最終更新日:2026年7月29日
11年連続増配・M&Aで918店舗へ、配当性向の目安を40%に引き上げ
こんにちは。10年以上連続増配株の情報を発信している桃モアイです。日用品から園芸用品、木材や工具までそろうホームセンター「DCM」。カーマ、ダイキ、ホーマックといった店名を2022年9月に「DCM」へ統一し、北海道から九州まで全国に店舗を広げてきた会社があります。2025年はエンチョーとホームテックが相次いでグループに加わり、店舗数は前期末の843店舗から918店舗になりました(決算短信p.2、決算説明資料p.8)。
今回は8月・2月に配当権利が確定する連続増配株の1社、DCMホールディングス(証券コード:3050)を私独自の8指標で分析しました。
結論から言うと、DCMホールディングスは8指標のうち7つをクリアしました。11年連続の増配と、44.4%まで戻した自己資本比率が特徴です。いっぽうで、営業活動によるCFだけは過去10年で1度マイナスの年があり、基準に届きませんでした。理由も含めて、このあとひとつずつ分かりやすく説明します。
📊 株価・利回りの基準日:2026年7月28日時点の値です
📊 財務指標は2026年2月期(実績)の数値を使用しています
DCMホールディングスとはどんな会社?
DCMホールディングスは、東京都品川区に本社を置くホームセンター最大手グループの持株会社です。2006年9月にカーマ、ダイキ、ホーマックの3社が経営統合し、DCM Japanホールディングス株式会社として設立されました。2010年6月に現在の社名へ変更し、東証プライムに上場しています(沿革)。自社では店舗を運営せず、子会社の事業活動を指揮・管理する純粋持株会社という形をとっています(会社概要)。
決算短信の報告セグメントは「ホームセンター事業」と「エクスプライス事業」の2つです。ホームセンター事業の中心はDCM株式会社の656店舗で、ほかに工具・作業用品の専門店ホダカが73店舗、小型店のDCMニコットが116店舗あります。ここに2025年に加わったエンチョー53店舗とホームテック20店舗を足して、2026年2月末の店舗数は918店舗です(決算説明資料p.8)。エクスプライス事業は家電を中心としたEC(ネット通販)で、売上高は657億円でした(同p.6)。
商品部門で最も大きいのは、工具や木材、建築資材などのホームインプルーブメント部門で1,082億円(構成比20.3%)。次いで洗剤や食品などのハウスキーピング部門が800億円、園芸部門が766億円と続きます(決算短信p.20)。自社で企画するプライベートブランドの売上高構成比は27.0%まで上がり、値入率の改善につながっています(決算説明資料p.11・p.12)。
会社の基本情報は次のとおりです。
上場市場:東証プライム
業種:小売業
決算月:2月
連続増配:11年(2026年2月期時点)
株価:1,553円(2026年7月28日時点)
予想配当利回り:3.09%(2027年2月期 会社予想配当48円ベース)
配当権利確定:8月・2月(年2回)
配当情報
DCMホールディングスは増配を続けていて、2026年2月期で11年連続増配になりました。1株あたりの年間配当は、2026年2月期の実績で47円(中間23円+期末24円)です。2027年2月期の会社予想は48円(中間24円+期末24円)で、予想どおりなら12期連続の増配になります(決算短信p.4)。
注目したいのは配当方針の変更です。会社はこれまで連結配当性向35%を目安としてきましたが、2027年2月期から40%へ引き上げると決めました。あわせて自己株式の取得も継続して検討し、配当と自己株式取得を合わせた総還元性向は70%を目指すとしています(決算短信p.4、決算説明資料p.38)。2025年12月29日からは55億円を上限とする自己株式の取得を進めています(同p.16)。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 株価 | 1,553円(2026年7月28日時点) |
| 予想配当利回り | 3.09%(2027年2月期 会社予想配当48円ベース) |
| 連続増配年数 | 11年(2026年2月期時点) |
| 配当性向 | 37.0%(2026年2月期 実績) |
出典:株価はYahoo!ファイナンス(2026年7月28日時点)、配当は決算短信および決算説明資料。予想配当利回りは2027年2月期の会社予想配当48円に基づき、株価の変動により変わります。配当性向は2026年2月期の実績(47円÷EPS127.02円=37.0%)で、決算短信の公表値と一致します。連続増配年数は配当実績ベースで、2016年2月期を増配1年目として11年と数えています(2015年2月期は20円で据え置き)。会社の決算説明資料も「11期連続増配中」と記載しています(p.38)。過去10年で株式分割・株式併合はありません。
いちばん右の薄いグレーの棒は会社予想(2027年2月期)です。

1株あたりの配当は、2017年2月期の24円から2026年2月期の47円まで増えました。毎年ならすと約7.8%ずつ増やしてきた計算です。とくに2023年2月期以降は40円→42円→45円→47円と、増配の幅が大きくなっています。
8指標分析の結果
ここからは、DCMホールディングスを私独自の8指標で見ていきます。
8指標の詳しい説明はこちらの記事をご覧ください。
なお私が確認する8つの指標は、売上高・EPS(1株あたりの利益)・営業利益率・自己資本比率・営業活動によるCF(以下、営業CF)・現金等・1株あたりの配当・配当性向です。
| 指標 | 基準 | DCMホールディングス | 判定 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 増加傾向 | 4,433億円→5,423億円(過去10年で約1.2倍) | ✅ |
| EPS(1株あたりの利益) | 安定して増加傾向 | 84.31円→127.02円(ピークは2024年2月期の159.49円で最古年の約1.9倍。単年▲30%超の急落なし) | ✅ |
| 営業利益率 | 5%以上 | 5.72%(直近期・実績) | ✅ |
| 自己資本比率 | 40%以上 | 44.4%(直近期・実績) | ✅ |
| 営業活動によるCF | 過去10年すべてプラス | 過去10年のレンジは▲37億〜452億円(うち1年がマイナス) | - |
| 現金等 | 増加傾向 | 115億円→850億円(過去10年で約7.4倍) | ✅ |
| 1株あたりの配当 | 10年以上連続増配 | 11年連続増配 | ✅ |
| 配当性向 | 50%以下 | 37.0%(直近期・実績) | ✅ |
※判定欄の✅は桃モアイ基準を満たした指標、「-」は基準に届かなかった指標です。
※財務指標は2026年2月期(実績)。IRBANKおよび決算短信・決算説明資料をもとに桃モアイが独自に分析しています。「増加傾向」「安定して増加傾向」は過去10年の長期トレンドで判定し、一時的な減少はクリア扱いとしています。2026年2月期は減収で、営業利益は310億円(前期比▲6.7%)と減益でした。純利益は173億円(同+1.0%)と増益を確保しています。8指標のうち7つをクリア。営業CFは2022年2月期が▲37億円だったため、この1つだけ基準に届きませんでした。
※本記事の売上高は、決算短信の「営業収益」(売上高+不動産賃貸収入)を使っています。DCMは賃貸収入を営業収入として別掲するため、2026年2月期は売上高5,331億円+不動産賃貸収入92億円=営業収益5,423億円です。営業利益率も同じ営業収益を分母にした5.72%で、短信が載せる売上高ベースの営業利益率は5.8%です。
※2023年2月期の期首から「収益認識に関する会計基準」を適用しており、同期の売上高には▲113億円の影響が含まれます(統合報告書2023 財務ハイライト)。金額は億円未満を切り捨てて表示しています。投資判断の参考としてご活用ください。
グラフで見る業績の推移(過去10年・2017年〜2026年実績+2027年予想)
ここからは、過去10年の業績をグラフで見ていきます。年はいずれも2月期です。会社予想のある系列は、いちばん右にグレーで2027年2月期の予想を示しています。
売上高と営業利益率
売上高(営業収益)は、2017年2月期の4,433億円から2026年2月期の5,423億円へ、過去10年で約1.2倍になりました。伸びをけん引したのはM&Aです。2023年2月期にエクスプライス、2024年2月期にケーヨー、そして2026年2月期にエンチョーが加わり、そのつど規模が一段上がっています。
ただし2026年2月期は5,423億円で、前期比▲0.4%の減収でした。エンチョーの連結で上積みがあった一方、既存店の売上高が前期比▲4.2%と落ち込んだためです。防災用品・防犯用品の需要が前年の反動を受けたことが大きく影響しました(決算説明資料p.7、決算短信p.2)。2027年2月期の会社予想は5,773億円(+6.5%)で、エンチョーの通期寄与が主な増加要因です。
営業利益率(売上に対する本業のもうけの割合)は、2017年2月期の4.43%から2026年2月期の5.72%へ、10年でおよそ1.3ポイント上がりました。桃モアイ基準の5%を初めて上回ったのは2021年2月期です。ピークは2022年2月期の6.89%で、そこからは人件費や物流コストの上昇を受けて低下しています。2027年2月期の会社予想は5.40%です。

EPS(1株あたりの利益)と配当性向
EPSは、2017年2月期の84.31円から2026年2月期の127.02円へ約1.5倍になりました。単年で30%を超える急落はなく、8指標では✅としています。
目立つのは2024年2月期の159.49円です。この期は経常利益が274億円(前期比▲7.3%)と減った一方、特別損益がプラスに寄与し、純利益は214億円(同+18.3%)まで増えました(2024年2月期 決算短信)。翌2025年2月期は純利益が171億円に戻り、EPSも128.01円になっています。直近5年は125〜159円のレンジで、大きく伸びてはいない点は押さえておきたいところです。
配当性向(利益のうち配当に回す割合)は25.1%から37.0%の間で動いてきました。基準の50%を下回る水準です。2021年2月期の25.1%を底に、増配のペースが利益の伸びを上回ったことで、直近は37.0%まで上がっています。2027年2月期の予想配当性向は38.2%で、会社が新たに掲げる目安40%に近づく計算です。

営業活動によるCFと現金等
営業CF(本業で稼いだ現金)は、過去10年のレンジが▲37億〜452億円で、2022年2月期の1年だけマイナスでした。8指標が「過去10年すべてプラス」を求めるため、ここは「-」です。
マイナスになった主因は、支払いのタイミングのずれです。前期末が金融機関の休日だったため、仕入債務168億円の支払いが2022年2月期にずれ込みました。これに法人税等の支払額の増加が重なっています(2022年2月期 決算短信p.3)。赤字による資金流出ではなく、翌2023年2月期は156億円、直近3期は321億円→365億円→365億円とプラスで安定しています。
現金等(手元の現金)は、2017年2月期の115億円から2026年2月期の850億円へ約7.4倍に増えました。ただし前期の1,194億円からは343億円減っています。長期借入金の返済533億円と自己株式の取得23億円が主な理由で、財務活動によるCFは595億円の支出でした(決算短信p.3・p.11)。

自己資本比率
自己資本比率(会社の資産のうち、返す必要のないお金でまかなえている割合)は、2026年2月期で44.4%でした。基準の40%を上回る水準です。10年前の45.6%とほぼ同じですが、途中の振れは小さくありません。
2022年2月期に53.6%のピークをつけたあと、2024年2月期には40.4%まで下がりました。ケーヨーの連結子会社化と長期借入の実行で、総資産が大きくふくらんだためです。直近の2026年2月期は前期の40.8%から3.6ポイント改善しています。純資産が2,642億円から2,981億円へ増える一方、借入金の返済で負債が109億円減ったことが効きました(決算短信p.3)。

注目ポイント
11年連続増配。配当性向の目安を35%から40%へ引き上げ
1株あたりの配当は2017年2月期の24円から2026年2月期の47円へ、年平均約7.8%のペースで増えました。会社は2027年2月期から連結配当性向の目安を35%から40%へ引き上げ、配当と自己株式取得を合わせた総還元性向は70%を目指すとしています。第4次中期経営計画でも「連続増配の継続を目指す」と明記しました(決算短信p.4、決算説明資料p.30・p.38)。
M&Aで918店舗・営業収益5,423億円。ホームセンター最大手グループ
直近3年でケーヨー、エンチョー、ホームテックの3社がグループに加わりました。M&A時点の直近年間売上高を単純合算すると1,325億円になります(決算説明資料p.27)。2026年2月期末の店舗数は918店舗で、営業収益は5,423億円です。2028年度には売上高6,500億円・営業利益423億円を目標に掲げています(同p.29)。
プライベートブランドで粗利率が改善。自己資本比率も44.4%へ
自社で企画するプライベートブランドの売上高構成比は27.0%まで上がりました。円安や原材料高が続くなかでも売上総利益率は34.3%と前期から0.2ポイント改善し、値入率は1.1ポイント上がっています(決算説明資料p.11・p.12)。自己資本比率も前期の40.8%から44.4%へ戻り、財務の余裕は増しています。
いっぽうで、既存店の売上高や利益の伸びには確認しておきたい点もあります。次の「投資の留意点」でくわしく説明します。
投資の留意点
強みのある会社ですが、確認しておきたい点が3つあります。
第一に、営業CFが過去10年で1度だけマイナスになっている点です。2022年2月期の▲37億円で、8指標で唯一の未達はこれによるものです。原因は前期末が金融機関の休日で仕入債務168億円の支払いが翌期にずれ込んだことと、法人税等の支払額の増加でした(2022年2月期 決算短信p.3)。本業の悪化ではありませんが、決算期末が休日にあたるとキャッシュ・フローが期をまたいで振れる構造は変わっていません。実際、2026年2月期は逆に期末が休日となり、仕入債務が75億円増えています(決算短信p.3)。
第二に、既存店の売上高が落ち込み、成長がM&Aに頼りやすい点です。2026年2月期の既存店売上高は前期比▲4.2%で、客数は▲5.7%でした。客単価は+1.6%と上がっているので、値上げで単価を保ちながら客数が減っている形です(決算説明資料p.7)。M&Aで規模は伸びていますが、その分のれんは508億円まで積み上がっています(決算短信p.5)。第4次中期経営計画では既存店客数を2028年度に+4.0%へ戻す目標を掲げており、ここが計画どおり進むかは見ておきたいところです(決算説明資料p.33)。
第三に、2026年2月期が計画未達の減益で、2027年2月期も小幅増益の計画である点です。2026年2月期の営業利益310億円は計画比88.6%、純利益173億円は同88.3%にとどまりました(決算説明資料p.2)。2027年2月期の会社予想も営業利益312億円(前期比+0.6%)・純利益174億円(同+0.5%)と小幅な増益計画です。株価1,553円は予想PER約12.4倍・PBR約0.72倍で、会社自身も「PBR1.0倍以上」を目標に掲げています(同p.39)。予想利回り3.09%は、株価が利益や純資産に対して低く評価されていることも背景にある水準です。なお2027年2月期第1四半期(2026年3〜5月)は営業収益1,519億円(前年同期比+9.8%)・営業利益113億円(同+17.4%)と好調な滑り出しで、通期予想は据え置かれています(2027年2月期 第1四半期決算短信)。
まとめ
DCMホールディングス(3050)は、2026年2月期で11年連続増配となった、8指標のうち7つをクリアした連続増配株です。強みと留意点を3点ずつにまとめると、次のとおりです。
【強み】
✅ 11年連続増配。配当は24円から47円へ、年平均約7.8%のペースで増加
✅ M&Aで918店舗・営業収益5,423億円へ拡大。2028年度は売上高6,500億円が目標
✅ 配当性向の目安を35%→40%へ引き上げ、総還元性向70%を目指す
【留意点】
・営業CFは2022年2月期の1年だけマイナス。期末が休日だと期をまたいで振れる
・既存店売上高は前期比▲4.2%・客数▲5.7%で、成長がM&Aに頼りやすい
・2026年2月期は計画未達の減益。2027年2月期も営業利益+0.6%の小幅増益計画
8月・2月に配当の権利が確定する銘柄です。引き上げた配当性向の目安40%のもとで、増配が続いていくかを見ていきたい1社です。
連続増配株への投資を始めるには、証券口座が必要です。どの証券会社で始めるか迷っている方は、こちらの記事で楽天証券とSBI証券を比較しています。
※業績・配当・財務の数値は、DCMホールディングスの2026年2月期 決算短信(2026年4月14日)および2026年2月期 決算説明会資料(2026年4月16日)、IRBANKに基づきます(当期の経営成績は短信p.2、財政状態・キャッシュ・フローは同p.3、利益配分の基本方針と配当は同p.4、連結貸借対照表は同p.5、連結キャッシュ・フロー計算書は同p.11、商品別売上状況は同p.20/決算ハイライトは説明資料p.2、商品部門別売上は同p.6、既存店の推移は同p.7、都道府県別出店状況は同p.8、売上総利益率は同p.11、プライベートブランド構成比は同p.12、株主還元は同p.16、第3次中計の取り組み成果は同p.27、第4次中計の位置づけは同p.29、基本方針・戦略は同p.30、店舗戦略は同p.33、株主還元方針は同p.38、資本コストや株価を意識した経営は同p.39)。2022年2月期の営業活動によるキャッシュ・フローの内訳は2022年2月期 決算短信(2022年4月12日)p.3、2024年2月期の利益は2024年2月期 決算短信(2024年4月12日)、収益認識基準の影響額は統合報告書2023の財務ハイライトに基づきます。会社概要・沿革は会社IRサイトの「会社概要」「沿革」ページです。2027年2月期第1四半期の実績は2027年2月期 第1四半期決算短信(2026年6月26日)に基づきます。株価・予想配当利回りはYahoo!ファイナンス(2026年7月28日時点)です。予想PER・PBRは、2027年2月期の会社予想EPS125円71銭と2026年2月期末の1株当たり純資産2,154円31銭を、株価1,553円で割って算出しています(媒体によっては最新株式数ベースのEPS・BPSを使うため、値が異なる場合があります)。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

