最終更新日:2026年8月27日
12年連続増配・ケンタッキーのチキンを育てる鶏肉一貫生産の「アクシーズ」
こんにちは。10年以上連続増配株の情報を発信している桃モアイです。ケンタッキーフライドチキン(KFC)で使われるチキンを育て、加工している会社があります。鹿児島発の鶏肉大手、アクシーズです。2026年6月期は鶏肉相場の堅調と飼料コストの下落が重なり、営業利益が前期比84.1%増えました。
今回は6月に配当権利が確定する連続増配株の1社、アクシーズ(証券コード:1381)を私独自の8指標で分析しました。
結論から言うと、アクシーズは8つの指標のうち7つをクリアしました。12年連続の増配と、借入金のない強い財務が特徴です。いっぽうで、EPS(1株あたりの利益)には確認しておきたい点があります。理由も含めて、このあとひとつずつ分かりやすく説明します。
📊 株価・利回りの基準日:2026年8月26日時点の値です
📊 財務指標は2026年6月期(実績)の数値を使用しています
アクシーズとはどんな会社?
アクシーズは、鹿児島市に本社を置く鶏肉の生産・加工会社です。1962年に前身の伊地知種鶏場として設立し、2000年12月に株式を店頭登録しました(現在は東証スタンダード市場)。飼料の製造から、ひなの飼育、鶏肉の生産・加工までのすべてをグループ内で行う「一貫生産(インテグレーション)」が特徴です。
主力の食品事業では、育てた鶏肉と加工食品を外食チェーンや食肉卸へ販売しています。1977年に日本ケンタッキー・フライド・チキンと販売契約を結び、KFC向けの供給を柱のひとつとしてきました(有価証券報告書の沿革)。外食事業ではKFCなどのフランチャイズ店舗を自ら運営し、このほか鶏ふんなどを生かした再生可能エネルギーの供給も手がけます。売上の構成は食品84.4%・外食14.1%・エネルギー1.6%です(2026年6月期・外部顧客への売上高ベース。端数処理のため合計は100%になりません)。
会社の基本情報は次のとおりです。
上場市場:東証スタンダード
業種:水産・農林業
決算月:6月
連続増配:12年(2026年6月期時点)
現在の株価:3,470円(2026年8月26日時点)
予想配当利回り:3.46%(2027年6月期 会社予想配当120円ベース)
配当権利確定:6月(年1回)
配当情報
アクシーズは増配を続けていて、2026年6月期で12年連続増配になりました。1株あたりの年間配当は120円です。会社は決算発表と同じ2026年8月7日に、期末配当を従来予想の112円50銭から120円へ引き上げることを決議しました。2027年6月期の会社予想は120円の据え置きです。中間配当は行わず、期末(6月)のみの年1回配当です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 株価 | 3,470円(2026年8月26日時点) |
| 予想配当利回り | 3.46%(2027年6月期 会社予想配当120円ベース) |
| 連続増配年数 | 12年(2026年6月期時点) |
| 配当性向 | 23.0%(2026年6月期 実績) |
出典:株価は東証終値(2026年8月26日時点)、配当は決算短信。予想配当利回りは2027年6月期の会社予想配当120円に基づき、株価の変動により変わります。配当性向は2026年6月期の実績(120円÷EPS520円91銭=23.0%)です。なお2027年6月期の予想配当性向は、決算短信の公表値35.5%が短信内の数値から再現できないため、自算値37.4%(120円÷予想EPS320円53銭)で統一しています。連続増配年数は、2015年6月期を増配1年目として実績ベースで12年と数えています(2010〜2014年6月期は12.5円で据え置き)。
いちばん右の薄いグレーの棒は会社予想(2027年6月期)です。

1株あたりの配当は、2017年6月期の45円から2026年6月期の120円まで増えました。毎年ならすと約11.5%ずつ増やしてきた計算です。
8指標分析の結果
ここからは、アクシーズを私独自の8指標で見ていきます。
8指標の詳しい説明はこちらの記事をご覧ください。
なお私が確認する8つの指標は、売上高・EPS(1株あたりの利益)・営業利益率・自己資本比率・営業活動によるCF(以下、営業CF)・現金等・1株あたりの配当・配当性向です。
| 指標 | 基準 | アクシーズ | 判定 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 増加傾向 | 188.0億円→292.4億円(過去10年で約1.6倍) | ✅ |
| EPS(1株あたりの利益) | 安定して増加傾向 | 349.0円→520.9円(過去10年で約1.5倍) | - |
| 営業利益率 | 5%以上 | 13.4%(直近期・実績) | ✅ |
| 自己資本比率 | 40%以上 | 84.6%(直近期・実績) | ✅ |
| 営業活動によるCF | 過去10年すべてプラス | 全期間プラス(過去10年のレンジは20.3億〜48.9億円) | ✅ |
| 現金等 | 増加傾向 | 54.1億円→104.1億円(過去10年で約1.9倍) | ✅ |
| 1株あたりの配当 | 10年以上連続増配 | 12年連続増配 | ✅ |
| 配当性向 | 50%以下 | 23.0%(直近期・実績) | ✅ |
※判定欄の✅は桃モアイ基準を満たした指標、「-」は基準に届かなかった指標です。
※財務指標は2026年6月期(実績)。IRBANK・決算短信をもとに桃モアイが独自に分析しています。「増加傾向」「安定して増加傾向」は過去10年の長期トレンドで判定し、一時的な減少はクリア扱いとしています。8指標のうち7つをクリア。EPSは2021年6月期をピークに2022〜2024年6月期まで3年続けて減少し、その谷が過去10年の起点である2017年6月期の水準を下回ったため、「安定して増加傾向」の基準に届きませんでした(2026年6月期は過去最高を更新しています)。2026年6月期に特別利益はなく、特別損失は減損損失5百万円のみで、前期に計上した投資有価証券売却益3億7,100万円が剥落したうえでの増益です。
※アクシーズは日本基準を採用しています。EPSは決算短信の520円91銭を採用しました(IRBANK表示の520.86円は、百万円未満を切り捨てた当期純利益から逆算した値です)。金額は0.1億円単位(四捨五入)で表示しています。投資判断の参考としてご活用ください。
グラフで見る業績の推移(過去10年・2017年〜2026年実績+2027年予想)
売上高と営業利益率
売上高は、2017年6月期の188.0億円から2026年6月期の292.4億円へと、過去10年で約1.6倍に増えました。2014年6月期から13期連続の増収です(決算短信の売上高から数えたものです)。営業利益率(売上に対する本業のもうけの割合)は過去10年6.1〜15.9%で推移し、直近は13.4%と基準の5%以上をクリアしています。飼料などのコスト上昇が続いた2023〜2024年6月期は6〜8%前後まで下がりましたが、その後は回復しました。なお2027年6月期の会社予想は売上284.0億円・営業利益率8.8%で、減収減益の見込みです。

EPS(1株あたりの利益)と配当性向
EPS(1株あたりの利益)は、2017年6月期の349.0円から2026年6月期の520.9円へと、過去10年で約1.5倍になりました。ただし2021年6月期の429.5円をピークに、2022〜2024年6月期は3年続けて減少しています(累計で約49%減)。単年で30%を超える急落はありません(最大は2023年6月期の▲27.4%)。2026年6月期は前期比で約1.7倍に回復し、過去10年で最も高い水準です。配当性向(利益のうち配当に回す割合)は過去10年12.9〜44.6%で、直近は23.0%です。2027年6月期の会社予想EPSは320.5円で、予想配当性向は37.4%になります。

営業活動によるCFと現金等
営業CF(本業で稼いだ現金)は、過去10年すべてプラスでした(レンジは20.3億〜48.9億円。最小は2022年6月期、最大は2026年6月期)。現金等(手元の現金)は、2017年6月期の54.1億円から2026年6月期の104.1億円へと過去10年で約1.9倍に増えました。肥育施設などへの投資が続いた2022〜2023年6月期はいったん減りましたが、その後は3年連続で増えています。

自己資本比率
自己資本比率(会社の資産のうち、返す必要のないお金でまかなえている割合)は、過去10年76.8〜87.7%の高い水準で推移し、直近は84.6%です。基準の40%以上を大きく上回ります。2026年6月期末の自己資本は240億8,400万円で、非支配株主持分はありません。有利子負債は社債とリース債務を合わせて0.5億円のみで、借入金はありません(連結貸借対照表)。

注目ポイント
13期連続増収、2026年6月期は営業利益が84.1%増
2026年6月期は売上高292億4,400万円(前期比10.7%増)・営業利益39億500万円(同84.1%増)で、増収増益となりました。鶏肉相場が堅調に推移するなか、飼料原料などの肥育コストが下落したことが利益を押し上げています。会社は2026年1月30日と4月30日の2度、通期予想を上方修正し、着地はその修正後の計画も上回りました。
一貫生産が生むコストの管理力
飼料から加工までを自社グループで完結するため、コストと品質を自社で管理できます。飼料原料の価格が下がる局面では、その効果が利益にそのままあらわれるのが強みです。販売先も卸売から自社運営の店舗まで押さえ、鶏ふんを再生可能エネルギーの原料として生かすなど、資源の循環利用も進めています。
借入金のない財務と、配当性向23.0%の余力
2026年6月期末の有利子負債は社債とリース債務の0.5億円のみで、借入金はありません。営業CFは過去10年すべてプラスを保ち、現金等も104.1億円まで積み上がりました。配当性向は23.0%と利益の4分の1以下に収まっています。今回、会社が期末配当を112円50銭から120円へ引き上げたのも、この余力があってのことです。
いっぽうで、利益の振れ方と来期の見通しには確認しておきたい点もあります。次の「投資の留意点」でくわしく説明します。
投資の留意点
強みのある会社ですが、確認しておきたい点が3つあります。
第一に、鶏肉相場や飼料価格などの市況で、利益が大きく振れる点です。EPSは2021年6月期の429.5円から2024年6月期の220.6円へ、3年続けて減少しました(累計で約49%減)。この谷は、過去10年の起点である2017年6月期の349.0円を下回る水準です。2026年6月期は520.9円まで回復しましたが、会社自身の2027年6月期予想は320.5円(前期比▲38.5%)で、再び大きく下がる見通しです。8指標で唯一の未達となったのは、この振れ幅の大きさで谷が起点を下回ったことが理由です。生き物を扱う事業のため、鳥インフルエンザなどの疾病が生産に影響するリスクもあります。
第二に、2027年6月期の予想配当が120円の据え置きである点です。予想どおりなら、連続増配は12年でいったん止まります。ただし過去2年は、期末に会社予想を上回る配当が決まりました(2025年6月期は予想98.5円→実績112.5円、2026年6月期は予想112.5円→実績120円)。予想ベースの配当性向は37.4%と50%の基準内に収まっており、余力そのものはあります。それでも、増配の継続を前提にはできません。
第三に、特定の大口取引先への依存と、時価総額約195億円の小型株である点です。食品事業は主要取引先向けの販売が業績を左右する構造で、取引先の販売動向や調達方針の変化を受けやすい面があります。小型株のため、株価の変動の大きさや売買のしやすさにも留意が必要です。
まとめ
アクシーズ(1381)は、2026年6月期で12年連続増配となった、8指標のうち7つをクリアした連続増配株です。強みと留意点を3点ずつにまとめると、次のとおりです。
【強み】
✅ 13期連続の増収。2026年6月期は営業利益が84.1%増
✅ 飼料から加工・店舗まで手がける一貫生産と、KFC向けなどの安定した販路
✅ 自己資本比率84.6%・借入金なしの財務と、配当性向23.0%の増配余力
【留意点】
・鶏肉相場や飼料価格で利益が大きく振れ、EPSは基準未達
・2027年6月期は会社予想が減収減益で、配当も120円の据え置き
・大口取引先への依存と、時価総額約195億円の小型株である点
6月に配当の権利が確定する、予想配当利回り3.46%の銘柄です。市況の追い風で伸びた利益を増配へどうつなげるか、これからの決算で見ていきたい1社です。
連続増配株への投資を始めるには、証券口座が必要です。どの証券会社で始めるか迷っている方は、こちらの記事で楽天証券とSBI証券を比較しています。
※業績・セグメント・財政状態・配当は、アクシーズの2026年6月期 決算短信(2026年8月7日開示)および「剰余金の配当(増配)に関するお知らせ」(同日開示)に基づきます。過去10年の推移はIRBANKを併用し、決算短信で裏付けを取りました。沿革・事業内容は有価証券報告書を参照しました。株価は東証終値(2026年8月26日時点)、予想配当利回りは同日時点です。2027年6月期の予想配当性向は、短信の公表値35.5%が短信内の数値から再現できないため、自算値37.4%で統一しています。時価総額は期末発行済株式数5,617,500株×株価による概算(同日時点)です。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

