【12年連続増配】ブルボン(2208)を8指標分析

ブルボン(2208)連続増配株の8指標分析

最終更新日:2026年7月26日

12年連続増配・「アルフォート」を生んだ創立100年のお菓子メーカーブルボン

こんにちは。10年以上連続増配株の情報を発信している桃モアイです。「アルフォート」や「ルマンド」など、スーパーやコンビニでおなじみのお菓子を100年つくり続けてきた会社があります。2024年に創立100周年を迎え、2026年3月期は過去最高の売上高と利益を更新しました。

今回は3月と9月に配当権利が確定する連続増配株の1社、ブルボン(証券コード:2208)を私独自の8指標で分析しました。

結論から言うと、ブルボンは8つの指標のうち7つをクリアしました。12年連続の増配と、配当性向17.2%という厚い増配余力が強みですが、利益(EPS)の推移には確認しておきたい点もあります。理由も含めて、このあとひとつずつ分かりやすく説明します。

📊 株価・利回りの基準日:2026年7月24日時点の値です
📊 財務指標は2026年3月期(実績)の数値を使用しています


ブルボンとはどんな会社?

ブルボンは、新潟県柏崎市に本社を置くお菓子メーカーです。1924年に創立され、2024年に100周年を迎えました。「アルフォート」「ルマンド」などのビスケットを中心に、チョコレート、「フェットチーネグミ」などのキャンデー、米菓・スナック、飲料・冷菓まで幅広く手がけます。事業は食品の製造・販売の単一セグメントです。

主軸のビスケット部門は、ビスケットクラッカー市場で売上No.1です(インテージSRI+ 2024年4月〜2025年3月 累計販売金額)。近年は成長市場のグミや冷菓など、新しい市場への展開で成長を加速しています。海外はアメリカ・中国の子会社に加え、2025年6月にベトナムの販売子会社を設立しました。現在は東証スタンダード市場に上場しています。

会社の基本情報は次のとおりです。

上場市場:東証スタンダード
業種:食料品
決算月:3月
連続増配:12年(2026年3月期時点)
株価:3,160円(2026年7月24日時点)
予想配当利回り:1.39%(2027年3月期 会社予想配当44円ベース)
配当権利確定:3月・9月(年2回)


配当情報

ブルボンは増配を続けていて、2026年3月期で12年連続増配になりました。1株あたりの年間配当は、2026年3月期が42円(中間20円+期末22円)、2027年3月期の会社予想は2円増配の44円です。実施されれば13期連続の増配です。

配当の方針は「安定配当を継続すること」が基本で、将来的に連結配当性向30%を目安とした還元を目指すとしています(決算説明資料)。配当性向(利益のうち配当に回す割合)は2026年3月期の実績で17.2%と、基準の50%以下に大きく収まっています。

項目 内容
株価 3,160円(2026年7月24日時点)
予想配当利回り 1.39%(2027年3月期 会社予想配当44円ベース)
連続増配年数 12年(2026年3月期時点)
配当性向 17.2%(2026年3月期 実績)

出典:株価はYahoo!ファイナンス(2026年7月24日時点)、配当は決算短信・決算説明資料。予想配当利回りは株価の変動により変わります。配当性向は2026年3月期の実績(配当42円÷EPS244.61円=17.2%)です。連続増配年数は、2015年3月期を増配1年目として、記念配当を含む年間配当の総額ベースで12年と数えています。2025年3月期の記念配当10円(創立100周年)は決算短信の配当注記に基づきます。

いちばん右の薄いグレーの棒は会社予想(2027年3月期)です。

ブルボン 1株あたりの配当の推移 12年連続増配

1株あたりの配当は、2017年3月期の19円から2026年3月期の42円まで増えました。毎年ならすと約9.2%ずつ増やしてきた計算です。2014年3月期までは13円の据え置きが続きましたが、2015年3月期から増配に転じ、直近2期は10円・5円と増配の幅を広げています。なお2025年3月期の37円には、創立100周年の記念配当10円を含みます(2026年3月期の42円は普通配当のみで、年間の総額は毎期増えています)。


8指標分析の結果

ここからは、ブルボンを私独自の8指標で見ていきます。

8指標の詳しい説明はこちらの記事をご覧ください。

なお私が確認する8つの指標は、売上高・EPS(1株あたりの利益)・営業利益率・自己資本比率・営業活動によるCF(以下、営業CF)・現金等・1株あたりの配当・配当性向です。

指標 基準 ブルボン 判定
売上高 増加傾向 1,129億円→1,203億円(直近4期連続の増収・過去最高)
EPS(1株あたりの利益) 安定して増加傾向 152.0円→244.6円(過去10年で約1.6倍)
営業利益率 5%以上 6.2%(直近期・実績)
自己資本比率 40%以上 66.3%(直近期・実績)
営業活動によるCF 過去10年すべてプラス 全期間プラス(21.1億〜104.2億円)
現金等 増加傾向 129.9億円→208.2億円(過去10年で約1.6倍)
1株あたりの配当 10年以上連続増配 12年連続増配
配当性向 50%以下 17.2%(直近期・実績)

※判定欄の✅は桃モアイ基準を満たした指標、「-」は基準に届かなかった指標です。
※財務指標は2026年3月期(実績)。IRBANKおよび決算短信・決算説明資料をもとに桃モアイが独自に分析しています。「増加傾向」「安定して増加傾向」は過去10年の長期トレンドで判定し、一時的な減少はクリア扱いとしています。2026年3月期は増収増益で、過去最高の売上高と利益を更新しました。8指標のうち7つをクリア。EPSは、2020年3月期と2023年3月期に単年で▲30%を超える急落があり、「安定して増加傾向」の基準に届きませんでした。売上高の2022年3月期の減少は、新収益認識基準の適用による会計上のもので、実質的な需要の減少ではありません。EPSは決算短信の値を使用しています(2025年3月期はIRBANK表示の231.16円とはわずかな差)。金額は原則として億円未満を切り捨て、営業CF・現金等は0.1億円単位で表示しています。投資判断の参考としてご活用ください。


グラフで見る業績の推移(過去10年・2017年〜2026年実績+2027年予想)

ここからは、過去10年の業績をグラフで見ていきます。会社予想のある系列は、いちばん右にグレーで2027年3月期の予想を示しています。

売上高と営業利益率

売上高は、2017年3月期の1,129億円から2026年3月期の1,203億円へ増え、直近は4期連続の増収で過去最高を更新しました。グラフの2022年3月期が大きく減って見えるのは、新収益認識基準という会計ルールの適用によるもので、実質的な需要の減少ではありません。営業利益率(売上に対する本業のもうけの割合)は過去10年1.7〜6.6%で推移し、5%を超えたのは直近2期です。価格改定と販売数量の増加で原材料高を吸収し、収益性が改善しました(決算短信)。2027年3月期の会社予想は売上1,266億円・営業利益率4.6%と、増収ながら基準をやや下回る計画です。

ブルボン 売上高と営業利益率の推移

EPS(1株あたりの利益)と配当性向

EPSは、2017年3月期の152.0円から2026年3月期の244.6円へと、過去10年で約1.6倍になり、直近2期は過去最高の水準です。ただ途中には、2020年3月期に▲39.8%、2023年3月期に▲67.5%と、単年で30%を超える急落が2回ありました。2023年3月期はカカオ豆をはじめとする原材料価格の高騰などで利益が大きく圧縮された年です。この振れの大きさが、8指標でEPSだけ「-」とした理由です。配当性向は12.5〜57.0%で推移し、EPSが急落した2023年3月期に57.0%へ跳ねたほかは、おおむね10〜20%台に収まっています。2027年3月期の会社予想はEPS169.62円・配当性向25.9%です。

ブルボン EPSと配当性向の推移

営業活動によるCFと現金等

営業CF(本業で稼いだ現金)は、過去10年すべてプラスでした(最小は2023年3月期の21.1億円、最大は2018年3月期の104.2億円)。利益の減少などで振れる年はありますが、直近の2026年3月期は92.8億円としっかり稼いでいます。現金等(手元の現金)は、2017年3月期の129.9億円から2026年3月期の208.2億円へと過去10年で約1.6倍に増えました。設備投資や配当を続けながら、手元資金も積み上がっています。

ブルボン 営業CFと現金等の推移

自己資本比率

自己資本比率(会社の資産のうち、返す必要のないお金でまかなえている割合)は、過去10年55.3〜66.3%で推移し、直近は66.3%と10年で最も高い水準です。有利子負債は少なく、営業CFに対する有利子負債の比率は0.3年分にとどまります(決算短信)。工場など生産設備への投資を続けながらも、財務の健全性を保っています。

ブルボン 自己資本比率の推移


注目ポイント

「アルフォート」「ルマンド」——市場売上No.1のロングセラー・ブランド力

ブルボンの収益の中核は、「アルフォート」「ルマンド」などのロングセラー商品です。主軸のビスケット部門は、ビスケットクラッカー市場で売上No.1の地位にあります(インテージSRI+ 2024年4月〜2025年3月 累計販売金額)。さらに「フェットチーネグミ」で成長市場のグミを取り込み、「ルマンドアイス」などの冷菓や飲料にも展開するなど、多カテゴリーで稼ぐ体制です(決算説明資料)。

過去最高の売上高・利益を更新

2026年3月期は増収増益で、売上高・利益とも過去最高を更新しました(決算短信)。国内売上は3年間で約23%、海外売上は約35%伸びています(決算説明資料p.9)。カカオ豆など原材料価格の高騰が続くなかでも、価格改定と販売数量の増加でコスト上昇を吸収し、営業利益率は6.2%まで改善しました。

配当性向17.2%——厚く残る増配余力

配当性向は17.2%と低く、自己資本比率66.3%・現金等208.2億円・営業CF10年連続プラスの財務が増配を支えます。直近2期は10円・5円と増配の幅を広げ、2027年3月期も減益予想のなかで2円増配の44円を計画しています。将来的に連結配当性向30%を目安とする方針で、利益が伸びれば配当の伸びしろも大きい水準です。

いっぽうで、利益(EPS)や来期の業績には確認しておきたい点もあります。次の「投資の留意点」で分かりやすく説明します。


投資の留意点

強みのある会社ですが、確認しておきたい点が3つあります。

第一に、2027年3月期は増収減益の会社予想である点です。売上は1,266億円へ5.2%伸びる計画ですが、営業利益は▲22.6%・純利益は▲30.7%の減益予想です。カカオ豆など原料価格の高止まりに加え、原油価格の上昇に伴う包装材料費の高騰の長期化を想定しています(決算短信・説明資料)。減益でも44円への増配を予想していますが、利益の下振れが続かないかは要チェックです。

第二に、EPSの振れが大きい点です。過去10年で単年▲30%を超える急落が2回あり、8指標ではEPSを「-」としました。食品メーカーとして原材料価格の影響を受けやすく、2023年3月期には営業利益率が1.7%まで低下しました。増配は続いていますが、利益の安定性はまだ道半ばです。

第三に、国内市場の成長鈍化への対応はこれからという点です。会社自身が、少子高齢化・人口減少による国内市場の成長鈍化を課題に挙げています(中期経営計画)。売上の長期トレンドは10年で約1.1倍と緩やかで、海外売上比率の引き上げを「変えること」として掲げた段階です。ベトナム法人設立などの海外展開が実を結ぶかに注目です。


まとめ

ブルボン(2208)は、「アルフォート」などのロングセラーを持つ創立100年のお菓子メーカーで、2026年3月期で12年連続増配となった、8指標のうち7つをクリアした連続増配株です。強みと留意点を3点ずつにまとめると、次のとおりです。

【強み】
✅ ビスケットクラッカー市場売上No.1のブランド力で、過去最高の売上高・利益を更新
✅ 配当性向17.2%・自己資本比率66.3%と、増配余力が厚い
✅ 営業CFは過去10年すべてプラスで、現金等は208.2億円に増加

【留意点】
・EPSは単年▲30%超の急落が過去10年で2回と、振れが大きい
・2027年3月期は原材料高の影響で増収減益の会社予想
・国内市場の成長鈍化への対応(海外展開)はこれから

3月と9月に配当の権利が確定する銘柄です。予想利回りは1.39%で、原材料高のなかでも利益と増配を積み上げられるかを、これからの決算で見ていきたい1社です。


連続増配株への投資を始めるには、証券口座が必要です。どの証券会社で始めるか迷っている方は、こちらの記事で楽天証券とSBI証券を比較しています。

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※業績・配当方針・海外展開などは、ブルボンの2026年3月期決算短信、2026年3月期決算説明資料(2026年4月28日)に基づきます。過去10年の各系列はIRBANKと突合し、EPSは決算短信の値を使用しています(2025年3月期はIRBANK表示の231.16円とはわずかな差)。ビスケットクラッカー市場売上No.1はインテージSRI+(2024年4月〜2025年3月 累計販売金額・決算説明資料)に基づきます。株価・予想配当利回りはYahoo!ファイナンス(2026年7月24日時点)です。

※本記事は情報提供を目的としており、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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