【22年連続増配】パン・パシフィック・インターナショナルHD(7532)を8指標分析

パン・パシフィック・インターナショナルHD(7532)連続増配株の8指標分析

最終更新日:2026年6月22日

22年連続増配・ドン・キホーテを核にした総合ディスカウント大手

こんにちは。10年以上連続増配株の情報を発信している桃モアイです。

今回は12月・6月に配当権利が確定する連続増配株の1社、パン・パシフィック・インターナショナルHD(証券コード:7532)を私独自の8指標で分析しました。「ドン・キホーテ」を運営する会社で、PPIHとも呼ばれます。

結論から言うと、PPIHは8指標すべてクリアでした。2025年6月期で22年連続増配と、国内でも有数の連続増配実績を持ちます。売上高は過去10年で約3倍、EPS(1株あたりの利益)も約3.8倍に伸びており、営業活動によるCFも過去10年すべてプラスと、稼ぐ力が着実に高まっています。なお会計基準は日本基準です。

📊 株価・利回りの基準日:2026年6月19日時点の値です
📊 財務指標は2025年6月期(実績)の数値を使用しています


パン・パシフィック・インターナショナルHDとはどんな会社?

パン・パシフィック・インターナショナルHD(以下、PPIH)は、「驚安の殿堂」で知られる総合ディスカウントストア「ドン・キホーテ」を中核とする小売大手です。1996年に株式を公開し、2019年に総合スーパーのユニー(アピタ・ピアゴ)を完全子会社化して、現在は東証プライムに上場する小売業の一社となっています。

事業は大きく、国内のドン・キホーテを中心とした「国内ディスカウント(DS)事業」、ユニーを中心とした「UNY事業」、北米・アジアの「海外事業」に分かれます。2025年6月期は売上高2兆2,467億円(前期比+7.2%)、営業利益1,622億円(同+15.8%)と増収増益でした。価格戦略の強化や免税(インバウンド)売上の拡大、新規出店などが業績を押し上げています。

足元では、狭小商圏を狙う新業態「ロビン・フッド」や、駅前を狙う「レールサイド型ドンキ」、訪日客向けの「インバウンド型衛星店」など、出店の幅を広げる戦略を進めています。2026年6月期も増収増益の会社計画で、本業は堅調に推移しています。

一方で、過去には利益率や自己資本比率が低下した時期もあり、海外比率の拡大に伴う為替の影響や、競争・外部環境の変化など、留意したい点もあります。これらはあとの「投資の留意点」で触れます。

会社の基本情報は次のとおりです。

上場市場:東証プライム
業種:小売業
決算月:6月
連続増配:22年(2025年6月期時点)
株価:819円(2026年6月19日時点)
予想配当利回り:1.04%(2026年6月期 会社予想ベース)
配当権利確定:12月・6月(年2回)


配当情報

PPIHは増配を続けており、2025年6月期で22年連続増配となりました。会社は「累進的配当政策」(減配せず、配当を維持または増やしていく方針)を掲げています。年間配当は2025年6月期の実績が、分割をさかのぼって調整した「調整後」で7.0円(実際の配当は分割前ベースで35円)です。2026年6月期の会社予想は8.5円で、前期から1.5円の増配となる見通しです(達成すれば23期連続増配)。

項目 内容
株価 819円(2026年6月19日時点)
予想配当利回り 1.04%(2026年6月期 会社予想ベース)
連続増配年数 22年(2025年6月期時点)
配当性向 23.1%(2025年6月期 実績)

出典:株価はYahoo!ファイナンス(2026年6月19日時点)、配当は2025年6月期 決算短信。予想配当利回りは2026年6月期の会社予想配当(8.5円・分割調整後)に基づきます。株価変動により利回りは変わります。配当性向は2025年6月期の実績(調整後の年間配当7.0円÷調整後EPS30.32円)で、決算短信の公表値23.1%と一致します。連続増配年数は会社公表(25年6月期で22期連続増配)に基づきます(2026年6月期予想が実現すれば23期連続)。

📌株式分割について:PPIHは過去に複数回の株式分割を実施しています。効力発生日でみると、2015年7月1日に1株→2株、2019年9月1日に1株→4株、2025年10月1日に1株→5株です(このほか過去にも分割を行っています)。本記事のEPS・1株あたりの配当は、これらの分割をさかのぼって調整した「調整後」の金額で表示・連続増配として集計しています(株価は実際の取引価格のため調整しません)。グラフの表示期間(2016年6月期〜)に影響するのは2019年9月(1株→4株)と2025年10月(1株→5株)の分割で、いずれも分割後の基準でそろえています。

いちばん右の薄いグレーの棒は会社予想(2026年6月期)です。

パン・パシフィック・インターナショナルHD 1株あたりの配当の推移 22年連続増配

調整後ベースで見ると、1株あたりの配当は2016年6月期の1.1円から2025年6月期は7.0円へと約6.4倍になりました。2016年から2025年までの9年で、年平均(年率換算)約22.8%の増配ペースです。2026年6月期は8.5円の会社予想で、23期連続増配が視野に入っています。


8指標分析の結果

ここからは、PPIHを私独自の8指標で見ていきます。

8指標の詳しい説明はこちらの記事をご覧ください。

指標 基準 PPIH 判定
売上高 増加傾向 7,595億円→2兆2,467億円(過去10年で約3.0倍)
EPS(1株あたりの利益) 安定して増加傾向 7.89円→30.32円(ピーク30.32円・過去10年で約3.8倍)
営業利益率 5%以上 7.2%
自己資本比率 40%以上 40.1%
営業活動によるCF 過去10年すべてプラス 全期間プラス(約291〜1,505億円)
現金等 増加傾向 444億円→1,758億円(過去10年で増加)
1株あたりの配当 10年以上連続増配 22年連続増配
配当性向 50%以下 23.1%

※判定欄の✅は桃モアイ基準を満たした指標です。
※財務指標は2025年6月期(実績)。IRBANKのデータをもとに桃モアイが独自に分析。なお8指標の「増加傾向」「安定して増加傾向」は過去10年の長期トレンドで判定しており、一時的な減少はクリア扱いとしています。2025年6月期は増収増益(売上高+7.2%・営業利益+15.8%)となりました。8指標はすべてクリアしています。金額は億円未満を切り捨てて表示しています。投資判断の参考としてご活用ください。


グラフで見る業績の推移(過去10年・2016年〜2025年実績+2026年予想)

ここからは、過去10年の業績をグラフで確認していきます。薄いグレーの棒は会社予想(2026年6月期)です。

売上高と営業利益率

売上高は2016年6月期の7,595億円から、2025年6月期は2兆2,467億円へと過去10年で約3.0倍に増えました。途中で急落はなく、長期では右肩上がりです。2026年6月期は2兆4,350億円とさらに増収の会社予想です。一方、営業利益率(売上に対する本業のもうけの割合)は、2019〜2022年6月期に4%台へ低下する場面がありましたが、その後は回復し、2025年6月期は7.2%まで高まりました。直近では桃モアイ基準の5%を上回る水準です。

パン・パシフィック・インターナショナルHD 売上高と営業利益率の推移

EPS(1株あたりの利益)と配当性向

EPS(1株あたりの利益)は、調整後ベースで2016年6月期の7.89円から2025年6月期は30.32円へと、過去10年で約3.8倍に伸びました。途中で▲30%を超えるような急落はなく、ピークは直近の2025年6月期です。最古年の1.5倍を大きく上回っており、安定して増加傾向と判断しました。配当性向(利益のうち配当に回す割合)は、おおむね12〜23%で推移し、近年は20%前後へと高まって、2025年6月期は23.1%でした。桃モアイ基準の50%以下を十分に満たしており、増配の余地が残っています。

パン・パシフィック・インターナショナルHD EPSと配当性向の推移

営業活動によるCFと現金等

営業活動によるCF(本業で稼いだ現金)は、過去10年すべての期でプラスを確保しています。金額はおおむね291億円から1,505億円の間で推移し、2025年6月期は1,319億円でした。本業の現金創出力は安定して高まっています。現金等(決算書の「現金及び現金同等物」)も2016年6月期の444億円から2025年6月期は1,758億円へと積み上がっており、過去10年では2,461億円(2023年6月期)まで増えた時期もありました(直近2025年6月期末は1,758億円)。年による振れはあるものの、差し引きでは大きく増えています。

パン・パシフィック・インターナショナルHD 営業CFと現金等の推移

自己資本比率

自己資本比率(会社の資産のうち、返す必要のないお金でまかなえている割合)は、2019年6月期に25.6%まで低下しました。これはユニーの完全子会社化などで総資産が大きく増えたことが主な背景です。その後は利益の積み上がりとともに回復し、2025年6月期は40.1%と、桃モアイ基準の40%を上回りました。なお、2026年6月期第3四半期時点では43.9%へさらに改善しています。背景はあとの「投資の留意点」でも触れます。

パン・パシフィック・インターナショナルHD 自己資本比率の推移


注目ポイント

22年連続増配、累進的配当政策で減配なし

PPIHは2025年6月期で22年連続増配と、国内でも有数の連続増配実績を持ちます。会社は減配をしない「累進的配当政策」を掲げており、配当は着実に積み増されてきました。2026年6月期は8.5円の会社予想で、達成すれば23期連続増配となります。配当性向はまだ23.1%と低く、利益の伸びとともに増配を続ける余地が残っている点も見どころです。

ドン・キホーテを核に、国内・海外へ広がる事業

「ドン・キホーテ」を中核に、ユニー(アピタ・ピアゴ)、北米・アジアの海外店舗と、ディスカウント小売を軸に幅広く展開しているのがPPIHの特徴です。2025年6月期は価格戦略の強化や免税(インバウンド)売上の拡大、新規出店が業績を押し上げました。新業態「ロビン・フッド」や駅前型の出店など、成長に向けた打ち手を複数進めています。

売上は過去10年で約3倍・EPSも約3.8倍に拡大

売上高は過去10年で約3.0倍、EPSは約3.8倍に拡大しました。営業活動によるCFも過去10年すべてプラスで、2025年6月期は1,319億円を稼いでいます。本業の成長と現金創出力が、長年の連続増配を支える土台になっています。

今後の見どころ:利益率の回復と財務の改善

営業利益率は一時4%台まで低下しましたが、直近は7.2%へ回復しています。自己資本比率も25.6%まで下がった時期を経て、直近は40.1%(3Qでは43.9%)まで戻りました。回復基調が続くかどうかは、今後も確認していきたい点です。詳しくは次の「投資の留意点」で説明します。


投資の留意点

8指標はすべてクリアしていますが、確認しておきたい点が3つあります。

第一に、営業利益率が過去に4%台まで低下した時期がある点です。2019〜2022年6月期の営業利益率は4.5〜4.8%で、桃モアイ基準の5%を下回っていました。当時はユニーの連結や海外事業の構成変化などが影響したとみられます。直近の2025年6月期は7.2%まで回復していますが、利益率は事業構成や価格戦略の影響を受けやすいため、今後の推移は確認しておきたいところです。

第二に、自己資本比率が一時25%台まで低下した経緯がある点です。2019年6月期にユニーを完全子会社化したことなどで総資産が大きく増え、自己資本比率は25.6%まで下がりました。その後は利益の積み上がりで40.1%(2026年6月期第3四半期では43.9%)まで回復していますが、赤字や財務の悪化ではなく事業拡大に伴う変化でした。M&Aや出店投資が続く場合、財務構成がどう動くかは押さえておきたい点です。

第三に、海外比率の拡大や外部環境の影響を受けやすい点です。北米・アジアの海外事業が売上の約15%を占めており、為替の変動が業績に影響します。また、免税(インバウンド)売上が好調な一方、訪日客の動向や中東情勢など外部環境の変化、同業他社との競争も続いています。会社自身も、仕入価格や物流・水道光熱費などの動向を注視するとしており、こうした外部要因は長期の視点で見守りたいところです。


まとめ

PPIHは、2025年6月期で22年連続増配となり、売上高は過去10年で約3倍・EPSも約3.8倍と成長を続ける総合ディスカウント大手です。営業活動によるCFは過去10年すべてプラスで、直近は利益率・自己資本比率も回復し、8指標すべてをクリアしました。

【強み】
✅ 2025年6月期で22年連続増配。累進的配当政策で減配なく、増配の余地も残る
✅ 売上高は過去10年で約3.0倍・EPSも約3.8倍と成長が続く
✅ 営業活動によるCFは過去10年すべてプラス(2025年6月期は1,319億円)
✅ 自己資本比率は直近40.1%へ回復(2026年6月期第3四半期では43.9%)

【留意点】
・営業利益率が過去に4%台まで低下した時期がある(2019〜2022年6月期。直近は7.2%へ回復)
・自己資本比率が一時25%台まで低下した経緯(ユニー連結などで総資産が増加。直近は40.1%)
・海外比率の拡大に伴う為替の影響や、インバウンド・競争など外部環境の影響

12月・6月に配当権利が確定する銘柄です。本業の成長と長年の連続増配を強みとしつつ、利益率や財務の回復基調が続くか、外部環境の影響を見守る1社として、今後の決算もチェックしていきます。


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※会社概要・沿革・事業区分・経営計画(1996年の株式公開、ドン・キホーテ/ユニー/北米・アジアの事業構成、2025年6月期決算の実績、2025年10月1日付の1株→5株の株式分割、累進的配当政策、新業態ロビン・フッドや出店戦略など)は、PPIHの2025年6月期 決算短信〔日本基準〕(2025年8月18日)・2026年6月期 第3四半期決算説明資料、および会社公式サイトのIR情報に基づきます。自己資本比率(40.1%)は2025年6月期 決算短信の連結ベースの公表値、2026年6月期第3四半期時点の43.9%は同 第3四半期決算説明資料に基づきます。

※本記事は情報提供を目的としており、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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