【10年連続増配】システム ディ(3804)を8指標分析

システム ディ(3804)連続増配株の8指標分析

最終更新日:2026年8月3日

10年連続増配・学校の事務を支えるソフト会社、8指標はすべてクリア

こんにちは。10年以上連続増配株の情報を発信している桃モアイです。大学の学費や履修の管理、公立学校の成績や出欠の処理。こうした学校の事務を裏側で支えるシステムを作っている会社があります。サポートやクラウドで毎年続けて入るストック収益が積み上がり、2026年10月期の中間期は売上・営業利益とも当初の計画を上回りました(2026年10月期 中間期決算短信p.2)。

今回は10月に配当権利が確定する連続増配株の1社、システム ディ(証券コード:3804)を私独自の8指標で分析しました。

結論から言うと、システム ディは8指標すべてをクリアしました。10年連続の増配と年平均約30.8%という増配ペース、自己資本比率68.0%の堅い財務が特徴です。理由も含めて、このあとひとつずつ分かりやすく説明します。

📊 株価・利回りの基準日:2026年7月31日時点の値です
📊 8指標の判定は2025年10月期(実績)の数値です。進捗として2026年10月期中間期にも触れています


システム ディとはどんな会社?

システム ディは、京都に本社を置く独立系(特定の大手メーカーの系列に属さない)のソフトウェア会社です。東証スタンダードに上場しています。業種・業務に特化したパッケージソフトが主力で、子会社を含めた6つの業種・業務を対象に事業を展開しています(2026年10月期 中間期決算短信p.2)。

柱になるのは学校向けです。私立・国公立大学向けの学園総合情報システム「キャンパスプラン」は業界トップシェアを誇り、公立小中高校向けのクラウド型校務支援システム「School Engine」も都道府県向け公立高校などでトップシェアを占めます(同p.2)。ほかにも、全国1,000超の自治体で使われる公会計システム「PPP」、東京スカイツリーにも導入されたチケット管理システム「Smart Hello チケット」、企業向けの「規程管理」シリーズなどを手がけています(同p.2)。

収益は2本立てです。システムの納品時に一括で計上するフロー収益と、サポートやクラウドの利用料として期間に応じて計上するストック収益で、中間期はストック収益が14.7億円と売上の約49%を占めました(同p.10)。累計ユーザー数は11,613にのぼります(中間期決算補足資料p.8)。なお報告セグメントは「ソフトウェア事業」の1つのみで、広告制作やテナント賃貸などは「その他」区分です(中間期決算短信p.9)。

会社の基本情報は次のとおりです。

上場市場:東証スタンダード
業種:情報・通信業
決算月:10月
連続増配:10年(2025年10月期時点)
株価:452円(2026年7月31日時点)
予想配当利回り:2.43%(2026年10月期 会社予想配当11円ベース)
配当権利確定:10月(年1回)


配当情報

システム ディは増配を続けていて、2025年10月期で10年連続増配になりました。配当は期末の年1回で、2025年10月期の実績は調整後9.33円です。2026年10月期の会社予想は11円で、株式分割前に換算すると33円。前回公表の32円から引き上げられた、実質1円の増配予想です(2026年10月期 中間期決算短信p.1、中間期決算補足資料p.14)。この予想どおりに実施されれば、2026年10月期で11期連続になります。

📌 株式分割と本記事の基準
システム ディは、2018年5月1日付で1株→2株、2026年5月1日付で1株→3株の株式分割を行っています。2つの分割を合わせると、当時の1株は現在の6株に相当します。本記事の配当・EPS・利回り・配当性向は、すべて分割をさかのぼって調整した「調整後」の金額で統一しています。

項目 内容
株価 452円(2026年7月31日時点)
予想配当利回り 2.43%(2026年10月期 会社予想配当11円ベース)
連続増配年数 10年(2025年10月期時点)
配当性向 28.6%(2025年10月期 実績)

出典:株価はYahoo!ファイナンス(2026年7月31日時点)、配当は決算短信・中間期決算補足資料。予想配当利回りは2026年10月期の会社予想配当11円に基づき、株価の変動により変わります。配当性向は2025年10月期の実績(調整後9.33円÷EPS32.64円=28.6%)で、会社公表値と一致します。連続増配年数は配当実績ベースで、2016年10月期を増配1年目として10年と数えています(2015年10月期は調整後0.50円、2016年10月期は0.83円)。配当・EPSは2018年・2026年の株式分割をさかのぼって調整した調整後の金額です。

いちばん右の薄いグレーの棒は会社予想(2026年10月期)です。

システム ディ 1株あたりの配当の推移 10年連続増配

1株あたりの配当は、2016年10月期の0.83円から2025年10月期の9.33円まで増えました。毎年ならすと約30.8%ずつ増やしてきた計算で、連続増配株のなかでもかなり速いペースです。2026年10月期の予想11円が実施されると、10年前のおよそ13倍になります。


8指標分析の結果

ここからは、システム ディを私独自の8指標で見ていきます。

8指標の詳しい説明はこちらの記事をご覧ください。

なお私が確認する8つの指標は、売上高・EPS(1株あたりの利益)・営業利益率・自己資本比率・営業活動によるCF(以下、営業CF)・現金等・1株あたりの配当・配当性向です。

指標 基準 システム ディ 判定
売上高 増加傾向 31.1億円→50.3億円(過去10年で約1.6倍)
EPS(1株あたりの利益) 安定して増加傾向 6.88円→32.64円(ピークは2023年10月期の32.94円で最古年の約4.8倍。急落なし)
営業利益率 5%以上 18.6%(直近期・実績)
自己資本比率 40%以上 68.0%(直近期・実績)
営業活動によるCF 過去10年すべてプラス 全期間プラス(2.0億〜15.0億円)
現金等 増加傾向 2.7億円→21.0億円(過去10年で約7.7倍)
1株あたりの配当 10年以上連続増配 10年連続増配
配当性向 50%以下 28.6%(直近期・実績)

※判定欄の✅は桃モアイ基準を満たした指標です。
※財務指標は2025年10月期(実績)。IRBANKおよび決算短信・中間期決算補足資料をもとに桃モアイが独自に分析しています。「増加傾向」「安定して増加傾向」は過去10年の長期トレンドで判定し、一時的な減少はクリア扱いとしています。8指標はすべてクリアしました。2025年10月期は売上高50.3億円(前期比+8.7%)・営業利益9.4億円(同+13.2%)の増収増益でした。
※システム ディは日本基準・連結です。過去10年に2018年5月1日付で1株→2株、2026年5月1日付で1株→3株の株式分割を行っており、本記事の配当・EPSはすべて分割をさかのぼって調整した調整後の金額です。EPSはIRBANKの調整後系列を使用し、2018年10月期の配当性向はIRBANKで欠測のため2018年10月期 決算短信の公表値17.6%を使っています。2026年10月期の予想EPSは決算短信の36.54円です(IRBANKの表示36.51円とはわずかに異なります)。金額は小数第一位までを四捨五入して表示しています。投資判断の参考としてご活用ください。


グラフで見る業績の推移(過去10年・2016年〜2025年実績+2026年予想)

ここからは、過去10年の業績をグラフで見ていきます。年はいずれも10月期で、いちばん右のグレーは会社予想(2026年10月期)です。配当性向のグラフは実績の最終年で止めています。

売上高と営業利益率

売上高は、2016年10月期の31.1億円から2025年10月期の50.3億円へ、過去10年で約1.6倍になりました。途中3回の減収年がありますが、いずれも下げ幅は限られ、翌期以降に持ち直しています。2026年10月期の会社計画は55.4億円(前期比+10.1%)です(2026年10月期 中間期決算短信p.1)。

営業利益率(売上に対する本業のもうけの割合)の改善が目を引きます。2016年10月期の6.2%から2025年10月期の18.6%へ、10年で12ポイント以上上がりました。パッケージソフトとクラウドを軸に、ストック収益を積み上げてきた効果です。会社は売上高営業利益率をKPI(重要指標)として特に重視しており、中間期の実績は21.5%と20%を超えました(中間期決算補足資料p.6)。2026年10月期の通期計画は営業利益10.3億円・利益率18.6%です(同p.13)。

システム ディ 売上高と営業利益率の推移

EPS(1株あたりの利益)と配当性向

EPSは、2016年10月期の6.88円から2025年10月期の32.64円へ増えました。ピークは2023年10月期の32.94円で、最古年の約4.8倍です。単年で最も大きい減少は2024年10月期の▲12.2%にとどまり、▲30%を超える急落は一度もありません。8指標の「安定して増加傾向」を満たす、着実な右肩上がりです。2026年10月期の予想EPSは36.54円で、実現すれば過去最高になります(2026年10月期 中間期決算短信p.1)。

配当性向(利益のうち配当に回す割合)は12.1%から28.6%へ、ゆるやかに切り上がってきました。増配のペースがEPSの伸びを上回ってきたためです。それでも基準の50%に対して余力を残した水準で、2026年10月期の予想配当性向は30.1%です(中間期決算補足資料p.14)。

システム ディ EPSと配当性向の推移

営業活動によるCFと現金等

営業CF(本業で稼いだ現金)は、過去10年のレンジが2.0億〜15.0億円で、すべての年でプラスでした。利用料を先に受け取る前受収益と、毎年続くストック収益が現金の流れを下支えしています。

現金等(手元の現金)は、2016年10月期の2.7億円から2025年10月期の21.0億円へ、10年で約7.7倍になりました。進捗として、中間期末の現金及び現金同等物は19.0億円です。減ったのは余った資金を有価証券(株や債券など)での運用に振り替えたためで、流動資産の有価証券は10.0億円へ増えています(2026年10月期 中間期決算短信p.3・p.4)。

システム ディ 営業CFと現金等の推移

自己資本比率

自己資本比率(会社の資産のうち、返す必要のないお金でまかなえている割合)は、2025年10月期で68.0%でした。基準の40%を大きく上回ります。2016年10月期の46.4%から10年で21.6ポイント上がり、進捗としては中間期末で69.3%です(2026年10月期 中間期決算短信p.1)。

借入も小さく、中間期末の借入金は1年内返済分を含めて1.3億円まで減りました。手元の現金19.0億円に対して十分小さく、実質的に無借金に近い財務です(同p.5)。

システム ディ 自己資本比率の推移


注目ポイント

10年連続増配。年平均約30.8%のペースで、来期も実質増配の予想

1株あたりの配当は2016年10月期の0.83円から2025年10月期の9.33円へ、年平均約30.8%のペースで増えました。2026年10月期の予想11円は、分割前換算で32円から33円へ引き上げられた実質1円の増配予想です(2026年10月期 中間期決算短信p.1)。実施されれば11期連続になります。

ストック収益が売上の約半分。営業利益率は18.6%まで改善

サポート料やクラウド利用料として毎年入るストック収益は、中間期で14.7億円と売上の約49%を占めました(2026年10月期 中間期決算短信p.10)。営業利益率は10年で6.2%から18.6%へ改善し、会社がKPIとして重視する20%超えも中間期の実績では達成しています(中間期決算補足資料p.6)。

自己資本比率68.0%・営業CFは10年すべてプラス

自己資本比率は68.0%と基準の40%を大きく上回り、営業CFは過去10年すべてプラスでした。現金等も2.7億円から21.0億円へ約7.7倍になり、借入は1.3億円ほど。配当を払い続ける土台になる財務の健全さが際立ちます。

いっぽうで、中間期の利益や事業の偏りには確認しておきたい点もあります。次の「投資の留意点」でくわしく説明します。


投資の留意点

強みのある会社ですが、確認しておきたい点が3つあります。

第一に、中間期は増収でも利益が横ばいだった点です。売上高30.3億円(前年同期比+8.2%)に対し、営業利益は6.5億円と前年並み(同+0.0%)でした。人件費や賞与引当金の計上などで販管費が6.9億円(同+16.3%)に増えたためです。さらにソフトウェアと土地・建物の減損損失0.6億円を計上し、中間純利益は4.1億円(同▲8.1%)になりました(2026年10月期 中間期決算短信p.1・p.6・p.10)。なお通期予想(営業利益10.3億円・純利益7.0億円)は据え置きです(同p.3)。

第二に、学校・自治体など公共分野向けが売上の中心である点です。中間期の売上構成は学園36.4%・公教育29.9%・公会計8.6%で、合わせて約75%を占めます(中間期決算補足資料p.9)。4月稼働に合わせた年度末の納品に業績が偏りやすく、教育制度の変更や自治体予算の影響も受けます。また納品時に一括計上するフロー収益が中間期売上の約51%あり、案件の期ずれで四半期の業績が振れやすい構造です(2026年10月期 中間期決算短信p.10)。

第三に、時価総額が小さい小型株である点です。時価総額は約88億円(株価452円×発行済株式数19,494,000株で自前計算)で、売買のしやすさや株価の振れ幅には注意しておきたいところです。予想配当利回り2.43%は高配当といえる水準ではなく、配当性向30%前後を保ちながら、利益をソフト開発や公共施設マネジメントシステム「fmSMART」の事業譲受(基本合意)などに振り向ける、成長優先の配分といえます(2026年10月期 中間期決算短信p.2)。なお予想PERは約12.4倍です(株価452円÷予想EPS36.54円・自前計算)。


まとめ

システム ディ(3804)は、2025年10月期で10年連続増配となった、8指標すべてをクリアした連続増配株です。強みと留意点を3点ずつにまとめると、次のとおりです。

【強み】
✅ 10年連続増配。年平均約30.8%のペースで、2026年10月期も実質増配の予想
✅ ストック収益が売上の約半分。営業利益率は6.2%→18.6%へ改善
✅ 自己資本比率68.0%・営業CFは10年すべてプラス・現金等は約7.7倍

【留意点】
・中間期は増収でも営業利益が横ばい。減損損失0.6億円で中間純利益は▲8.1%
・学校・自治体向けが売上の約75%。年度末への納品集中や制度変更の影響を受けやすい
・時価総額約88億円の小型株。予想配当利回り2.43%は高配当水準ではない

10月に配当の権利が確定する銘柄です。速い増配ペースとストック収益の積み上がりが続くかを見ていきたい1社です。


連続増配株への投資を始めるには、証券口座が必要です。どの証券会社で始めるか迷っている方は、こちらの記事で楽天証券とSBI証券を比較しています。

楽天証券とSBI証券、連続増配株を始めるならどっち?

10年以上連続増配株一覧に戻る

※業績・配当・財務の数値は、システム ディの2026年10月期 中間期決算短信(2026年6月15日)、中間期決算補足資料(同日)およびIRBANKに基づきます(中間期の連結業績・配当の状況・株式分割の注記・通期の業績予想は短信p.1〜p.3、中間連結貸借対照表は同p.4・p.5、中間連結損益計算書は同p.6、キャッシュ・フロー計算書は同p.8、セグメント情報・減損損失は同p.9・p.10、株式分割の概要は同p.11。2025年10月期までの売上高・営業利益・通期計画・配当の推移は補足資料p.4〜p.9・p.13・p.14)。2018年5月1日付の株式分割と2018年10月期の配当性向17.6%は、2018年10月期 決算短信の「配当の状況」欄によります。株価・予想配当利回りはYahoo!ファイナンス(2026年7月31日時点)です。時価総額・予想PERは、株価452円と期末発行済株式数19,494,000株・予想EPS36.54円から桃モアイが算出しています(媒体によっては異なる基準を使うため、値が異なる場合があります)。

※本記事は情報提供を目的としており、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA