【16年連続増配】JCU(4975)を8指標分析

JCU(4975)連続増配株 8指標分析

最終更新日:2026年7月2日

16年連続増配・半導体めっき薬品で稼ぐ高収益メーカー(8つの指標すべてをクリア)

こんにちは。10年以上連続増配株の情報を発信している桃モアイです。

今回は3月・9月に配当権利が確定する連続増配株の1社、JCU(証券コード:4975)を私独自の8指標で分析しました。

結論から言うと、JCUは8つの指標すべてをクリア(オールクリア)でした。1株配当を増やし続けており、2026年3月期で16年連続増配となっています。営業利益率41.0%・自己資本比率87.1%と、本業の利益率と財務の健全性がともに高水準です。半導体パッケージ基板向けの薬品が業績をけん引しています。

📊 株価・利回りの基準日:2026年7月1日時点の値です
📊 財務指標は2026年3月期(実績)の数値を使用しています


JCUとはどんな会社?

JCUは、金属の表面を加工する「表面処理薬品」を主力とする化学メーカーです。プリント基板や半導体パッケージ基板に使う電子分野向けのめっき薬品と、自動車部品や水栓金具を飾る装飾向けのめっき薬品を、世界の工場に供給しています。1957年に創業し、現在は東証プライム市場に上場しています。

事業は薬品事業と装置事業の2つで、売上の約9割を薬品事業が占めます(2026年3月期は約269億円、全体の約91%)。薬品事業はさらに、半導体・プリント基板向けの「電子薬品」と、自動車部品・水栓向けの「装飾・機能薬品」に分かれます。なかでも、基板の微細な穴を銅で埋める「ビアフィリング薬品」が主力で、AIサーバーやスマートフォン、パソコン向けの需要が業績をけん引しています。

海外売上の比率が高いのも特徴です。薬品売上の約84%が海外向けで、主力は中国・台湾・韓国です。取引の多くは現地通貨建てのため、円安は利益の押し上げ要因になります(2026年3月期 決算説明資料)。

成長に向けた投資も進めています。熊本県に新拠点「熊本事業所」を2025年10月に竣工し、2026年から研究開発と試生産を始めました。半導体パッケージ向けの次世代めっき薬品(AIアクセラレータ向けなど)の開発にも力を入れています。

株主還元では、中期経営計画「JCU VISION 2035」のもとで、配当と自社株買いを合わせた総還元性向50%を目安に、安定した増配を続ける方針です。2027年3月期は1株配当を95円から180円へと大幅に引き上げる予想で、達成すれば17期連続増配となります(決算短信・決算説明資料)。

会社の基本情報は次のとおりです。

上場市場:東証プライム
業種:化学
決算月:3月
連続増配:16年(2026年3月期時点)
株価:7,760円(2026年7月1日時点)
予想配当利回り:2.32%(2027年3月期 会社予想ベース)
配当権利確定:3月・9月(年2回)


配当情報

JCUは1株あたりの配当を増やし続けており、2026年3月期で16年連続増配となりました(会社は予想を含めて「17期連続増配予定」と開示しており、2027年3月期の予想が実現すれば17年連続にあたります)。年間配当は2026年3月期の実績が95円(中間41円+期末54円)でした。2027年3月期の会社予想は180円(中間90円+期末90円)で、前期から85円の大幅増配となる見通しです。これは配当と自社株買いを合わせた総還元性向50%を目安とする株主還元方針にもとづくものです。

項目 内容
株価 7,760円(2026年7月1日時点)
予想配当利回り 2.32%(2027年3月期 会社予想ベース)
連続増配年数 16年(2026年3月期時点)
配当性向 26.0%(2026年3月期 実績)

出典:株価はYahoo!ファイナンス(2026年7月1日時点)、配当は2026年3月期 決算短信。予想配当利回りは2027年3月期の会社予想配当(180円)に基づきます。株価変動により利回りは変わります。配当性向は2026年3月期の実績で、年間配当95円÷EPS365.7円で約26.0%です。連続増配年数は2026年3月期で16年連続として数えています(2027年3月期予想が実現すれば17年連続。会社開示は「期」表記で「17期連続増配予定」)。

📌株式分割について:JCUは過去10年で2回の株式分割を行っています(効力発生日:2017年4月1日・2018年4月1日、いずれも1株→2株)。本記事のEPSと1株あたりの配当は、分割を反映した調整後の数値で表示しています。株価(7,760円)は調整していない現在の値です。

いちばん右の薄いグレーの棒は会社予想(2027年3月期)です。

JCU 1株あたりの配当の推移 16年連続増配

1株あたりの配当は2017年3月期の32.5円から2026年3月期は95円へと、過去10年で約2.9倍に増えました(2017年から2026年までの9年間で、年平均約12.7%の増配ペース)。とくに直近の2026年3月期は前期比+25%、2027年3月期の予想は同+89%と、増配ペースが加速しています。減配をはさまずに増配を続けている点が特徴です。


8指標分析の結果

ここからは、JCUを私独自の8指標で見ていきます。

8指標の詳しい説明はこちらの記事をご覧ください。

なお私が確認する8つの指標は、売上高・EPS(1株あたりの利益)・営業利益率・自己資本比率・営業活動によるCF(以下、営業CF)・現金等・1株あたりの配当・配当性向です。

指標 基準 JCU 判定
売上高 増加傾向 207.6億円→296.7億円(過去10年で約1.4倍)
EPS(1株あたりの利益) 安定して増加傾向 147.6円→365.7円(過去10年で約2.5倍、ピークは2026年3月期)
営業利益率 5%以上 41.0%
自己資本比率 40%以上 87.1%
営業活動によるCF 過去10年すべてプラス 全期間プラス(29.8〜90.3億円)
現金等 増加傾向 87.6億円→220.0億円(過去10年で約2.5倍)
1株あたりの配当 10年以上連続増配 16年連続増配
配当性向 50%以下 26.0%

※判定欄の✅は桃モアイ基準を満たした指標です。
※財務指標は2026年3月期(実績)。IRBANKおよび決算短信をもとに桃モアイが独自に分析。なお8指標の「増加傾向」「安定して増加傾向」は過去10年の長期トレンドで判定しており、一時的な減少はクリア扱いとしています。現金等は直近の2026年3月期に前期から減りましたが、過去10年では最新が最古を上回るためクリアとしています(減少は熊本事業所などの設備投資が主因です)。8指標すべてをクリア(オールクリア)。金額は億円未満を切り捨てて表示しています(売上高・現金等・営業CFは小数第1位まで)。投資判断の参考としてご活用ください。


グラフで見る業績の推移(過去10年・2017年〜2026年実績+2027年予想)

ここからは、過去10年の業績をグラフで確認していきます。薄いグレーの棒は会社予想(2027年3月期)です。

売上高と営業利益率

売上高は2017年3月期の207.6億円から、2026年3月期は296.7億円へと、過去10年で約1.4倍に増えました。半導体パッケージ基板向けの薬品需要が伸び、近年の成長をけん引しています。2027年3月期は334.0億円の会社予想です。営業利益率(売上に対する本業のもうけの割合)は、薬品事業の高い収益性を背景に高水準が続いています。2026年3月期は41.0%まで上昇し、桃モアイ基準の5%を大きく上回りました。

JCU 売上高と営業利益率の推移

EPS(1株あたりの利益)と配当性向

EPS(1株あたりの利益)は、2017年3月期の147.6円から2026年3月期は365.7円へと、過去10年で約2.5倍に伸びました。途中に景気や半導体市況の影響で一時的に下がった年もありますが、単年で30%を超える急落はなく、安定して右肩上がりです。配当性向(利益のうち配当に回す割合)は、過去10年でおおむね22〜32%台で推移し、2026年3月期は26.0%でした。桃モアイ基準の50%以下を安定して満たしています。なお2027年3月期は配当の大幅増により、会社予想ベースで50.4%まで上がる見込みです。

JCU EPSと配当性向の推移

営業活動によるCFと現金等

営業CF(本業で稼いだ現金)は、過去10年すべてプラスを確保しています。水準は29.8〜90.3億円で、直近の2026年3月期は90.3億円と過去最高でした。現金等(決算書の「現金及び現金同等物」)は、2017年3月期の87.6億円から2026年3月期は220.0億円へと、過去10年で約2.5倍に増えています。直近のピークは2025年3月期の248.1億円で、2026年3月期はそこから減りましたが、これは熊本事業所などの設備投資によるものです。

JCU 営業CFと現金等の推移

自己資本比率

自己資本比率(会社の資産のうち、返す必要のないお金でまかなえている割合)は、過去10年で70%台から80%台後半へと高まり、2026年3月期は87.1%でした。借入にほとんど頼らない、非常に健全な財務体質です。桃モアイ基準の40%を大きく上回っています。

JCU 自己資本比率の推移


注目ポイント

JCU VISION 2035のもとで16年連続増配・大幅増配

JCUは1株配当を増やし続けており、2026年3月期で16年連続増配となりました。中期経営計画「JCU VISION 2035」では、配当と自社株買いを合わせた総還元性向50%を目安に、安定した増配を続ける方針を掲げています。2027年3月期は配当を95円から180円へと大幅に引き上げる予想で、達成すれば17期連続増配となります。

高い営業利益率と健全な財務体質

営業利益率は41.0%と、桃モアイ基準の5%を大きく上回る高水準です。微細な加工に使う表面処理薬品は付加価値が高く、利益率が高くなりやすいのが特徴です。財務も堅く、自己資本比率は87.1%と借入にほとんど頼らない体質で、営業CFは過去10年すべてプラスを保っています。

半導体めっき薬品が成長をけん引

主力のビアフィリング薬品は、プリント基板や半導体パッケージ基板の銅めっきに使われ、AIサーバー・スマートフォン・パソコン向けの需要が伸びています。会社は熊本事業所の新設や、AIアクセラレータ向けの次世代めっき薬品の開発も進めており、半導体関連の成長を取り込もうとしています。これらが今後の収益の上積みにつながるかが、中長期の注目点です。

いっぽうで、業績の振れや配当性向には確認しておきたい点もあります。強みと合わせて見ておけるよう、次の「投資の留意点」でくわしく説明します。


投資の留意点

連続増配と財務は堅調ですが、確認しておきたい点が3つあります。

第一に、業績が半導体市況や為替の影響を受けやすい点です。JCUの主力は半導体・電子部品向けの薬品で、売上は市況によって上下します。実際、過去10年では2020年3月期や2024年3月期に前年割れの年もありました。海外売上の比率が高いため、為替の影響も受けます。円安は利益の追い風になる一方、円高に振れると利益を押し下げる点は確認しておきたいところです。

第二に、2027年3月期の配当性向が高まる見込みである点です。2026年3月期の配当性向は26.0%と低めですが、2027年3月期は配当の大幅増により、会社予想ベースで50.4%まで上がる見込みです。配当性向の上昇は、主に配当の大幅増によるものです。なお2027年3月期の純利益は88億円と、前期比▲3.0%の微減の会社予想です。利益の伸びが鈍ると、今後の増配の余地は配当性向しだいになる点に注意が必要です。

第三に、大型の設備投資が続いている点です。会社は熊本事業所など成長に向けた投資を進めており、設備投資の負担が大きくなっています。その影響もあり、現金等は直近のピーク(2025年3月期248.1億円)から2026年3月期は220.0億円へと一時的に減りました。財務は健全で、総資産・利益剰余金はむしろ増えていますが、これらの投資が実際に売上・利益の拡大につながるかは、今後の決算で確認していきたい点です。なお予想配当利回りは2.32%で、いわゆる高配当には届かない水準です。


まとめ

JCU(4975)は、2026年3月期で16年連続増配となった、8指標すべてをクリア(オールクリア)の連続増配株です。強みと留意点を3点ずつにまとめると、次のとおりです。

【強み】
✅ 16年連続増配。総還元性向50%目安・安定増配の方針で、2027年3月期は95→180円へ大幅増配予定
✅ 営業利益率41.0%・自己資本比率87.1%と、本業の利益率と財務の健全性がともに高水準
✅ 半導体パッケージ基板向けのビアフィリング薬品が成長をけん引。営業CFは10年すべてプラス

【留意点】
・売上・利益は半導体市況や為替の影響を受けやすく、前年割れの年もある
・2027年3月期は配当性向50.4%の見込み(実績は26.0%でクリア)
・熊本事業所など大型投資で現金等が直近一時減(248億→220億)。投資の成果は今後の決算で確認

配当権利確定は3月・9月。高い収益性と財務健全性、成長余地が魅力で、市況変動と為替が今後の変動要因です。


連続増配株への投資を始めるには、証券口座が必要です。どの証券会社で始めるか迷っている方は、こちらの記事で楽天証券とSBI証券を比較しています。

楽天証券とSBI証券、連続増配株を始めるならどっち?

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※会社概要・事業内容・成長戦略・株主還元方針(1957年12月創業・1968年4月設立、東証プライム、表面処理薬品・装置の製造販売、薬品事業約91%〔電子薬品・装飾機能薬品〕・装置事業約9%の構成、ビアフィリング薬品が主力、薬品売上の海外比率約84%〔中国・台湾・韓国が中心〕、熊本事業所2025年10月竣工・2026年研究開発/試生産開始、次世代めっき薬品の開発、JCU VISION 2035の総還元性向50%目安・安定増配方針、17期連続増配予定〔2027年3月期予想ベース〕)は、JCUの2026年3月期 決算短信〔日本基準・連結〕・2026年3月期 決算説明資料、および会社公式サイトのIR情報に基づきます。株式分割は過去10年で2回〔効力発生日:2017年4月1日・2018年4月1日、いずれも1株→2株〕で、EPS・配当は調整後で表示しています。財務指標(売上高・EPS・営業利益率・自己資本比率・営業CF・現金等・配当性向)はIRBANKおよび決算短信に基づき、配当性向は2026年3月期の年間配当95円÷EPS365.7円で約26.0%です。

※本記事は情報提供を目的としており、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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