【10年連続増配】セラク(6199)を8指標分析

セラク(6199)連続増配株の8指標分析

最終更新日:2026年8月7日

10年連続増配・8指標オールクリアのIT人材サービス企業

こんにちは。10年以上連続増配株の情報を発信している桃モアイです。会社のパソコンやネットワークが毎日止まらずに動く裏側には、システムを運用するエンジニアの存在があります。セラクはIT未経験者を採用して育てる独自のモデルで3,000人を超えるエンジニア体制を築き、いまは生成AIを軸にした「AIソリューションカンパニー」への転換を進めています。

今回は8月に配当権利が確定する連続増配株の1社、セラク(証券コード:6199)を私独自の8指標で分析しました。

結論からいうと、8指標すべてをクリアしました。理由も含めて、このあとひとつずつ分かりやすく説明します。

📊 株価・利回りの基準日:2026年8月6日時点の値です
📊 8指標の判定は2025年8月期(実績)の数値です。進捗として2026年8月期第3四半期にも触れています


セラクとはどんな会社?

セラクは1987年設立、東京都新宿区に本社を置くIT企業です。IT業界の未経験者を採用し、独自の教育でエンジニアに育てる「教育型」のモデルが特徴で、従業員は連結3,224名です(2026年5月31日時点)。2016年7月に東証マザーズへ上場し、現在は東証スタンダード市場に上場しています。

事業セグメントは、デジタルインテグレーション事業・みどりクラウド事業・機械設計エンジニアリング事業の3つです。売上の9割超を占める主力のデジタルインテグレーション事業では、ITインフラの構築・運用(SI)と、Salesforceなどのクラウドシステムの定着支援(DX=デジタル変革)を手がけています。農業向けIT「みどりクラウド」や、法人向け生成AIプラットフォーム「NewtonX」も展開しています。

会社の基本情報は次のとおりです。

上場市場:東証スタンダード
業種:サービス業
決算月:8月
連続増配:10年(2025年8月期時点)
株価:1,322円(2026年8月6日時点)
予想配当利回り:1.32%(2026年8月期予想)
配当権利確定:8月(年1回)


配当情報

セラクは2025年8月期まで10年連続で増配しています。2015年8月期の据え置き(分割調整後1.70円)を経て、2016年8月期の2.33円から増配が始まりました。2025年8月期の年間配当は13.20円(期末のみ)です。なお上場は2016年7月で、10年の増配はいずれも上場後の配当実績です。

2026年8月期は前期から4.20円増配の年間17.40円を会社が予想しています。内訳は業績連動の16.90円に、自己株式の消却で株式数が減る分の0.50円を上乗せしたものです。実施されれば11期連続の増配です。

📌 株式分割と本記事の基準
セラクは2017年3月1日付で1株→4株の株式分割を実施しています。それ以前にも、2014年8月8日に1株→20株、2016年4月30日に1株→100株の分割を行いました。本記事の配当・EPSは、これらの分割をさかのぼって調整した「調整後」の金額で統一しています(株価は実際の取引価格です)。

項目
株価(2026年8月6日時点) 1,322円
予想配当利回り(2026年8月期予想) 1.32%
連続増配年数(2025年8月期時点) 10年
配当性向(2025年8月期実績) 10.4%

※予想配当利回りは2026年8月期の予想配当17.40円を2026年8月6日時点の株価で割った値です。配当性向は2025年8月期実績(年間配当13.20円÷EPS127.16円)。株価の変動により利回りは変わります。

予想利回りは1.32%と低めです。ただこれは、配当性向を10%前後に抑えて利益を成長投資と自己株式の取得に回しているためで、株価の割高さが主因ではありません(PER約9.4倍・PBR約1.98倍。株価1,322円と予想EPS140.99円・2025年8月期実績BPS668.83円から桃モアイが計算)。

いちばん右の薄いグレーの棒は会社予想(2026年8月期)です。

セラク 1株あたりの配当の推移 10年連続増配


8指標分析の結果

ここからは、セラクを私独自の8指標で見ていきます。

8指標の詳しい説明はこちらの記事をご覧ください。

なお私が確認する8つの指標は、売上高・EPS(1株あたりの利益)・営業利益率・自己資本比率・営業活動によるCF(以下、営業CF)・現金等・1株あたりの配当・配当性向です。

指標 基準 セラク 判定
売上高 増加傾向 63.2億→247.8億円(過去最高)
EPS(1株あたりの利益) 安定して増加傾向 26.89円→127.16円(約4.7倍)
営業利益率 5%以上 10.29%
自己資本比率 40%以上 66.6%
営業活動によるCF 過去10年すべてプラス 全期間プラス(2.0億〜20.5億円)
現金等 増加傾向 18.4億→76.1億円
1株あたりの配当 10年以上連続増配 10年連続増配
配当性向 50%以下 10.4%

※判定欄の✅は桃モアイ基準を満たした指標です。
※財務指標は2025年8月期(実績)。IRBANKのデータをもとに桃モアイが独自に分析。なお8指標の「増加傾向」「安定して増加傾向」は過去10年の長期トレンドで判定しており、一時的な減少はクリア扱いとしています。2025年8月期は増収増益となりました。8指標すべてをクリアしています。投資判断の参考としてご活用ください。
※金額は小数第一位までを四捨五入して表示しています。


グラフで見る業績の推移(過去10年・2016年〜2025年実績+2026年予想)

売上高と営業利益率

売上高は2016年8月期の63.2億円から2025年8月期の247.8億円へ、10年で約3.9倍になりました。過去10年はすべて増収で、2025年8月期まで過去最高の更新が続いています。企業のDX投資の拡大と、IT人材の不足を背景にした人材需要が追い風です。2026年8月期は274.0億円(前期比+10.6%)を会社が計画しています。

営業利益率(売上に対する本業のもうけの割合)は、過去10年で4.96〜10.29%と波があります。2022年8月期は4.96%と、桃モアイ基準の5%をわずかに下回りました。その後は3期連続で改善し、2025年8月期の10.29%は過去10年で最高の水準です。2026年8月期は10.4%への改善を会社が見込んでいます。

セラク 売上高と営業利益率の推移

EPS(1株利益)と配当性向

EPSは2016年の26.89円から2025年の127.16円へ、10年で約4.7倍になりました。途中には2018年8月期(前期比▲14.4%)や2022年8月期(同▲22.8%)の減少もありましたが、単年で30%を超える急落はありません。直近は105.35円→114.24円→127.16円と、3期連続で過去最高を更新しています。2026年8月期の予想EPSは140.99円で、増加の見込みです。

配当性向(利益のうち配当に回す割合)は、過去10年で6.2〜12.4%と、ひと桁〜10%台前半のかなり低い水準です。2025年8月期は10.4%でした。利益の1割ほどしか配当に回しておらず、増配を続ける余力は大きく残っています。

セラク EPSと配当性向の推移

営業活動によるCFと現金等

営業CF(本業で稼いだ現金)は、過去10年すべてプラスです。過去10年のレンジは2.0億〜20.5億円で、2025年8月期は20.5億円と過去最高でした。人材サービスは大きな設備投資がいらないため、稼いだ現金が手元に残りやすい事業です。

現金等は2016年の18.4億円から2025年の76.1億円へ、約4.1倍に増えました。増配と自己株式の取得を続けながらの増加で、手元資金の厚みが増しています。

セラク 営業CFと現金等の推移

自己資本比率

自己資本比率(会社の資産のうち、返す必要のないお金でまかなえている割合)は、2016年の57.7%から2025年の66.6%へ上昇しました。2020年8月期に46.7%まで下がった年もありますが、その後は5期連続で上昇し、全期間で桃モアイ基準の40%を上回っています。2026年5月末時点で残る借入は約281万円と、実質的に無借金の財務です(2026年8月期第3四半期決算短信)。

セラク 自己資本比率の推移


注目ポイント

「教育×IT人材プラットフォーム」で10年連続の増収

セラクの成長の土台は、未経験者を育てる教育モデルと、外部パートナー企業の人材をあわせて活用する「IT人材プラットフォーム」です。パートナー企業の登録数は2,541社(2026年8月期第3四半期時点・前年同期比+654社)まで広がりました。DX領域ではSalesforceの定着支援で500社以上の実績を持ち、パートナー認定プログラムでExpert認定を取得しています。この体制が、過去10年すべて増収・売上約3.9倍の成長を支えています。

年平均約21.3%の速い増配ペース

年間配当は10年で2.33円から13.20円へ、年平均約21.3%のペースで増えました。2026年8月期は+4.20円の17.40円予想で、業績連動の増配に自己株式の消却による上乗せを加えた設計です。自己株式は2026年8月期も上限4億円の取得を実施中で、2024年・2025年には消却も行いました。配当性向は10.4%と低く、増配の持続力という点では余力が大きい状態です。

実質無借金の財務を土台にAI事業へ投資

自己資本比率66.6%・現金等76.1億円・営業CF10年全プラスと、財務は堅実です。この余力を土台に、会社は生成AIを軸にした「AIソリューションカンパニー」への転換を成長戦略に掲げています。エンジニアが顧客先に常駐してAI導入まで支援する「日本型FDEモデル」の確立や、自社AIプラットフォーム「NewtonX」の展開を進めており、2026〜2027年をその確立期(STEP1)と位置づけています(2026年8月期第3四半期決算説明資料)。

いっぽうで、今期の進捗や利益の推移には確認しておきたい点もあります。次の「投資の留意点」でくわしく説明します。


投資の留意点

確認しておきたい点が3つあります。

第一に、今期の売上が計画に対して遅れていることです。2026年8月期第3四半期累計は売上高189.1億円(前年同期比+2.0%)と増収ですが、通期計画274.0億円に対する進捗は69.0%です。パートナーエンジニアの稼働数が計画未達で、会社は要因を需要不足ではなく営業・PM体制の制約と説明し、専任部門の新設などの改善策を示しています。営業利益は20.2億円(同+0.5%)・進捗70.9%と概ね計画どおりで、通期予想は据え置かれています(第3四半期決算短信の業績予想の修正の有無:無)。なお純利益は12.5億円と前年同期比▲5.1%でした。税金等調整前の利益は同+2.1%でしたが、法人税等の負担が増えたことなどが影響しています。

第二に、利益に波があった過去があることです。2022年8月期は営業利益率が4.96%と基準の5%を一時下回り、EPSも前期比▲22.8%と減少しました。人材の採用と稼働率に業績が左右されやすく、教育や体制強化の費用が先行する年は利益が振れやすい事業です。直近もハイレイヤー人材の採用やAI関連の教育・投資を続けており、第3四半期累計の販売費及び一般管理費は前年同期比+6.4%と、売上の伸び(+2.0%)を上回っています。

第三に、農業IT「みどりクラウド」事業の赤字が続いていることです。第3四半期累計のセグメント損失は▲1.0億円と、前年同期の▲0.8億円から広がりました。JA向け集出荷システム「らくらく出荷」の拡販に向けた先行投資の段階で、売上も前年同期比▲17.5%です。全社に占める売上は1%未満と小さいものの、会社が収益化の時期をSTEP2(2027〜2030年)に置いている点は、成長戦略の進捗とあわせて確認しておきたいところです。


まとめ

セラク(6199)は、2025年8月期で10年連続増配となった、8指標すべてをクリアした連続増配株です。強みと留意点を3点ずつにまとめると、次のとおりです。

【強み】
✅ 教育×IT人材プラットフォームで過去10年すべて増収・売上は約3.9倍
✅ 年平均約21.3%の速い増配ペースと、配当性向10.4%の大きな余力
✅ 実質無借金・自己資本比率66.6%の堅実な財務

【留意点】
・今期は売上の進捗69.0%と計画に遅れ(営業利益は概ね計画どおり)
・2022年8月期に営業利益率4.96%・EPS▲22.8%と利益が振れた過去
・みどりクラウド事業は先行投資で赤字が続く

権利確定は8月(年1回)。予想配当利回りは1.32%と低めですが、増配の勢いと財務の質を重視する方は候補に入れて確認してみてください。


連続増配株への投資を始めるには、証券口座が必要です。どの証券会社で始めるか迷っている方は、こちらの記事で楽天証券とSBI証券を比較しています。

楽天証券とSBI証券、連続増配株を始めるならどっち?

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※出典:株価・予想配当利回りはYahoo!ファイナンス(2026年8月6日時点)。財務数値は2026年8月期第3四半期決算短信(2026年7月15日公表・業績予想の修正の有無:無)、2026年8月期第3四半期決算説明資料(2026年7月15日)、IRBANKの過去10年データにもとづきます。予想配当17.40円・予想EPS140.99円は第3四半期決算短信の通期予想の公表値、2025年8月期のEPS127.16円・BPS668.83円は決算説明資料の公表値です。連続増配年数は配当履歴ベースで、2015年8月期の据え置き(分割調整後1.70円)の翌期にあたる2016年8月期(2.33円)を増配1年目としています。2014年8月期・2015年8月期の1株配当各680円(当時)は第29期有価証券報告書(2016年11月提出)で確認し、分割調整後1.70円に換算しています。配当性向のうち2016年・2017年8月期はIRBANKに表示がないため、調整後の年間配当÷EPSで桃モアイが計算しています(2016年=2.33円÷26.89円、2017年=2.50円÷26.47円)。事業・株主還元・成長戦略の記述は2026年8月期第3四半期決算説明資料の内容にもとづきます。
※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

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