【10年連続増配】橋本総業ホールディングス(7570)を8指標分析

橋本総業ホールディングス(7570)連続増配株の8指標分析

最終更新日:2026年8月8日

10年連続増配・住まいの水まわりを支える管材専門商社

こんにちは。10年以上連続増配株の情報を発信している桃モアイです。トイレや給湯器、水道の配管といった住まいの設備は、専門の卸売会社を通って全国の工事店に届きます。その流通を担う管材専門商社が橋本総業ホールディングスで、足元ではデータセンターや物流倉庫向けの需要が管材の販売を押し上げています(2026年3月期決算短信p.3)。

今回は9月と3月に配当権利が確定する連続増配株の1社、橋本総業ホールディングス(証券コード:7570)を私独自の8指標で分析しました。

結論からお伝えすると、橋本総業ホールディングスは8つの指標のうち6つをクリアしました。売上高・EPS・自己資本比率・現金等・1株あたりの配当・配当性向の6つが基準を満たす一方、営業利益率と営業活動によるCFには確認しておきたい点があります。理由も含めて、このあとひとつずつ分かりやすく説明します。

📊 株価・利回りの基準日:2026年8月6日時点の値です
📊 8指標の判定は2026年3月期(実績)の数値です。進捗として2027年3月期第1四半期にも触れています


橋本総業ホールディングスとはどんな会社?

橋本総業ホールディングスは、管材(水道管やバルブなど)・衛生陶器・住宅設備機器・空調機器を扱う専門商社です。1890年に東京・神田で創業した「橋本商店」が前身で、130年を超える歴史があります。大手メーカーから商品を仕入れ、全国の2次卸や工事店に販売する1次卸が本業です。2016年に持株会社体制へ移行し、現在は連結子会社10社でグループを構成しています。

売上の内訳(2026年3月期)は、管材類が約28%、衛生陶器・金具類が約27%、空調機器・ポンプが約26%、住宅設備機器類が約18%です。TOTOをはじめとする大手メーカーの商品を各地の倉庫に在庫し、即日配送できる体制が強みです。2026年3月期は売上高1,725億円(前期比+4.3%)、営業利益25.3億円(同+3.4%)と増収・営業増益でした。純利益は28.2億円(同▲2.5%)とわずかに減少しています。

会社の基本情報は次のとおりです。

上場市場:東証スタンダード
業種:卸売業
決算月:3月
連続増配:10年(2026年3月期時点)
株価:1,367円(2026年8月6日終値)
予想配当利回り:3.80%(2027年3月期予想)
配当権利確定:9月・3月(年2回)


配当情報

橋本総業ホールディングスは、2026年3月期まで10年連続で増配を続けています。増配1年目は2017年3月期です(2016年3月期は調整後13.64円で据え置き)。2027年3月期は年間52円(中間26円+期末26円)を予想しており、実施されれば11期連続の増配になります。会社も「記念配当を含めて、11期連続の増配」と開示しています(2026年5月11日)。

📌 株式分割と本記事の基準
橋本総業ホールディングスは過去10年の間に、2019年4月1日に1株→1.1株、2022年10月1日に1株→2株の株式分割を実施しています(累積で1株→2.2株)。本記事の配当・EPSは、分割をさかのぼって調整した「調整後」の金額です(株価は実際の取引価格のため調整しません)。分割をまたいだ2019年3月期・2023年3月期の年間配当は、分割後の基準にそろえた金額(それぞれ18.18円・40円)で表示しています。

項目 数値
株価 1,367円(2026年8月6日終値)
予想配当利回り 3.80%(2027年3月期予想52円・2026年8月6日株価)
連続増配年数 10年(2026年3月期時点)
配当性向 34.5%(2026年3月期実績)

※予想配当利回りは2027年3月期の予想配当(52円)、配当性向は2026年3月期の実績(50円÷EPS144.94円)にもとづきます。利回りは株価の変動によって変わります。

いちばん右の薄いグレーの棒は会社予想(2027年3月期)です。

橋本総業ホールディングス 1株あたりの配当の推移 10年連続増配


8指標分析の結果

ここからは、橋本総業ホールディングスを私独自の8指標で見ていきます。8指標の詳しい説明はこちらの記事をご覧ください。

なお私が確認する8つの指標は、売上高・EPS(1株あたりの利益)・営業利益率・自己資本比率・営業活動によるCF(以下、営業CF)・現金等・1株あたりの配当・配当性向です。

指標 基準 橋本総業HD 判定
売上高 増加傾向 1,229億円 → 1,725億円(約1.4倍)
EPS(1株あたりの利益) 安定して増加傾向 69.02円 → 144.94円(約2.1倍)
営業利益率 5%以上 1.47%
自己資本比率 40%以上 42.9%
営業活動によるCF 過去10年すべてプラス 過去10年のレンジは▲9.4億〜48.2億円(うち1年がマイナス)
現金等 増加傾向 22.5億円 → 56.0億円
1株あたりの配当 10年以上連続増配 10年連続増配(2026年3月期時点)
配当性向 50%以下 34.5%

※判定欄の✅は桃モアイ基準を満たした指標、「-」は基準に届かなかった指標です。
※財務指標は2026年3月期(実績)。IRBANKのデータをもとに桃モアイが独自に分析。8指標の「増加傾向」「安定して増加傾向」は過去10年の長期トレンドで判定しており、一時的な減少はクリア扱いとしています。2026年3月期は増収・営業増益となり、純利益はわずかに減少しました。金額は、売上高は億円未満を四捨五入し、利益・営業CF・現金等は小数第一位までを四捨五入して表示しています。8指標のうち6つをクリア。営業利益率は卸売業の薄利多売型の構造により1.47%と基準の5%に届かず、営業CFは2021年3月期がマイナスだったため基準に届きませんでした。なお2021年3月期の売上高は「収益認識に関する会計基準」の遡及適用後の値(IRBANKの系列)で、当初の開示は1,347億円でした。投資判断の参考としてご活用ください。


グラフで見る業績の推移(過去10年・2017年〜2026年実績+2027年予想)

売上高と営業利益率

売上高は1,229億円から1,725億円へと約1.4倍に増えました。リフォームや非住宅分野の需要を取り込み、着実に増収を続けています。2027年3月期は1,800億円(前期比+4.4%)の会社予想です。

グラフで2020年から2021年にかけて売上が減って見える下げ幅の一部は、会計ルール(収益認識に関する会計基準)の変更による見かけの段差です。2021年3月期の売上高は当初の開示では1,347億円(前期比▲2.3%)でしたが、IRBANKの系列では新基準に組み替えた1,317億円で表示されています。本記事のグラフはIRBANKの系列(2021年3月期のみ新基準)に合わせています。

営業利益率(売上に対する本業のもうけの割合)は1.47%で、桃モアイ基準の5%には届きません。商品を仕入れて販売する卸売業の薄利多売型の構造によるもので、2027年3月期は2.00%への改善を見込んでいます。

橋本総業ホールディングス 売上高と営業利益率の推移

EPS(1株利益)と配当性向

EPSは69.02円から144.94円へと約2.1倍に増えました。ピークは2025年3月期の145.70円で、最も古い年の2.1倍です。2026年3月期は▲0.5%とわずかな減少にとどまり、過去10年で30%を超える急落は一度もありません。2027年3月期は190.14円(前期比+31.2%)の会社予想です。

配当性向(利益のうち配当に回す割合)は21.1%から34.5%へゆるやかに上がってきましたが、基準の50%に対して余裕があります。増配を続けながらも、利益とのバランスが保たれています。

橋本総業ホールディングス EPSと配当性向の推移

営業活動によるCFと現金等

営業CF(本業で稼いだ現金)の過去10年のレンジは▲9.4億〜48.2億円(うち1年がマイナス)です。2021年3月期に▲9.4億円とマイナスになったため、「過去10年すべてプラス」の基準には届きませんでした。卸売業は売上債権や在庫といった運転資金の増減で営業CFが振れやすい業種です。直近の2026年3月期は48.2億円と過去10年で最大でした。

現金等は22.5億円から56.0億円へ増え、長期では増加傾向です。

橋本総業ホールディングス 営業CFと現金等の推移

自己資本比率

自己資本比率(会社の資産のうち、返す必要のないお金でまかなえている割合)は31.5%から42.9%へ上がりました。2026年3月期は、自己資本の額が増えた(純資産364.8億円・前期比+12.9%)ことに加え、短期借入金を86.7億円から26.2億円へ返済して総資産が圧縮されたため、前期の37.7%から大きく改善しています。

なお2026年6月末(第1四半期末)の自己資本比率は、電子記録債権と短期借入金の増加により35.7%へ低下しています。8指標の判定は本決算(2026年3月期)の42.9%で行っています(2027年3月期第1四半期決算短信p.1・p.3)。

橋本総業ホールディングス 自己資本比率の推移


注目ポイント

業界最大級のネットワーク「みらい会」

橋本総業ホールディングスの強みは、メーカー・販売店・工事店と自社をつなぐネットワーク「みらい会」です。会社は基本戦略で「みらい会活動-業界最大、最良のネットワーク」と位置づけています(2026年3月期決算短信p.2)。会員数は26,352人・正会員500社(2024年3月期・フィスコ企業調査レポート)にのぼり、研修や展示会「みらい市」を通じて取引先と結びつきを深めています。フルカバー(県別の営業体制)・フルライン(設備関連なら何でも)・フル機能(在庫・配送・情報)の「3つのフル」戦略で、全国の需要に対応しています。

データセンター・非住宅需要が追い風

新築住宅が減るなかでも、物流倉庫やデータセンターといった非住宅分野の需要が伸びています。2027年3月期第1四半期は売上高433.8億円(前年同期比+11.7%)、営業利益4.3億円(同+78.7%)と好調で、半導体やデータセンター向けのステンレス関連商材、業務用空調機器の需要増加が寄与しました(2027年3月期第1四半期決算短信p.2)。

財務改善と大幅増益の会社予想

自己資本比率は42.9%へ上がり、桃モアイ基準の40%を上回りました。2027年3月期は営業利益36億円(前期比+42.5%)・EPS190.14円(同+31.2%)と大幅増益の会社予想で、第1四半期時点でも予想は据え置かれています(修正の有無:無)。中期計画「HAT Vision2027」では、2028年3月期に売上高2,000億円・経常利益70億円を目標に掲げています(フィスコ企業調査レポート・2025年1月23日)。

いっぽうで、営業利益率と営業CFには確認しておきたい点もあります。次の「投資の留意点」でくわしく説明します。


投資の留意点

確認しておきたい点が3つあります。

第一に、営業利益率が1.47%と低い水準です。商品を仕入れて販売する卸売業の薄利多売型の構造によるもので、桃モアイ基準の5%には届きません。なお同社は、仕入先への早期支払いで受け取る仕入割引(9.8億円)や受取配当金など営業外収益が大きく、経常利益34.5億円は営業利益25.3億円を上回る構造です(2026年3月期決算短信)。それでも売上に対する利益の薄さは、価格競争や費用増加の影響を受けやすい点として意識しておきたいところです。

第二に、営業CFがマイナスになった年があります。2021年3月期は▲9.4億円で、「過去10年すべてプラス」の基準に届きませんでした。卸売業は売上債権や在庫など運転資金の増減で営業CFが振れやすく、単年のマイナスが起こりえます。直近の2026年3月期は48.2億円と過去10年で最大でしたが、今後も年ごとの振れには注意が必要です。

第三に、アイナボホールディングスとの経営統合を検討しています。2026年3月27日、両社は共同持株会社の設立(株式移転)による経営統合に向けた検討開始で基本合意しました。背景には新設住宅着工戸数の減少など市場の縮小があります。統合の時期や比率は未定で、実現すれば共同持株会社が上場し、両社の株式は上場廃止となる予定です。統合後の配当方針を含め、今後の開示を確認したいところです(2026年3月27日適時開示)。


まとめ

橋本総業ホールディングス(7570)は、2026年3月期で10年連続増配となった、8指標のうち6つをクリアした連続増配株です。強みと留意点を3点ずつにまとめると、次のとおりです。

【強み】
✅ 10年連続増配・年平均増配率は約14.7%(2017年→2026年)
✅ 自己資本比率42.9%・配当性向34.5%と財務と配当のバランスが良好
✅ データセンターなど非住宅需要が追い風で、2027年3月期は大幅増益の会社予想

【留意点】
・営業利益率は1.47%と低く、卸売業の薄利多売型の構造
・営業CFは2021年3月期にマイナスがあり、運転資金の増減で振れやすい
・アイナボホールディングスとの経営統合を検討中(時期・比率は未定)

配当権利確定は9月・3月、予想配当利回りは3.80%(2026年8月6日時点)です。


連続増配株への投資を始めるには、証券口座が必要です。どの証券会社で始めるか迷っている方は、こちらの記事で楽天証券とSBI証券を比較しています。

楽天証券とSBI証券、連続増配株を始めるならどっち?

10年以上連続増配株一覧に戻る

※株価・予想配当利回りはYahoo!ファイナンス(2026年8月6日終値)にもとづきます。財務データは2026年3月期決算短信、2027年3月期第1四半期決算短信、IRBANKにもとづき、2021年3月期以前の営業CFは各期の有価証券報告書(EDINET)で確認しています。
※EPSの144.94円(2026年3月期)・145.70円(2025年3月期)・予想190.14円は決算短信の公表値です(IRBANKの表示144.9円・145.68円は端数差)。2017〜2024年3月期はIRBANKの株式分割調整後の値を使用しています。
※連続増配の増配1年目は2017年3月期です(2016年3月期は調整後13.64円で据え置き)。会社は「2027年3月期配当予想(11期連続の増配)に関するお知らせ」(2026年5月11日)で、予想の実施を前提に「記念配当を含めて、11期連続の増配」と説明しています。2021年3月期・2022年3月期の配当には創業130周年の記念配当が含まれます(会社開示)。
※配当性向の2020年3月期・2023年3月期はIRBANKに掲載がないため、調整後配当÷EPSで算出しました(25円÷104.46円=23.9%、40円÷126.73円=31.6%)。
※中期計画「HAT Vision2027」の目標値はフィスコ企業調査レポート(2025年1月23日)を参照しています。

※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA