【16年連続増配】ジーテクト(5970)を8指標分析

ジーテクト(5970)8指標分析 連続増配株

最終更新日:2026年7月2日

16年連続増配・自動車の車体を支えるグローバルプレス部品メーカー(8つの指標のうち6つをクリア)

こんにちは。10年以上連続増配株の情報を発信している桃モアイです。

今回は9月・3月に配当権利が確定する連続増配株の1社、ジーテクト(証券コード:5970)を私独自の8指標で分析しました。

結論から言うと、ジーテクトは8つの指標のうち6つをクリアでした(EPS・営業利益率が基準に届きませんでした)。2010年3月期以降、減配をはさまずに増配を続け、2026年3月期で16年連続増配となっています。自己資本比率59.9%・営業活動によるCFは過去10年すべてプラスと、財務は健全です。一方で、利益(EPS)の伸び方と営業利益率(4.7%)には確認しておきたい点があります。

📊 株価・利回りの基準日:2026年7月1日時点の値です
📊 財務指標は2026年3月期(実績)の数値を使用しています


ジーテクトとはどんな会社?

ジーテクトは、自動車の車体をつくるプレス部品メーカーです。車のボディを構成する骨格部品などを、金属の板を型でプレスして成形しています。ホンダを主要な得意先に、トヨタ・SUBARUなどへも供給しています。もともとは1996年4月に上場した菊池プレス工業で、2011年に高尾金属工業との合併を機に、現在の「ジーテクト」へ商号を変更しました。現在は東証プライム市場に上場しています。

事業は大きく3つで、構成は車体部品が約89%、金型・設備の販売や試作からなる車種開発が約9%、トランスミッション部品が約2%です(2026年3月期)。得意先別の売上はホンダが51.6%、トヨタが22.2%、SUBARUが10.5%です(2026年3月期)。生産拠点は日本・北米・欧州・アジア・中国・南米の6地域に広がり、北米が最大の市場(売上比率38.0%)になっています。

近年はEV(電気自動車)関連の売上が伸びています。2026年3月期のEV関連売上は前期比+72.6%で、全体に占める割合も5.8%へ高まりました。金型・設備などの車種開発売上も増えており、今後の収益の柱になるかが注目されています。

株主還元では、配当性向を30%以上とし、DOE(株主資本配当率。純資産に対する配当の割合)を2031年3月期までに3.0%以上にする目標を掲げています。2025年3月期にはDOE2.0%を当初計画より前倒しで達成しました。信用格付は、R&I(格付投資情報センター)がA-(安定的)としています。

会社の基本情報は次のとおりです。

上場市場:東証プライム
業種:輸送用機器
決算月:3月
連続増配:16年(2026年3月期時点)
株価:2,020円(2026年7月1日時点)
予想配当利回り:4.85%(2027年3月期 会社予想ベース)
配当権利確定:9月・3月(年2回)


配当情報

ジーテクトは2010年3月期以降、減配をはさまずに増配を続けており、2026年3月期で16年連続増配となりました。年間配当は2026年3月期の実績が96円(中間45円+期末51円)でした。2027年3月期の会社予想は98円(中間49円+期末49円)で、前期から2円の増配となる見通しです。会社は配当性向30%以上・DOE目標を掲げており、利益の増加に応じて配当を伸ばしてきました。2027年3月期の予想が実現すれば、17年連続となる見通しです。

項目 内容
株価 2,020円(2026年7月1日時点)
予想配当利回り 4.85%(2027年3月期 会社予想ベース)
連続増配年数 16年(2026年3月期時点)
配当性向 30.5%(2026年3月期 実績)

出典:株価はYahoo!ファイナンス(2026年7月1日時点)、配当は2026年3月期 決算短信。予想配当利回りは2027年3月期の会社予想配当(98円)に基づきます。株価変動により利回りは変わります。配当性向は2026年3月期の実績で、年間配当96円÷EPS314.31円で約30.5%です。連続増配年数は2010年3月期以降の連続増配に基づき、2026年3月期で16年連続として数えています(2027年3月期予想が実現すれば17年連続)。

いちばん右の薄いグレーの棒は会社予想(2027年3月期)です。

ジーテクト 1株あたりの配当の推移 16年連続増配

1株あたりの配当は2017年3月期の36円から2026年3月期は96円へと、過去10年で約2.7倍に増えました(2017年から2026年までの9年間で、年平均約11.5%の増配ペース)。減配を一度もはさまずに増配を続け、2027年3月期は98円の会社予想です。直近は1株あたりの利益(EPS)の伸びに合わせ、増配ペースが大きくなっています。


8指標分析の結果

ここからは、ジーテクトを私独自の8指標で見ていきます。

8指標の詳しい説明はこちらの記事をご覧ください。

なお私が確認する8つの指標は、売上高・EPS(1株あたりの利益)・営業利益率・自己資本比率・営業活動によるCF(以下、営業CF)・現金等・1株あたりの配当・配当性向です。

指標 基準 ジーテクト 判定
売上高 増加傾向 2,060億円→3,334億円(過去10年で約1.6倍)
EPS(1株あたりの利益) 安定して増加傾向 222.5円→314.3円(2020年3月期に131.3円まで下落)
営業利益率 5%以上 4.7%
自己資本比率 40%以上 59.9%
営業活動によるCF 過去10年すべてプラス 全期間プラス(140〜374億円)
現金等 増加傾向 181億円→372億円(過去10年で約2.0倍)
1株あたりの配当 10年以上連続増配 16年連続増配
配当性向 50%以下 30.5%

※判定欄の✅は桃モアイ基準を満たした指標、「-」は基準に届かなかった指標です。
※財務指標は2026年3月期(実績)。IRBANKのデータをもとに桃モアイが独自に分析。なお8指標の「増加傾向」「安定して増加傾向」は過去10年の長期トレンドで判定しており、一時的な減少はクリア扱いとしています。8指標のうち6つをクリア。EPSは2026年3月期がピーク(314.3円)ですが、2020年3月期に131.3円まで落ち込み、最古の年(222.5円)比で約1.4倍にとどまるため、「安定して増加傾向」には届きませんでした(一時的な利益の影響は投資の留意点で補足します)。営業利益率は4.7%で、基準の5%を下回りました。金額は億円未満を切り捨てて表示しています(売上高・現金等・営業CFは整数の「億円」)。投資判断の参考としてご活用ください。


グラフで見る業績の推移(過去10年・2017年〜2026年実績+2027年予想)

ここからは、過去10年の業績をグラフで確認していきます。薄いグレーの棒は会社予想(2027年3月期)です。

売上高と営業利益率

売上高は2017年3月期の2,060億円から、2026年3月期は3,334億円へと、過去10年で約1.6倍に増えました。2023年3月期に半導体不足からの回復で3,000億円台に乗せ、近年は3,300〜3,400億円台で推移しています。2027年3月期は3,590億円の会社予想です。営業利益率(売上に対する本業のもうけの割合)は、2017〜2019年は6〜7%台でしたが、2020年以降は3〜4%台に下がり、2026年3月期は4.7%でした。桃モアイ基準の5%をわずかに下回ります。なお2027年3月期は5.3%の会社予想です。

ジーテクト 売上高と営業利益率の推移

EPS(1株あたりの利益)と配当性向

EPS(1株あたりの利益)は、2017年3月期の222.5円から、2020年3月期に世界的な自動車販売の減速などで131.3円まで落ち込みました(前年の243.1円から約46%の減少)。その後は回復し、2026年3月期は314.3円と過去10年のピークになりました。ただ最古の年(222.5円)に対しては約1.4倍にとどまり、途中に大きな落ち込みがあったため、桃モアイ基準の「安定して増加傾向」には届いていません。配当性向(利益のうち配当に回す割合)は、過去10年でおおむね15〜37%で推移し、2026年3月期は30.5%でした。桃モアイ基準の50%に対して余裕があります。

ジーテクト EPSと配当性向の推移

営業活動によるCFと現金等

営業CF(本業で稼いだ現金)は、過去10年すべてプラスを確保しています。水準は140〜374億円で、2026年3月期は350億円でした(2022年3月期は運転資本の増加などで140億円まで縮小しています)。現金等(決算書の「現金及び現金同等物」)は、2017年3月期の181億円から2026年3月期は372億円へと、過去10年で約2.0倍に増えています。本業で安定して現金を生み出し、手元資金を積み上げてきました。

ジーテクト 営業CFと現金等の推移

自己資本比率

自己資本比率(会社の資産のうち、返す必要のないお金でまかなえている割合)は、過去10年でおおむね51〜63%で推移し、2026年3月期は59.9%でした。借入を一定活用しつつも、財務の健全性は高い水準です。桃モアイ基準の40%を安定して上回っています。R&Iの信用格付はA-(安定的)です。

ジーテクト 自己資本比率の推移


注目ポイント

配当性向30%以上・DOE目標を背景に2010年以来の16年連続増配

ジーテクトは2010年3月期以降、減配をはさまずに増配を続けており、2026年3月期で16年連続増配となりました。配当性向30%以上・DOE3.0%以上(2031年3月期まで)の目標のもと、利益の増加に応じて配当を伸ばす方針です。過去10年の増配ペースは年平均約11.5%と大きく、2027年3月期は98円の会社予想です。

自動車の車体を支えるグローバル供給網と高い財務健全性

車体プレス部品を世界6地域で生産・供給するグローバル体制が事業の土台です。財務面では自己資本比率59.9%、営業CFは過去10年すべてプラスを保ち、現金等も約2.0倍に増えました。R&Iの信用格付はA-(安定的)で、健全性は高い水準です。

配当の余力とEV・車種開発の伸び

配当性向は30.5%と、桃モアイ基準の50%に対して余裕があります。利益が伸びれば、増配を続ける余地が残っています。事業面では、EV関連の売上が2026年3月期に前期比+72.6%と伸び、構成比も5.8%へ高まりました。金型・設備などの車種開発売上も増えており、これらが今後の収益の柱になるかが、中長期の注目点です。

いっぽうで、利益(EPS)や本業のもうけ(営業利益率)には確認しておきたい点もあります。強みと合わせて見ておけるよう、次の「投資の留意点」でくわしく説明します。


投資の留意点

連続増配と財務は堅調ですが、確認しておきたい点が3つあります。

第一に、利益(EPS)が過去10年で安定した右肩上がりとはいえない点です。2020年3月期に約46%の大きな落ち込みがあり、直近のピーク314.3円も最古の年に対して約1.4倍にとどまります。また2026年3月期の利益には、為替差益・助成金や固定資産売却益などの一時的な利益も含まれます。連続増配は続いていますが、その土台となる利益の伸び方は確認しておきたいところです。

第二に、本業のもうけを示す営業利益率が桃モアイ基準を下回っている点です。2026年3月期の営業利益率は4.7%で、基準の5%にわずかに届きませんでした。2017〜2019年は6〜7%台でしたが、近年は3〜4%台で推移しています。自動車部品は競争が激しく、労務費や材料費の上昇の影響を受けやすい構造です。なお2027年3月期は5.3%の会社予想で、回復が見込まれていますが、実際に基準を上回るかは今後の決算で確認していきたい点です。

第三に、特定の得意先や自動車市況・為替の影響を受けやすい点です。最大の得意先はホンダで、売上の約52%を占めます(2026年3月期)。得意先の生産台数が減れば、業績への影響も大きくなります。地域別では、中国セグメントが2026年3月期に営業赤字となるなど、市場環境の影響も受けています。海外売上が大きいため、為替の変動も業績を左右します。なお予想配当利回りは4.85%と高めですが、これは予想PERが約7倍、PBRが約0.4倍と株価が低めに評価されていることも一因です。


まとめ

ジーテクト(5970)は、2026年3月期で16年連続増配となった、8指標のうち6つをクリアの連続増配株です。強みと留意点を3点ずつにまとめると、次のとおりです。

【強み】
✅ 2010年以来の16年連続増配(配当性向30%以上・DOE目標を背景に)
✅ 自動車の車体部品のグローバル供給網。自己資本比率59.9%・営業CFは10年すべてプラス・R&I A-
✅ 配当性向30.5%と余力があり、EV関連・車種開発も伸びている

【留意点】
・EPSは過去10年で安定した右肩上がりとはいえない(2020年に約46%の落ち込み)
・営業利益率4.7%で桃モアイ基準の5%を下回る
・ホンダ依存(約52%)や自動車市況・為替の影響を受けやすい

配当権利確定は9月・3月。財務の健全性と長い連続増配が魅力で、本業の利益率の回復が今後の焦点です。なお予想利回りは4.85%です。


連続増配株への投資を始めるには、証券口座が必要です。どの証券会社で始めるか迷っている方は、こちらの記事で楽天証券とSBI証券を比較しています。

楽天証券とSBI証券、連続増配株を始めるならどっち?

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※会社概要・事業内容・株主還元方針(1996年4月の上場・東証プライム、自動車の車体プレス部品を主力とする輸送用機器メーカー、車体部品約89%・車種開発約9%〔金型・設備販売+試作〕・トランスミッション部品約2%の構成、得意先ホンダ51.6%・トヨタ22.2%・SUBARU10.5%、EV関連売上比率5.8%〔前期比+72.6%〕、日本・北米・欧州・アジア・中国・南米の6地域〔北米が最大・売上比率38.0%〕、配当性向30%以上・2031年3月期にDOE3.0%以上の目標〔2025年3月期にDOE2.0%を前倒し達成〕、R&I格付A-〔安定的〕、株式分割は過去10年内になし〔2014年・2008年の窓外2回のみ〕)は、ジーテクトの2026年3月期 決算短信〔日本基準・連結〕・2026年3月期 決算説明会資料、および会社公式サイトのIR情報に基づきます。財務指標(売上高・EPS・営業利益率・自己資本比率・営業CF・現金等・配当性向)はIRBANKおよび決算短信に基づき、配当性向は2026年3月期の年間配当96円÷EPS314.31円で約30.5%です。

※本記事は情報提供を目的としており、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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