【14年連続増配】オープンアップグループ(2154)を8指標分析

オープンアップグループ(2154)連続増配株の8指標分析

最終更新日:2026年8月23日

14年連続増配・未経験からエンジニアを育てる人材サービス大手

こんにちは。10年以上連続増配株の情報を発信している桃モアイです。未経験の若者を採用し、研修を経てエンジニアとして企業に送り出す、という育て方を軸にした人材サービス会社があります。2021年に建設分野の大手と経営統合し、いまは機械・電機、IT、建設の3分野に約2万4千人の技術社員を抱える規模になりました。

今回は6月・12月に配当権利が確定する連続増配株の1社、オープンアップグループ(証券コード:2154)を私独自の8指標で分析しました。8つのうち6つをクリアしています。確認しておきたい点もありますので、理由も含めて、このあとひとつずつ分かりやすく説明します。

📊 株価・利回りの基準日:2026年8月21日時点の値です
📊 財務指標は2026年6月期(実績)の数値を使用しています


オープンアップグループとはどんな会社?

オープンアップグループは、エンジニアの派遣・請負・受託・人材紹介を手がける会社です。事業は機電領域(機械・電機)、IT領域、建設領域の3つが柱で、それぞれの現場に技術者を送り出しています。

いちばんの特徴は「エンジニアファースト」と呼ぶ育成モデルです。入社するのはほとんどが未経験者で、資格取得の研修と実務経験を重ねてエンジニアに育てます。2026年6月末の技術社員は24,415名で、内訳は機電9,494名・IT6,325名・建設8,596名です(2026年6月期 通期決算説明資料)。人手不足が続くなかで、必要な人材を自前で生み出せる仕組みが強みになっています。

もともとは技術者派遣を中核とする人材サービス会社として、2007年6月にJASDAQへ上場しました。2021年4月に建設系人材大手の夢真ホールディングスを吸収合併して経営統合し、これにより建設領域が加わりました。社名がいまの「オープンアップグループ」になったのは2023年1月です。なお2026年9月25日付で早田麻子氏が代表取締役社長に就任し、西田穣氏は代表取締役会長となる予定です。

会社の基本情報は次のとおりです。

上場市場:東証プライム
業種:サービス業(エンジニア派遣・人材サービス)
決算月:6月
連続増配:14年(2026年6月期時点)
現在の株価:2,039円(2026年8月21日時点)
予想配当利回り:4.41%(2027年6月期予想)
配当権利確定:6月・12月(年2回)


配当情報

オープンアップグループは、2013年6月期から2026年6月期まで14年連続で増配を続けています。2026年6月期の年間配当は85円(中間35円+期末50円)で、2027年6月期は90円(中間40円+期末50円)を予想しています。予想どおりなら15期連続の増配です。

会社は株主還元の方針として、配当性向60%と累進配当(減配せず、維持か増配を続ける方針)を掲げています(2026年6月期 通期決算説明資料p.22)。2026年6月期は増配に加えて40億円の自己株式取得も行い、総還元性向は94.9%となりました。

📌株式分割について:オープンアップグループは2019年7月1日を効力発生日として、普通株式1株を2株に分割しました。それ以前にも2016年4月1日に1株→2株の分割を行っており、2016年より前と比べると累積で1株→4株になります。本記事のEPS・1株あたりの配当は、これらの分割をさかのぼって調整した「調整後」の金額で統一しています(株価は実際の取引価格のため調整しません)。なお2021年6月期の年間配当44円には、夢真ホールディングスとの経営統合にともなう吸収合併記念配当2円が含まれます。

項目 オープンアップグループ(2154)
株価 2,039円(2026年8月21日時点)
予想配当利回り 4.41%(2027年6月期予想・年間90円)
連続増配年数 14年(2026年6月期時点)
配当性向 61.2%(2026年6月期実績)

※予想配当利回りは2027年6月期の会社予想配当(90円)、配当性向は2026年6月期の実績(85円÷EPS138.91円)にもとづきます。株価は東証終値(2026年8月21日時点)です。連続増配年数は、会社開示に連続年数の表記がないため、配当履歴(2013年6月期以降14年)にもとづき算出しています。出典:Yahoo!ファイナンス・IRBANK・決算短信。株価変動により利回りは変わります。

いちばん右の薄いグレーの棒は会社予想(2027年6月期)です。

オープンアップグループ 1株あたりの配当の推移 14年連続増配


8指標分析の結果

ここからは、オープンアップグループを私独自の8指標で見ていきます。8指標の詳しい説明はこちらの記事をご覧ください。

なお私が確認する8つの指標は、売上高・EPS(1株あたりの利益)・営業利益率・自己資本比率・営業活動によるCF(以下、営業CF)・現金等・1株あたりの配当・配当性向です。

指標 基準 オープンアップグループ 判定
売上高 増加傾向 430億円→1,674億円(過去10年で約3.9倍)
EPS(1株あたりの利益) 安定して増加傾向 49.6円→138.9円(過去10年で約2.8倍)
営業利益率 5%以上 9.97%(2026年6月期実績)
自己資本比率 40%以上 62.0%(2026年6月期実績)
営業活動によるCF 過去10年すべてプラス 全期間プラス(22〜191億円)
現金等 増加傾向 45億円→231億円(過去10年で増加)
1株あたりの配当 10年以上連続増配 14年連続増配(2026年6月期時点)
配当性向 50%以下 61.2%(2026年6月期実績)

※判定欄の✅は桃モアイ基準を満たした指標、「-」は基準に届かなかった指標です。
※財務指標は2026年6月期(実績)。IRBANKのデータと決算短信をもとに桃モアイが独自に分析しました。自己資本比率は会計基準により呼び方が異なり、IFRSを採用する同社の決算短信では「親会社所有者帰属持分比率」と表示されます。なお8指標の「増加傾向」「安定して増加傾向」は過去10年の長期トレンドで判定しており、一時的な減少はクリア扱いとしています。2026年6月期は英国子会社の売上が抜けたことで減収となりましたが、営業利益は増益でした。8指標のうち6つをクリア。基準に届かなかったのは2つです。EPSは2020年6月期に単年で30%を超える減少があったため、配当性向は会社の還元方針が「配当性向60%」であるためです。
※同社は2022年6月期からIFRS(国際会計基準)を任意適用しています。本記事の10年推移は、2017年6月期〜2021年6月期を日本基準の決算短信の公表値、2022年6月期以降をIFRSの公表値でつないでいます。会計基準が異なるため、前後の数値は単純に比べられません。なお同社はIFRS移行にあたり2021年6月期を遡及して表示し直しており、IRBANKなどが表示するIFRSベースの2021年6月期(営業損失など)とは大きく異なります。金額は億円未満を切り捨てて表示しています。投資判断の参考としてご活用ください。


グラフで見る業績の推移(過去10年・2017年〜2026年実績+2027年予想)

売上高と営業利益率

売上高は過去10年で430億円から1,674億円へ、約3.9倍に伸びました。2021年6月期の夢真ホールディングスとの経営統合で建設領域が加わり、規模が一段と広がっています。

2026年6月期は前期比▲10.9%の減収でしたが、これは2025年3月に英国事業を売却し、その売上が抜けたためです。英国を除いた継続事業ベースでは前期比+4.3%の増収でした。2027年6月期は1,750億円(+4.5%)を予想しています。

営業利益率(売上に対する本業のもうけの割合)は、2026年6月期で9.97%です。桃モアイ基準の5%を上回り、10年間でもっとも高い水準になりました。2021年6月期は経営統合の初年度で、のれんや無形資産の償却が重く3.53%まで下がりましたが、その後は着実に回復しています。なお決算短信の「売上収益営業利益率」欄は四捨五入して10.0%と表示されています。

オープンアップグループ 売上高と営業利益率の推移

EPS(1株利益)と配当性向

EPS(1株あたりの利益)は過去10年で49.6円から138.9円へ、約2.8倍に増えました。2025年6月期の144.6円が10年間のピークで、2026年6月期はそれをやや下回る水準です。

ただし2020年6月期に、87.5円から31.3円へ前期比▲64.2%の急落がありました。桃モアイ基準では「単年で30%を超える急落がないこと」を安定性の目安にしているため、EPSの判定は「-」としています。長期では右肩上がりで、直近はピークの96%まで戻っています。

配当性向(利益のうち配当に回す割合)は、ふだんは40〜60%台で推移しています。2020年6月期の127.6%と2021年6月期の92.3%は、利益が縮んだ年に配当を維持・増配したことによる一時的な上振れです。2026年6月期は61.2%で、桃モアイ基準の50%を上回ります。理由は「投資の留意点」で説明します。

オープンアップグループ EPSと配当性向の推移

営業活動によるCFと現金等

営業CF(本業で稼いだ現金)は、過去10年すべてプラスです(22〜191億円)。2024年6月期の191億円がピークで、2026年6月期は178億円でした。前期の141億円から増えており、稼ぐ力は落ちていません。

現金等は過去10年で45億円から231億円に増え、2026年6月期は10年間で最も多い水準です。2022年6月期に210億円から124億円へ減った時期がありますが、これは自己株式の取得や借入金の返済など、本業以外の資金の動きによるものです。10年前より直近のほうが多いため、判定はクリアです。

オープンアップグループ 営業CFと現金等の推移

自己資本比率

自己資本比率(会社の資産のうち、返す必要のないお金でまかなえている割合)は、2026年6月期で62.0%です。前期の64.2%からはやや下がりましたが、桃モアイ基準の40%を大きく上回っています。

2017年6月期は39.2%でしたが、2021年6月期の経営統合で自己資本が大きく積み上がり、その後は60%台で安定しています。グラフの2021年6月期(74.2%)と2022年6月期(65.6%)のあいだにある段差は、会計基準が日本基準からIFRSに変わったことによるもので、業績の悪化を示すものではありません。オープンアップグループはIFRSを採用しているため、決算短信ではこの指標は「親会社所有者帰属持分比率」という名前で表示されます。

オープンアップグループ 自己資本比率の推移


注目ポイント

未経験から育てるモデルで、技術社員は2万4千人規模

主力は「エンジニアファースト」という育成モデルです。入社するのはほとんどが未経験者で、研修と実務経験を通じてエンジニアに育てます。2026年6月末の技術社員は24,415名(機電9,494名・IT6,325名・建設8,596名)で、3つの領域に分散しています(2026年6月期 通期決算説明資料)。採用市場から経験者を奪い合うのではなく、自前で人材を生み出せる点が、この会社の土台になっています。

収益性が10年で最も高い水準に

2026年6月期の営業利益率は9.97%で、過去10年でもっとも高い水準です。売上は英国事業の売却で減りましたが、営業利益は前期比+2.8%の増益でした。セグメント別では機電領域が売上667億円(+10.7%)・営業利益83億円(+15.1%)と伸びをけん引しています。会社は2028年6月期に売上高2,000億円・営業利益200億円以上・営業利益率10%以上という目標を掲げています。

手厚い株主還元と、借金に頼らない財務

2026年6月期は年間配当85円への増配に加え、40億円の自己株式取得を実施し、総還元性向は94.9%となりました。配当性向60%と累進配当を方針として掲げており、還元姿勢は明確です。財務面でも自己資本比率62.0%、現金が有利子負債を上回るネットキャッシュ(132億円)の状態で、営業CFも過去10年すべてプラスです。

いっぽうで、利益(EPS)や配当性向、そしてM&Aの積み重ねには確認しておきたい点もあります。次の「投資の留意点」でくわしく説明します。


投資の留意点

確認しておきたい点が3つあります。

第一に、配当性向が桃モアイ基準を上回る水準です。2026年6月期の実績は61.2%で、基準の50%以下に届いていません。これは業績が悪いからではなく、会社が「配当性向60%」を還元方針として掲げているためです。2027年6月期の会社予想でも62.2%となります。予想配当利回り4.41%は高い水準ですが、その多くは利益を厚く配当に回す方針から来ています。裏を返せば、利益の伸びが止まると増配の余力は細りやすくなります。累進配当を掲げているため減配のハードルは高いものの、増配ペースは利益しだいという点は押さえておきたいところです。

第二に、EPSは過去に大きく落ち込んだ年があります。2020年6月期は、前期の87.5円から31.3円へ▲64.2%の急落となりました。桃モアイ基準では単年で30%を超える急落があると「安定して増加傾向」とはみなさないため、EPSの判定は「-」としています。翌2021年6月期以降は回復し、2025年6月期には144.6円と10年間のピークを付けました。ただし、こうした振れが起きうる会社だという点は意識しておきたいところです。

第三に、M&Aを軸に大きくなってきた会社で、のれんが重い点です。2026年6月末ののれんは593億円で、総資産1,294億円のおよそ46%を占めます。買収した会社の業績が計画を下回れば、減損損失として利益を押し下げる可能性があります。M&Aは現在も続いており、2025年10月にエイセブホールディングス(取得原価31億円)を子会社化したほか、2026年10月1日を効力発生日として、オーストラリアで建設・インフラ・資源分野の人材サービスを手がけるCox Grantham Curtis社グループの67%を取得する予定です。また人材サービスは景気の波を受けやすく、企業の設備投資や採用意欲が冷えると業績に影響が出やすい事業でもあります。


まとめ

オープンアップグループ(2154)は、2026年6月期で14年連続増配となった、8指標のうち6つをクリアした連続増配株です。強みと留意点を3点ずつにまとめると、次のとおりです。

✅ 未経験者を育てる独自モデルで、技術社員24,415名を3領域に分散
✅ 営業利益率9.97%と10年で最高水準、自己資本比率62.0%・営業CFも10年すべてプラス
✅ 14年連続増配・配当性向60%・累進配当と、株主還元に前向き

・配当性向61.2%は基準(50%以下)を上回る(会社方針が60%のため)
・EPSは2020年6月期に単年▲64.2%の急落があり「-」(長期では約2.8倍)
・のれん593億円と総資産の約46%を占め、減損や景気の影響を受けやすい

配当の権利確定は6月・12月の年2回。予想配当利回り4.41%と、利回り面でも注目しやすい1社です。


連続増配株への投資を始めるには、証券口座が必要です。どの証券会社で始めるか迷っている方は、こちらの記事で楽天証券とSBI証券を比較しています。

楽天証券とSBI証券、連続増配株を始めるならどっち?

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※本記事のデータは、IRBANK、Yahoo!ファイナンス(株価・利回り:東証終値・2026年8月21日時点)、オープンアップグループ「2026年6月期 決算短信〔IFRS〕(連結)」(2026年8月7日)、「2026年6月期 通期決算説明資料」(同日)、および2017年6月期〜2021年6月期の各決算短信〔日本基準〕にもとづきます。技術社員数・セグメント別実績・ネットキャッシュ・株主還元方針は決算説明資料p.22ほかによります。株式分割の効力発生日・分割比率は2016年6月期および2019年6月期の有価証券報告書によります。連続増配年数は、会社開示に連続年数の表記がないため、配当履歴(2013年6月期以降14年)にもとづき算出しています。同社は2022年6月期からIFRSを任意適用しており、2021年6月期以前は日本基準の公表値を用いています。金額は億円未満を切り捨てて表示しています。

※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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