【12年連続増配】バリューHR(6078)を8指標分析

バリューHR(6078)連続増配株の8指標分析

最終更新日:2026年7月20日

12年連続増配・売上の90%がストック型、健康管理サービスの「バリューHR」

こんにちは。10年以上連続増配株の情報を発信している桃モアイです。会社の健康診断の予約から精算・結果管理までを丸ごと代行する「健診代行サービス」を軸に、売上の90%をストック型で稼ぐ会社があります。

今回は6月・12月に配当権利が確定する連続増配株の1社、バリューHR(証券コード:6078)を私独自の8指標で分析しました。

結論から言うと、バリューHRは8つの指標のうち5つをクリアしました。12年連続の増配と、過去10年で約3.9倍に伸びた売上が強みですが、EPS(1株あたりの利益)・自己資本比率・配当性向の3つは基準に届きませんでした。理由は、このあとひとつずつ分かりやすく説明します。

📊 株価・利回りの基準日:2026年7月17日時点の値です
📊 財務指標は2025年12月期(実績)の数値を使用しています


バリューHRとはどんな会社?

バリューHRは、2001年に設立された健康管理サービスの会社です。創業者の藤田美智雄社長がコンサルティング会社で健康保険組合の分割・設立業務に携わった経験をきっかけに創業しました。「健康情報のデジタル化と健康管理のインフラ企業」を事業ビジョンに掲げ、2013年10月にJASDAQ市場へ上場、2014年11月に東証二部を経て2016年12月に東証一部へ、2022年4月にプライム市場へ移行しています。

事業はバリューカフェテリア事業とHRマネジメント事業の2セグメントです。バリューカフェテリア事業(売上構成82.0%)は、自社開発の健康管理システム「バリューカフェテリア®システム」を土台に、健診予約・結果管理・特定保健指導・カフェテリアプラン(福利厚生ポイント)をワンストップで提供します。中でも健診の予約・精算・結果管理を代行する「健診代行サービス」が最も多く導入されています(決算説明資料p.48)。HRマネジメント事業(同18.0%)は、健康保険組合の新規設立支援コンサルティングと、運営事務のBPO(事務代行)・人材派遣です(構成比は2025年12月期・決算短信)。

強みは、全国4,000以上の健診機関と提携するネットワーク(決算説明資料p.43)と、システム利用料や事務代行など売上の90%を占めるストック型の収益構造です(同p.44)。サービスのユーザ数は322万人(2026年12月期第1四半期時点・前年同期比43万人増)へ拡大中です。

会社の基本情報は次のとおりです。

上場市場:東証プライム
業種:サービス業
決算月:12月
連続増配:12年(2025年12月期時点)
株価:1,514円(2026年7月17日時点)
予想配当利回り:1.85%(2026年12月期 会社予想配当28円ベース)
配当権利確定:6月・12月(年2回)


配当情報

バリューHRは増配を続けていて、2025年12月期で12年連続増配になりました。1株あたりの年間配当は、2025年12月期の実績で26円です(中間13円・期末13円)。2026年12月期の会社予想は28円(中間14.50円・期末13.50円。中間は2026年5月に1円の増額修正)で、実施されれば13期連続の増配となります。会社も「上場以来13期連続増配を目指します」と表明しています(2026年12月期 第1四半期決算説明資料p.31)。

配当の方針は、2025年12月期から「配当性向50%またはDOE10%(株主資本配当率=自己資本に対してどれだけ配当を出すかの割合)のいずれか高い方を基準とする累進配当方針」を導入しています(会社IRサイト・決算説明資料p.30)。なお株主優待(自社健康管理サービス「バリューカフェテリア」のポイント贈呈など)もありますが、本記事の利回りは配当のみで計算しています。

利益に対する配当の割合(配当性向)は110.5%と、桃モアイ基準の50%以下を大きく上回っています。この点は「投資の留意点」で説明します。

📌 バリューHRは2018年1月1日付・2020年4月1日付・2022年4月1日付で、それぞれ1株→2株の株式分割を実施しています(過去10年で3回・累積で1株→8株。このほか10年より前の2014年にも1株→2株)。本記事の配当額・EPSは、すべての分割をさかのぼって調整した「分割調整後」の基準で記載しています(株価は実際の取引価格のため調整しません)。

項目 内容
株価 1,514円(2026年7月17日時点)
予想配当利回り 1.85%(2026年12月期 会社予想配当28円ベース)
連続増配年数 12年(2025年12月期時点)
配当性向 110.5%(2025年12月期 実績)

出典:株価はYahoo!ファイナンス(2026年7月17日時点)、配当・配当性向は決算短信。予想配当利回りは2026年12月期の会社予想配当(1株28円・増額修正後)に基づき、株価の変動により変わります。配当性向は2025年12月期の実績(26円÷EPS23.54円=110.5%)で、決算短信の公表値と一致しています。連続増配年数は、2013年10月の上場後最初の決算期である2013年12月期を起点に、2014年12月期を増配1年目として実績ベースで12年と数えています(上場前の期は起点に含めていません)。

いちばん右の薄いグレーの棒は会社予想(2026年12月期)です。

バリューHR 1株あたりの配当の推移 12年連続増配

1株あたりの配当は、2016年12月期の4.44円から2025年12月期の26円まで増えました(分割調整後)。毎年ならすと約21.7%ずつ増やしてきた計算で、増配ペースはかなり速い部類です。2026年12月期は26円→28円と、約7.7%の増配予想です。


8指標分析の結果

ここからは、バリューHRを私独自の8指標で見ていきます。8指標の詳しい説明はこちらの記事をご覧ください。

なお私が確認する8つの指標は、売上高・EPS(1株あたりの利益)・営業利益率・自己資本比率・営業活動によるCF(以下、営業CF)・現金等・1株あたりの配当・配当性向です。

指標 基準 バリューHR 判定
売上高 増加傾向 25.7億円→100.7億円(過去10年で約3.9倍)
EPS(1株あたりの利益) 安定して増加傾向 9.7円→23.5円(ピーク37.0円から2期連続の減少)
営業利益率 5%以上 8.8%(直近期・実績)
自己資本比率 40%以上 37.7%(直近期・実績)
営業活動によるCF 過去10年すべてプラス 全期間プラス(過去10年のレンジは5.8億〜20.2億円)
現金等 増加傾向 16.1億円→48.3億円(過去10年で約3.0倍)
1株あたりの配当 10年以上連続増配 12年連続増配
配当性向 50%以下 110.5%(直近期・実績)

※判定欄の✅は桃モアイ基準を満たした指標、「-」は基準に届かなかった指標です。
※財務指標は2025年12月期(実績)。IRBANKおよび決算短信・決算説明資料をもとに桃モアイが独自に分析しています。「増加傾向」「安定して増加傾向」は過去10年の長期トレンドで判定し、一時的な減少はクリア扱いとしています。8指標のうち5つをクリアしました。EPSはピーク(2023年12月期37.0円)から2期連続で減少し、最新23.5円がピークの9割に届かないため基準を外れています。自己資本比率37.7%・配当性向110.5%は、いずれも基準(40%以上・50%以下)を満たしていません(このあとのグラフと投資の留意点で説明します)。EPSは決算短信の1株当たり当期純利益を使用しています(2025年12月期は23円54銭)。金額は表示桁未満を四捨五入しています。


グラフで見る業績の推移(過去10年・2016年12月期〜2025年12月期実績+2026年12月期予想)

ここからは、過去10年の業績をグラフで見ていきます。グラフは2016年12月期〜2025年12月期の実績で、会社予想のある系列は2026年12月期の予想もグレーで示しています。

売上高と営業利益率

売上高は、2016年12月期の25.7億円から2025年12月期の100.7億円へと、過去10年で約3.9倍に増えました。この10年は毎年増収です。2025年12月期は、システム利用料・健診事務代行サービス・特定保健指導が伸び、前の年より20.2%増えました(決算短信)。

営業利益率(売上に対する本業のもうけの割合)は過去10年8.8〜19.5%で推移し、直近は8.8%と基準の5%以上をクリアしています。2025年12月期の低下は、想定以上の顧客増加に対応する一時的な派遣・業務委託費と、内製化に向けた採用など先行投資の費用が重なったためです(決算短信)。2026年12月期の会社予想は15.0%です。

バリューHR 売上高と営業利益率の推移

EPS(1株あたりの利益)と配当性向

EPS(1株あたりの利益)は、過去10年で9.7円から23.5円になりました。ピークは2023年12月期の37.0円(最初の年の約3.8倍)まで伸びたものの、2024年12月期に▲20.0%、2025年12月期に▲20.5%と2期連続で減少し、最新はピークの6割強にとどまります。単年▲30%超の急落はありませんが、「安定して増加傾向」の桃モアイ基準には届きませんでした。2026年12月期の会社予想は39.31円と、過去最高の水準です。

配当性向は2022年12月期までおおむね35〜57%で推移していましたが、増配の継続と利益の減少が重なり、2023年12月期以降は64.8%→84.5%→110.5%と切り上がっています。2026年12月期の会社予想は71.2%です(増額修正後の28円÷予想EPS39.31円。グラフの破線)。

バリューHR EPSと配当性向の推移

営業活動によるCFと現金等

営業CF(本業で稼いだ現金)は、過去10年すべてプラスでした(レンジは5.8億〜20.2億円。最小は2020年12月期、最大は2024年12月期)。2025年12月期は15.8億円と前の年から減りましたが、これは利益の減少に加え、前の年に大きかった健診費用の預り金の増加幅が縮小したためです(決算短信)。現金等(手元の現金)は、2016年12月期の16.1億円から2025年12月期の48.3億円へと過去10年で約3.0倍に増えました。直近1年は3.6億円の減少ですが、借入の返済(4.8億円)や配当の支払い(7.0億円)など財務面の支出が主因で、本業の現金創出はプラスを保っています(決算短信)。

バリューHR 営業CFと現金等の推移

自己資本比率

自己資本比率(会社の資産のうち、返す必要のないお金でまかなえている割合)は、2016年12月期の40.4%から2018年12月期に21.0%へ低下し、2021年12月期以降は5期連続で上昇して直近37.7%です。基準の40%以上には一歩届きません。低下の主因は総資産側で、自社ビル「バリューHR代々木ビル」(2020年12月竣工)など不動産への大型投資を長期借入でまかなったためです。2025年12月期末も土地・建物約81.6億円を担保とする長期借入金が約50.1億円(1年内返済分を含む)残ります(決算短信)。一方、自己資本の額自体は増え続けており、比率も改善傾向です。

バリューHR 自己資本比率の推移


注目ポイント

売上の90%がストック型、ユーザ数は322万人へ拡大

収益の中心は、システム利用料や健診事務代行など毎年積み上がるストック型で、売上の90%を占めます(決算説明資料p.44)。バリューカフェテリア事業のユーザ数は322万人(2026年12月期第1四半期・前年同期比15.4%増)へ増え、特定保健指導数も第1四半期に9,800件と前年同期比51%増えるなど、顧客基盤の拡大が続いています(第1四半期決算説明資料p.8〜9)。

2026年12月期は営業利益+86.9%で過去最高益の更新を計画

2026年12月期は売上高110億円(9.3%増)・営業利益16.5億円(86.9%増)と、最高益更新を計画しています(決算短信)。2025年に膨らんだ派遣・業務委託費を通期で5億円削減する計画で、第1四半期時点では削減が計画どおり進んでいると会社は説明しています(第1四半期決算説明資料p.6・p.19)。

健保設立支援シェア46%で業界No.1、送客支援など新領域も

HRマネジメント事業では、健康保険組合の設立支援の実績シェアが46%と業界No.1です(健康保険組合連合会データからの会社推計・2020〜2023年、決算説明資料p.50)。健保職員の定年退職や人材不足を背景にBPOの需要が増えており、2025年12月にはBPOセンターを青森県弘前市に新設しました。健診機関へ受診者を紹介する「送客支援サービス」も、約1兆円の健診・人間ドック市場(矢野経済研究所・2025年調査)を狙う成長領域と位置づけています(同p.27〜28)。

いっぽうで、利益(EPS)や配当性向、自己資本比率には確認しておきたい点もあります。次の「投資の留意点」で説明します。


投資の留意点

強みのある会社ですが、確認しておきたい点が3つあります。

第一に、配当性向が110.5%と、基準の50%を大きく超える点です。会社の方針そのものが「配当性向50%またはDOE10%のいずれか高い方を基準とする累進配当」で、利益の5割以上を配当に回す高還元の設計です。2025年12月期は利益の減少も重なり、配当が利益を上回りました。累進配当(減配せず維持または増配する方針)のため急な減配は想定しにくい一方、利益の回復が伴わないと増配の余力は乏しくなります。2026年12月期の予想ベースでも71.2%(増額修正後28円÷予想EPS39.31円)と、基準の50%を超える見込みです。

第二に、EPSが2期連続で減少し、今期の増益計画が下期偏重である点です。2024年12月期▲20.0%・2025年12月期▲20.5%の減少は、採用や一時的な派遣・業務委託費など先行投資が主因です。2026年12月期はEPS39.31円(66.9%増)と過去最高を計画しますが、第1四半期の営業利益は前年同期比▲21.5%で、会社は通期利益の進捗を上期21.5%・下期78.5%と見込みます(第1四半期決算説明資料p.17)。計画の達成は第2四半期以降の挽回が前提です。

第三に、自己資本比率が37.7%と基準の40%に届かず、長期借入を抱える点です。自社ビルなどの不動産投資に伴う長期借入金が約50.1億円(1年内返済分を含む)残り、借入には純資産の維持などの財務制限条項も付いています(決算短信)。もっとも比率は2021年12月期以降5期連続で上昇しており、自己資本の額自体も増えています。改善の方向が続くかを確認したいところです。


まとめ

バリューHR(6078)は、健診代行と健保の運営支援を手がける健康管理サービスの会社で、2025年12月期で12年連続増配となった、8指標のうち5つをクリアした連続増配株です。強みと留意点を3点ずつにまとめると、次のとおりです。

【強み】
✅ 売上は過去10年で約3.9倍・毎年増収、売上の90%がストック型
✅ 2026年12月期は営業利益86.9%増で過去最高益の更新を計画
✅ 健保設立支援シェア46%で業界No.1、現金等は過去10年で約3.0倍

【留意点】
・配当性向110.5%と基準の50%を大きく超える(予想ベースも71.2%)
・EPSは2期連続で20%前後の減少、今期計画は下期の挽回が前提
・自己資本比率37.7%と40%に一歩届かず、長期借入約50.1億円が残る

6月・12月に配当の権利が確定する銘柄です。2026年12月期の最高益計画どおりに利益が戻り、配当性向が落ち着いてくるかをチェックしていきたい1社です。


連続増配株への投資を始めるには、証券口座が必要です。どの証券会社で始めるか迷っている方は、こちらの記事で楽天証券とSBI証券を比較しています。

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※業績・セグメント・キャッシュフロー・貸借対照表・配当の数値は、バリューHRの2025年12月期 決算短信および2026年12月期 第1四半期決算短信・決算説明資料に基づきます(該当ページは本文中に記載)。過去10年の各指標はIRBANKと決算短信を突合し、増減率の機械照合で確認しています。EPSは2024年・2025年12月期は決算短信の1株当たり当期純利益(29円60銭・23円54銭)を使用し、それ以前はIRBANKの分割調整後系列です。2018年・2020年・2022年12月期の配当性向はIRBANK上に表示がないため、調整後の年間配当÷EPSとして桃モアイが算出しました。株式分割(2018年1月1日付・2020年4月1日付・2022年4月1日付、各1株→2株)は会社IRサイトの表記に基づきます。配当方針・担保額・長期借入金・財務制限条項は決算短信および決算説明資料p.30、健診・人間ドック市場規模は矢野経済研究所の調査(2025年)によります。株価・予想配当利回りはYahoo!ファイナンス(2026年7月17日時点)によります。

※本記事は情報提供を目的としており、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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