最終更新日:2026年7月26日
11年連続増配・ケンタッキーのチキンを育てる鶏肉一貫生産の「アクシーズ」
こんにちは。10年以上連続増配株の情報を発信している桃モアイです。ケンタッキーフライドチキン(KFC)で使われるチキンを育て、加工している会社があります。鹿児島発の鶏肉大手、アクシーズです。
今回は6月に配当権利が確定する連続増配株の1社、アクシーズ(証券コード:1381)を私独自の8指標で分析しました。
結論から言うと、アクシーズは8つの指標のうち7つをクリアしました。11年連続の増配と、借入金に頼らない強い財務が特徴です。いっぽうで、EPS(1株あたりの利益)には確認しておきたい点があります。このあとひとつずつ分かりやすく説明します。
📊 株価・利回りの基準日:2026年7月24日時点の値です
📊 財務指標は2025年6月期(実績)の数値を使用しています
アクシーズとはどんな会社?
アクシーズは、鹿児島市に本社を置く鶏肉の生産・加工会社です。1962年に前身の伊地知種鶏場として設立し、2000年12月に株式を公開しました(現在は東証スタンダード市場)。飼料の製造から、ひなの飼育、鶏肉の生産・加工までのすべてをグループ内で行う「一貫生産(インテグレーション)」が特徴です。
主力の食品事業では、育てた鶏肉と加工食品を外食チェーンや食肉卸へ販売しています。1977年に日本ケンタッキー・フライド・チキンと販売契約を結び、KFC向けの供給を柱のひとつとしてきました(有価証券報告書の沿革)。外食事業ではKFCなどのフランチャイズ店舗を自ら運営し、このほか鶏ふんなどを生かした再生可能エネルギーの供給も手がけます。売上の構成は食品83.5%・外食14.8%・エネルギー1.7%です(2026年6月期 中間期・外部顧客への売上高ベース)。
会社の基本情報は次のとおりです。
上場市場:東証スタンダード
業種:水産・農林業
決算月:6月
連続増配:11年(2025年6月期時点)
株価:3,485円(2026年7月24日時点)
予想配当利回り:3.23%(2026年6月期 会社予想配当112.5円ベース)
配当権利確定:6月(年1回)
配当情報
アクシーズは増配を続けていて、2025年6月期で11年連続増配になりました。1株あたりの年間配当は、2025年6月期の実績で112.5円です。2026年6月期の会社予想は112.5円の据え置きです。中間配当は行わず、期末(6月)のみの年1回配当です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 株価 | 3,485円(2026年7月24日時点) |
| 予想配当利回り | 3.23%(2026年6月期 会社予想配当112.5円ベース) |
| 連続増配年数 | 11年(2025年6月期時点) |
| 配当性向 | 36.7%(2025年6月期 実績) |
出典:株価はYahoo!ファイナンス(2026年7月24日時点)、配当は決算短信。予想配当利回りは2026年6月期の会社予想配当112.5円に基づき、株価の変動により変わります。配当性向は2025年6月期の実績(112.5円÷EPS306.28円=36.7%)です。連続増配年数は、2015年6月期を増配1年目として実績ベースで11年と数えています(2010〜2014年6月期は12.5円で据え置き)。
いちばん右の薄いグレーの棒は会社予想(2026年6月期)です。

1株あたりの配当は、2016年6月期の35円から2025年6月期の112.5円まで増えました。毎年ならすと約13.9%ずつ増やしてきた計算です。
8指標分析の結果
ここからは、アクシーズを私独自の8指標で見ていきます。
8指標の詳しい説明はこちらの記事をご覧ください。
なお私が確認する8つの指標は、売上高・EPS(1株あたりの利益)・営業利益率・自己資本比率・営業活動によるCF(以下、営業CF)・現金等・1株あたりの配当・配当性向です。
| 指標 | 基準 | アクシーズ | 判定 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 増加傾向 | 183.8億円→264.3億円(過去10年で約1.4倍) | ✅ |
| EPS(1株あたりの利益) | 安定して増加傾向 | 217.8円→306.3円(過去10年で約1.4倍) | - |
| 営業利益率 | 5%以上 | 8.0%(直近期・実績) | ✅ |
| 自己資本比率 | 40%以上 | 86.1%(直近期・実績) | ✅ |
| 営業活動によるCF | 過去10年すべてプラス | 全期間プラス(過去10年のレンジは20.3億〜37.3億円) | ✅ |
| 現金等 | 増加傾向 | 35.9億円→77.3億円(過去10年で約2.2倍) | ✅ |
| 1株あたりの配当 | 10年以上連続増配 | 11年連続増配 | ✅ |
| 配当性向 | 50%以下 | 36.7%(直近期・実績) | ✅ |
※判定欄の✅は桃モアイ基準を満たした指標、「-」は基準に届かなかった指標です。
※財務指標は2025年6月期(実績)。IRBANK・決算短信をもとに桃モアイが独自に分析しています。「増加傾向」「安定して増加傾向」は過去10年の長期トレンドで判定し、一時的な減少はクリア扱いとしています。2025年6月期は増収増益で、売上高は12期連続で過去最高を更新しました。8指標のうち7つをクリア。EPSは2021年6月期をピークに2022〜2024年6月期まで3年続けて減少し、「安定して増加傾向」の基準に届きませんでした。なお2025年6月期の純利益には投資有価証券売却益(中間期時点で約3.7億円)の一時要因を含みます。金額は0.1億円単位(四捨五入)で表示しています。投資判断の参考としてご活用ください。
グラフで見る業績の推移(過去10年・2016年〜2025年実績+2026年予想)
売上高と営業利益率
売上高は、2016年6月期の183.8億円から2025年6月期の264.3億円へと、過去10年で約1.4倍に増えました。2014年6月期から12期連続の増収で、毎期、過去最高を更新しています。営業利益率(売上に対する本業のもうけの割合)は過去10年6.1〜15.9%で推移し、直近は8.0%と基準の5%以上をクリアしています。飼料などのコスト上昇が続いた2023〜2024年6月期は6〜8%前後まで下がりましたが、2025年6月期は8.0%へ回復し、2026年6月期の会社予想は売上288.0億円・営業利益率11.8%です。

EPS(1株あたりの利益)と配当性向
EPS(1株あたりの利益)は、2016年6月期の217.8円から2025年6月期の306.3円へと、過去10年で約1.4倍になりました。ただし2021年6月期の429.5円をピークに、2022〜2024年6月期は3年続けて減少しています(累計で約49%減)。単年で30%を超える急落はありません(最大は2023年6月期の▲27.4%)。2025年6月期は+38.8%と回復し、2026年6月期の会社予想は427.4円とピークに迫る水準です。配当性向(利益のうち配当に回す割合)は過去10年12.9〜44.6%で、直近は36.7%です。

営業活動によるCFと現金等
営業CF(本業で稼いだ現金)は、過去10年すべてプラスでした(レンジは20.3億〜37.3億円。最小は2022年6月期、最大は2024年6月期)。現金等(手元の現金)は、2016年6月期の35.9億円から2025年6月期の77.3億円へと過去10年で約2.2倍に増えました。肥育施設などへの投資が続いた2022〜2023年6月期はいったん減りましたが、その後は2年連続で増えています。

自己資本比率
自己資本比率(会社の資産のうち、返す必要のないお金でまかなえている割合)は、過去10年75.9〜87.7%の高い水準で推移し、直近は86.1%です。基準の40%以上を大きく上回ります。2026年6月期の中間期末時点で借入金はなく、社債0.5億円のみの実質無借金です(中間連結貸借対照表)。

注目ポイント
12期連続増収、今期は2度の上方修正で利益2倍超のペース
2026年6月期は増収の勢いがさらに強まっています。第3四半期までの累計で売上218.3億円(前年同期比11.8%増)・営業利益29.0億円(同2.2倍)。会社は通期予想を1月と4月の2度上方修正し、営業利益34.0億円(前期比60.3%増)を見込みます。鶏肉相場が堅調に推移するなか、飼料原料などの肥育コストが下落したことが利益を押し上げています(第2四半期決算短信)。
一貫生産が生むコストの管理力
飼料から加工までを自社グループで完結するため、コストと品質を自社で管理できます。飼料原料の価格が下がる局面では、その効果が利益にそのままあらわれるのが強みです。販売先も卸売から自社運営の店舗まで押さえ、鶏ふんを再生可能エネルギーの原料として生かすなど、資源の循環利用も進めています。
自己資本比率86.1%の実質無借金
借入金に頼らない財務で、営業CFは過去10年すべてプラスを保ち、現金等も77.3億円まで積み上がりました。配当性向は36.7%と利益の4割弱に収まり、2026年6月期の予想ベースでは26.3%です。数字のうえでは、増配の余力を残しています。
いっぽうで、利益の振れ方と配当の予想には確認しておきたい点もあります。次の「投資の留意点」でくわしく説明します。
投資の留意点
強みのある会社ですが、確認しておきたい点が3つあります。
第一に、鶏肉相場や飼料価格などの市況で、利益が大きく振れる点です。EPSは2021年6月期の429.5円から2024年6月期の220.6円へ、3年続けて減少しました(累計で約49%減)。飼料原料をはじめとする製造コストの上昇が続いたことなどが背景で、8指標で唯一の未達となった理由です。2025年6月期以降は肥育コストの下落で急回復していますが、市況が逆に動けば利益は再び圧迫されます。生き物を扱う事業のため、鳥インフルエンザなどの疾病が生産に影響するリスクもあります。
第二に、2026年6月期の予想配当が112.5円の据え置きである点です。予想どおりなら、連続増配は11年でいったん止まります。なお配当は、例年8月上旬の本決算発表で最終確定します。過去には決算と同時に増配を発表し、予想を上回った年もあります(2025年6月期は予想98.5円→実績112.5円)。ただし過去の増配率には振れがあり、利益が減った2023年・2024年6月期は+1.6%・+2.1%の小幅でした。予想ベースの配当性向は26.3%と低く余力はありますが、増配の継続を前提にはできません。
第三に、特定の大口取引先への依存と、時価総額約196億円の小型株である点です。食品事業は主要取引先向けの販売が業績を左右する構造で、取引先の販売動向や調達方針の変化を受けやすい面があります。小型株のため、株価の変動の大きさや売買のしやすさにも留意が必要です。
まとめ
アクシーズ(1381)は、鶏肉の一貫生産を主力に、2025年6月期で11年連続増配となった、8指標のうち7つをクリアした連続増配株です。強みと留意点を3点ずつにまとめると、次のとおりです。
【強み】
✅ 12期連続の増収。2026年6月期も第3四半期までで2けたの増収・利益2.2倍
✅ 飼料から加工・店舗まで手がける一貫生産と、KFC向けなどの安定した販路
✅ 自己資本比率86.1%の実質無借金。配当性向36.7%で増配の余力
【留意点】
・鶏肉相場や飼料価格で利益が大きく振れ、EPSは基準未達
・2026年6月期の予想配当は据え置きで、予想どおりなら連続増配は11年でいったん止まる
・大口取引先への依存と、時価総額約196億円の小型株である点
6月に配当の権利が確定する銘柄です。市況の追い風で伸びた利益を増配へどうつなげるか、これからの決算で見ていきたい1社です。
連続増配株への投資を始めるには、証券口座が必要です。どの証券会社で始めるか迷っている方は、こちらの記事で楽天証券とSBI証券を比較しています。
※業績・セグメント・財政状態は、アクシーズの2026年6月期 第2四半期(中間期)・第3四半期決算短信およびIRBANKに基づきます。沿革・事業内容は有価証券報告書を参照しました。株価・予想配当利回りはYahoo!ファイナンス(2026年7月24日時点)です。時価総額は期末発行済株式数×株価による概算(同日時点)です。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

