7〜27.7%と推移しています。2027年3月期の会社予想は25.2%です(2026年3月期 決算短信「配当の状況」)。

📌 株式分割と本記事の基準
綿半ホールディングスは2020年10月1日付で、1株を2株に分ける株式分割を実施しました(2026年3月期 決算説明会資料p.61の注記)。本記事が「過去10年」として扱う2017年3月期以降には、この1回の分割が含まれます。そのため記事に載せた1株あたりの配当とEPSは、分割をさかのぼって調整した「調整後」の金額です。株価1,365円は実際の取引価格のため、調整はしていません。

項目 内容
株価 1,365円(2026年7月29日時点)
予想配当利回り 2.27%(2027年3月期 会社予想配当31円ベース)
連続増配年数 11年(2026年3月期時点)
配当性向 27.1%(2026年3月期 実績)

出典:株価はYahoo!ファイナンス(2026年7月29日時点)、配当は決算短信。予想配当利回りは2027年3月期の会社予想配当31円に基づき、株価の変動により変わります。配当性向は2026年3月期の実績(30円÷EPS110.57円=27.1%・決算短信の公表値と一致)です。連続増配年数は配当履歴ベース(IRBANK)で、2016年3月期を増配1年目として11年と数えています(2015年3月期まで調整後7.5円の据え置きが続いたため、その翌期を起点としました)。会社は2027年3月期の予想配当31円を「12期連続増配」と説明しています。なお上場は2014年のため、上場後の増配実績も11年です。

いちばん右の薄いグレーの棒は会社予想(2027年3月期)です。

綿半ホールディングス 1株あたりの配当の推移 11年連続増配

1株あたりの配当は、2017年3月期の13円から2026年3月期の30円まで増えました。毎年ならすと約9.7%ずつ増やしてきた計算です。2015年3月期までは調整後7.5円の据え置きが続いていて、増配が始まったのは2016年3月期からです。


8指標分析の結果

ここからは、綿半ホールディングスを私独自の8指標で見ていきます。

8指標の詳しい説明はこちらの記事をご覧ください。

なお私が確認する8つの指標は、売上高・EPS(1株あたりの利益)・営業利益率・自己資本比率・営業活動によるCF(以下、営業CF)・現金等・1株あたりの配当・配当性向です。

指標 基準 綿半ホールディングス 判定
売上高 増加傾向 927.8億円→1,354.5億円(過去10年で約1.5倍)
EPS(1株あたりの利益) 安定して増加傾向 68.2円→110.6円(過去10年で約1.6倍)
営業利益率 5%以上 2.7%(直近期・実績)
自己資本比率 40%以上 29.4%(直近期・実績)
営業活動によるCF 過去10年すべてプラス 過去10年のレンジは▲36.5億〜124.7億円(うち4年がマイナス)
現金等 増加傾向 32.9億円→51.5億円(過去10年で約1.6倍)
1株あたりの配当 10年以上連続増配 11年連続増配
配当性向 50%以下 27.1%(直近期・実績)

※判定欄の✅は桃モアイ基準を満たした指標、「-」は基準に届かなかった指標です。
※財務指標は2026年3月期(実績)。IRBANKおよび決算短信・決算説明会資料をもとに桃モアイが独自に分析しています。「増加傾向」「安定して増加傾向」は過去10年の長期トレンドで判定し、一時的な減少はクリア扱いとしています。綿半ホールディングスは日本基準・連結決算です。2026年3月期は増収増益で、売上高・営業利益・経常利益がそろって過去最高となりました。8指標のうち5つをクリアし、営業利益率・自己資本比率・営業CFの3つは基準に届きませんでした。営業利益率は仕入や工事の原価が大きい小売・建設中心の構造、自己資本比率は仕入債務や借入で総資産が膨らむ構造、営業CFは工事の進み具合や在庫・売上債権の増減で資金の出入りが年ごとに振れることが理由です。EPS(110.57円)は決算短信の公表値を使用しています(IRBANKの表示は110.55円)。営業利益率は決算短信の営業利益÷売上高で算出しており、IRBANK表示の営業利益率とも一致します。2021年3月期の配当性向20.6%は、調整後配当20円÷EPS96.92円による算出値で、IRBANK表示と一致します。金額は小数第一位までを四捨五入して表示しています。投資判断の参考としてご活用ください。


グラフで見る業績の推移(過去10年・2017年〜2026年実績+2027年予想)

ここからは、過去10年の業績をグラフで見ていきます。年はいずれも3月期です。会社予想のある系列は、いちばん右にグレーで2027年3月期の予想を示しています。

売上高と営業利益率

売上高は、2017年3月期の927.8億円から2026年3月期の1,354.5億円へと、過去10年で約1.5倍に増えました。前期を下回ったのは2021年3月期(4.5%減)・2022年3月期(0.3%減)・2024年3月期(4.6%減)の3回ですが、直近2期は増収です。2026年3月期は売上高・営業利益・経常利益がそろって過去最高となりました(2026年3月期 決算説明会資料p.1)。

営業利益率(売上に対する本業のもうけの割合)は、2017年3月期の2.1%から2026年3月期の2.7%まで上がりましたが、基準の5%には届きません。過去10年でも1.8〜2.9%の範囲です。仕入れた商品を売る小売と、材料費・工事費のかかる建設が中心で、原価の割合が大きい構造が背景にあります。なお2027年3月期の会社予想は売上高1,400.0億円・営業利益38.0億円で、営業利益率は2.7%の見込みです。

綿半ホールディングス 売上高と営業利益率の推移

EPS(1株あたりの利益)と配当性向

EPSは、2017年3月期の68.2円から2026年3月期の110.6円へと、過去10年で約1.6倍に増えました。単年で30%を超える急落はなく、いちばん大きな下げでも2023年3月期の25.1%減です。ピークは2022年3月期の111.1円で、最新はその99.6%の水準にあります。基準の「安定して増加傾向」を満たしています。

配当性向は、過去10年で18.9〜27.7%と基準の50%を大きく下回って推移し、2026年3月期は27.1%でした。なお2027年3月期の会社予想は25.2%です。

綿半ホールディングス EPSと配当性向の推移

営業活動によるCFと現金等

営業CF(本業で稼いだ現金)は、過去10年のレンジが▲36.5億〜124.7億円で、うち4年がマイナスでした(2020年・2022年・2023年・2025年の各3月期)。基準の「過去10年すべてプラス」には届きません。赤字によるものではなく、建設事業の工事の進み具合や、小売の在庫・仕入債務といった運転資金の増減で年ごとに大きく振れるためです。

直近の2026年3月期は9.0億円のプラスでした。税金等調整前当期純利益31.3億円と減価償却費17.2億円が押し上げた一方、法人税等の支払い19.9億円・売上債権の増加14.1億円・支払債務の減少11.5億円がマイナスに働いています(2026年3月期 決算説明会資料p.33)。現金等(手元の現金)は、2017年3月期の32.9億円から2026年3月期の51.5億円へと約1.6倍に増えました。

綿半ホールディングス 営業CFと現金等の推移

自己資本比率

自己資本比率(会社の資産のうち、返す必要のないお金でまかなえている割合)は、2017年3月期の23.4%から2026年3月期の29.4%まで上がりましたが、基準の40%には届きません。2026年3月期末の総資産829.9億円に対し、自己資本は243.6億円です。仕入債務や工事にともなう債務、借入金で総資産が膨らみやすい小売・建設の構造が背景にあります。自己資本の額そのものは、前期の232.4億円から243.6億円へ増えています。

綿半ホールディングス 自己資本比率の推移


注目ポイント

建設事業が伸びて、売上高・営業利益・経常利益が過去最高

2026年3月期の建設事業は、売上499.0億円(前期比11.5%増)・セグメント利益22.0億円(同22.7%増)と伸びました。駐車場と鐵構(鉄骨)の分野で工事が順調に進んだためです(2026年3月期 決算説明会資料p.19・20)。全社では売上高1,354.5億円・営業利益36.0億円・経常利益39.0億円となり、3つとも過去最高です(2026年3月期 決算短信p.1、決算説明会資料p.1)。建設事業の受注残高も前期比32.4%増と積み上がっています(2026年3月期 決算説明会資料p.21)。

11年連続増配。2027年3月期は12期連続の予想

1株あたりの配当は、2017年3月期の13円から2026年3月期の30円へ増えました。毎年ならすと約9.7%のペースです。2027年3月期は31円を予想していて、実施されれば12期連続の増配になります(2026年3月期 決算説明会資料p.61)。配当方針は「安定的な配当を継続」で、配当性向は27.1%と余力を残した水準です。

PB商品と6次産業化で、小売の利幅を高める取り組み

小売事業では、自社で企画するPB(プライベートブランド)商品の売上構成比が、2019年3月期の2%から2026年3月期の13%へ上がりました(2026年3月期 決算説明会資料p.16)。自社農場で育てた長野県産コシヒカリを総菜に使うなど、生産から販売までを自社で手がける「6次産業化」も進めています(同p.15)。仕入れた商品を並べるだけの形から一歩進め、薄い利幅を高める狙いがあります。

いっぽうで、利益率や財務の指標には確認しておきたい点もあります。次の「投資の留意点」でくわしく説明します。


投資の留意点

強みのある会社ですが、確認しておきたい点が3つあります。

第一に、営業利益率が2.7%と基準の5%を下回る点です。2026年3月期は売上高1,354.5億円に対し、営業利益が36.0億円でした。過去10年でも1.8〜2.9%の範囲で、水準は低いままです。売上の約57%を占める小売事業のセグメント利益は15.6億円(前期比11.3%減)でした。複数店舗の改装による一時的な売場の縮小と、前期の防災用品の特需の反動が理由です(2026年3月期 決算説明会資料p.12・13)。売上が少し落ちるだけで利益が大きく減りやすい構造といえます。

第二に、自己資本比率が29.4%と基準の40%を下回る点です。2026年3月期末の総資産829.9億円に対し、自己資本は243.6億円です。当期は短期借入金が32.1億円増え、総資産が前期末の794.3億円から膨らみました(2026年3月期 決算説明会資料p.32)。自己資本の額は232.4億円から243.6億円へ増えていますが、比率は29.3%から29.4%とほぼ横ばいです。金利が上がる局面では、借入の負担が利益を圧迫する可能性があります。

第三に、営業CFが過去10年で4年マイナスになっている点です。2020年・2022年・2023年・2025年の各3月期がマイナスで、レンジは▲36.5億〜124.7億円と振れ幅が大きくなっています。赤字によるものではありませんが、増配と自己株式の取得を支えるのは本業で稼ぐ現金です。2026年3月期は自己株式の取得に9.8億円、配当の支払いに5.6億円を使い、借入金は29.0億円増えました(2026年3月期 決算説明会資料p.32・33)。営業CFが振れる年に還元をどう保つかは、確認しておきたい点です。


まとめ

綿半ホールディングス(3199)は、長野県を地盤に小売・建設・貿易を手がける持株会社で、2026年3月期で11年連続増配となった、8指標のうち5つをクリアした連続増配株です。強みと留意点を3点ずつにまとめると、次のとおりです。

【強み】
✅ 建設事業が伸び、売上高・営業利益・経常利益が過去最高
✅ 11年連続増配。配当は13円から30円へ、2027年3月期は31円の予想
✅ PB商品の売上構成比が2%から13%へ、利幅を高める取り組みが進む

【留意点】
・営業利益率2.7%で基準の5%を下回る
・自己資本比率29.4%で基準の40%を下回る
・営業CFが過去10年で4年マイナス(▲36.5億〜124.7億円)

3月に配当の権利が確定する銘柄です。予想配当利回りは2.27%で、利益率と財務をどこまで底上げできるかを、これからの決算で見ていきたい1社です。


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※業績・配当・財務の数値は、綿半ホールディングスの2026年3月期 決算短信(2026年5月11日)、2026年3月期 決算説明会資料(2026年6月)、IRBANKに基づきます。決算説明会資料のページの内訳は次のとおりです。決算ハイライトと過去最高の更新p.1/セグメント別売上・営業利益p.7・8/小売事業p.12・13/6次産業化p.15/PB売上構成比p.16/建設事業p.19・20・21・22/連結貸借対照表p.32/連結キャッシュ・フロー計算書p.33/株主還元と株式分割の注記p.61/中期経営計画p.63。決算短信は連結経営成績・財政状態・配当の状況p.1/連結範囲の変更p.2。株価・予想配当利回りはYahoo!ファイナンス(2026年7月29日時点)、創業・上場・事業の沿革は会社の沿革ページによります。

※本記事は情報提供を目的としており、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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