【12年連続増配】SOMPOホールディングス(8630)を8指標分析

SOMPOホールディングス(8630)連続増配株の8指標分析

最終更新日:2026年7月28日

12年連続増配・2026年3月期は過去最高益、8指標中6クリアの損害保険大手グループ「SOMPOホールディングス」

こんにちは。10年以上連続増配株の情報を発信している桃モアイです。自動車保険や火災保険でおなじみの「損保ジャパン」を傘下に持つ保険グループがあります。2026年2月には海外の保険会社Aspen社を約5,400億円で買収しました。これで再保険では世界トップ10に入る規模です(個人投資家向け説明資料〈以下、説明資料〉p.16・31)。

今回は3月と9月に配当権利が確定する連続増配株の1社、SOMPOホールディングス(証券コード:8630)を私独自の8指標で分析しました。

結論から言うと、SOMPOホールディングスは8つのうち6つをクリアしました(EPSと自己資本比率が未達)。2026年3月期は過去最高益となった一方で、確認しておきたい点もあります。理由も含めて、このあとひとつずつ分かりやすく説明します。

📊 株価・利回りの基準日:2026年7月27日時点の値です
📊 財務指標は2026年3月期(実績)の数値を使用しています


SOMPOホールディングスとはどんな会社?

SOMPOホールディングスは、損保ジャパンを中心とする保険グループの持株会社です。前身の損害保険会社は1888年創業で、日本初の火災保険を販売しました。持株会社は2010年4月に発足して東証に上場し、現在は東証プライム市場です。なお2027年4月1日に社名を「SOMPOグループ株式会社」へ変える予定です(説明資料p.2)。

事業は国内損保・海外保険・国内生保・介護の4つです。国内損保の損保ジャパンは国内シェア約1/4の最大級で、約2,000万人の顧客基盤を持ちます(同p.23)。海外保険は29か国・地域に展開し、グループ利益の約半分を稼いでいます(同p.5〜6)。国内生保はSOMPOひまわり生命、介護はシニアリビング居室数で業界No.1のSOMPOケアなどが担います(同p.7・39)。

2026年3月期の保険収益(売上にあたる収益)の内訳は、国内損保2兆7,305億円・海外保険2兆4,411億円・国内生保2,587億円です(決算短信。セグメント間の内部収益を含むため、単純合計は連結値と一致しません)。従業員はグローバルで7万人を超えます(説明資料p.6)。

会社の基本情報は次のとおりです。

上場市場:東証プライム
業種:保険業
決算月:3月
連続増配:12年(2026年3月期時点)
株価:7,261円(2026年7月27日時点)
予想配当利回り:2.75%(2027年3月期 会社予想配当200円ベース)
配当権利確定:3月・9月(年2回)


配当情報

SOMPOホールディングスは増配を続けていて、2026年3月期で12年連続増配になりました。1株あたりの年間配当は、2026年3月期の実績で150円(中間75円+期末75円)です。2027年3月期の会社予想は200円(中間100円+期末100円)と前期比+33%の大幅増配で、実施されれば13期連続の増配となります。

会社は、修正連結利益(IFRSベース・直近3年度平均)の50%を基礎還元とし、原則として政策株式売却損益等(税後)の50%+αを追加還元する方針です(説明資料p.18)。利益の成長にあわせて還元を厚くする設計です。

利益のうち配当に回す割合(配当性向)は、2026年3月期の実績で21.4%と桃モアイ基準の50%以下を満たしています。増配の余力を残した水準です。

📌 株式分割と本記事の基準
SOMPOホールディングスは、2024年4月1日付で1株→3株の株式分割を実施しました(過去10年で1回)。本記事の配当・EPSは、分割をさかのぼって調整した「調整後」の金額です(株価は実際の取引価格のため調整しません)。

項目 内容
株価 7,261円(2026年7月27日時点)
予想配当利回り 2.75%(2027年3月期 会社予想配当200円ベース)
連続増配年数 12年(2026年3月期時点)
配当性向 21.4%(2026年3月期 実績)

出典:株価はYahoo!ファイナンス(2026年7月27日時点)、配当・配当性向は決算短信・IRBANK。予想配当利回りは2027年3月期の会社予想配当(1株200円)に基づき、株価の変動により変わります。配当性向は2026年3月期の実績(150円÷EPS701.03円=21.4%)です。連続増配年数は配当実績ベース(IRBANK・決算短信)で、2015年3月期を増配1年目として実績12年と数えています。配当・EPSは2024年4月1日付の株式分割(1株→3株)を遡及調整した調整後の金額です。

いちばん右の薄いグレーの棒は会社予想(2027年3月期)です。

SOMPOホールディングス 1株あたりの配当の推移 12年連続増配

1株あたりの配当は、2017年3月期の30円から2026年3月期の150円まで増えました。毎年ならすと約19.6%ずつ増やしてきた計算で、増配ペースはかなり速い部類です。2027年3月期は150円→200円と、約33%の増配予想です。


8指標分析の結果

ここからは、SOMPOホールディングスを私独自の8指標で見ていきます。8指標の詳しい説明はこちらの記事をご覧ください。

なお私が確認する8つの指標は、売上高・EPS(1株あたりの利益)・営業利益率・自己資本比率・営業活動によるCF(以下、営業CF)・現金等・1株あたりの配当・配当性向です。

指標 基準 SOMPOホールディングス 判定
売上高 増加傾向 2兆5,503億円→5兆3,729億円(会計基準の変更をまたぐ接続系列・長期で増加傾向)
EPS(1株あたりの利益) 安定して増加傾向 139.7円→701.0円(単年▲30%超の急落が2回)
営業利益率 5%以上 15.7%(直近期・実績。税引前利益率で代用)
自己資本比率 40%以上 27.8%(直近期・実績)
営業活動によるCF 過去10年すべてプラス 全期間プラス(過去10年のレンジは787億〜7,064億円)
現金等 増加傾向 7,734億円→1兆1,349億円(過去10年で約1.5倍)
1株あたりの配当 10年以上連続増配 12年連続増配
配当性向 50%以下 21.4%(直近期・実績)

※判定欄の✅は桃モアイ基準を満たした指標、「-」は基準に届かなかった指標です。
※財務指標は2026年3月期(実績)。IRBANKおよび決算短信・説明資料をもとに桃モアイが独自に分析しています。「増加傾向」「安定して増加傾向」は過去10年の長期トレンドで判定し、一時的な減少はクリア扱いとしています。8指標のうち6つをクリア。EPSは2023年3月期(前年比▲87.8%)と2025年3月期(同▲53.1%)に単年▲30%超の急落があり「安定して増加傾向」に届かず、自己資本比率は27.8%と基準の40%に届きませんでした。営業利益率は保険業で営業利益の開示がないため、税引前利益率15.7%(2024年3月期までは経常利益率)で代用しています。金額は億円未満を切り捨てて表示しています。

※会計基準と出典について:SOMPOホールディングスは2025年3月期の有価証券報告書からIFRS(国際会計基準)を適用しており、本記事は2026年3月期決算短信〔IFRS〕に依拠しています。自己資本比率は会計基準により表記が異なり、IFRS採用企業ではIRBANK上「株主資本比率」(親会社所有者帰属持分比率)と表示されます。売上の表・グラフは2024年3月期まで=正味収入保険料(日本基準)、2025年3月期以降=保険収益(IFRS)の接続系列で、切り替わりの前後は数字の概念が異なるため単純比較はできません(増減には基準変更による見かけの段差を含みます)。現金等も2025年3月期以降はIFRSの「現金及び現金同等物」です。EPSは決算短信の基本的1株当たり当期利益(2026年3月期701円03銭・2025年3月期250円90銭)で、IRBANK表示(701.04円・250.91円)とはわずかに異なります。2025年3月期の配当性向はIRBANK欠測のため、132円÷EPS250.90円=52.6%(決算短信一致)を使用しています。


グラフで見る業績の推移(過去10年・2017年3月期〜2026年3月期実績+2027年3月期予想)

ここからは、過去10年の業績をグラフで見ていきます。グラフは2017年3月期〜2026年3月期の実績で、会社予想のある系列(EPS・1株配当)は2027年3月期の予想もグレーで示しています。

売上高と利益率

売上にあたる数字は、会計基準の変更で途中から名前が変わります。2024年3月期までは正味収入保険料、2025年3月期以降はIFRSの保険収益です。正味収入保険料は2017年3月期の2兆5,503億円から2024年3月期の4兆8,368億円へ増えました。保険収益は2026年3月期に5兆3,729億円(前期比6.1%増)です。基準の切り替わりをまたぐため単純比較はできませんが、長期では増加傾向です。直近の増収は、Aspen社が加わった海外保険事業(前期比+2,134億円)が中心でした(決算短信)。

利益率は、営業利益の開示がない保険業のため、経常利益率(2025年3月期以降は税引前利益率)で見ています。過去10年は1.3〜15.7%と振れ幅が大きく、2023年3月期は経常利益495億円まで落ち込み1.3%となりました。直近の2026年3月期は、保険サービス損益と金融損益がそろって改善し(決算短信)、15.7%と基準の5%以上を大きく上回ります。

SOMPOホールディングス 売上高と利益率の推移

EPS(1株あたりの利益)と配当性向

EPS(1株あたりの利益)は、2017年3月期の139.7円から2026年3月期の701.0円へと、過去10年で最も高い水準になりました。ただし途中の振れ幅が大きい点に注意が必要です。2023年3月期は26.1円(前年比▲87.8%)、2025年3月期は250.9円(同▲53.1%)と、単年▲30%超の急落が2回ありました。このため8指標のEPSは「-」としました。自然災害や市場環境しだいで単年の利益が大きく振れる、保険業らしい推移です。なお2027年3月期の会社予想は549.2円と減少見込みで、理由は「投資の留意点」で説明します。

配当性向は、2023年3月期を除けば18〜52%台で推移しています。その2023年3月期は、EPSが急落したため配当86.67円がEPS26.1円を大きく上回り、331.5%となりました。グラフの2023年の点は、値が枠外に出るためグラフの上限に配置しています(実際の値は331.5%です)。2027年3月期の予想配当性向は36.4%(会社公表)と、基準の50%以下に収まる見込みです。

SOMPOホールディングス EPSと配当性向の推移

営業活動によるCFと現金等

営業CF(本業で稼いだ現金)は、過去10年すべてプラスでした(レンジは787億〜7,064億円。最小は2019年3月期、最大は2026年3月期)。保険金の支払いや運用で資金の出入りが大きい保険業のなかで、10年連続プラスは安定した稼ぎ方といえます。現金等(手元の現金)は、2017年3月期の7,734億円から2026年3月期の1兆1,349億円へと約1.5倍になりました。2025年3月期の一時的な減少は、自己株式の取得(約1,861億円)や配当の支払い(約1,038億円)など、株主還元に資金を使ったことが主因です(決算短信)。

SOMPOホールディングス 営業CFと現金等の推移

自己資本比率

自己資本比率(会社の資産のうち、返す必要のないお金でまかなえている割合)は、15.1%から27.8%へと上昇傾向です。ただし桃モアイ基準の40%には届かず「-」としました。お客さまから預かる保険の負債(保険契約負債10兆7,376億円)を抱え、総資産が18兆6,037億円と大きくなる保険業の構造によるものです。自己資本の額自体は4兆2,051億円→5兆1,678億円(直近1年)へ増えています(決算短信)。この指標の見方は「投資の留意点」で補足します。

SOMPOホールディングス 自己資本比率の推移


注目ポイント

2026年3月期は過去最高益、来期も収益性の改善が続く見込み

2026年3月期は、純利益(親会社の所有者に帰属する当期利益)が6,400億円と前期の約2.6倍になりました。保険の本業のもうけ(保険サービス損益)が+2,841億円、運用など(金融損益)が+2,251億円と、両輪で改善したためです(決算短信)。会社が実力とみる修正連結利益も5,352億円と過去最高でした(説明資料p.2)。2026年度(=2027年3月期)は、自然災害が非常に少なかった前期の一過性をならした平年値4,375億円に対し、5,000億円へ伸ばす計画です(同p.11)。

配当性向を段階的に引き上げ、株主還元を強化

2027年3月期の予想配当200円は前期比+33%の大幅増配です。これにより予想配当性向は36.4%へ高まります(決算短信)。会社が使う修正連結利益ベースでは34%→39%で、中期的には50%を目指す計画です(説明資料p.18)。あわせて上限690億円の自己株式取得も決議しました(決算短信・2026年5月20日)。利益の成長を配当と自社株買いの両方で還元する姿勢がうかがえます。

Aspen買収で、成長のけん引役の海外保険がさらに拡大

2026年2月に完了したAspen社の買収で、海外のグロス保険料は164億ドルから218億ドルへ拡大しました(2社の単純合算ベース・説明資料p.31)。会社は2026年度に3.4億ドルの利益貢献と、2029年度までにコスト・収益・資本をあわせた計2億ドルの統合シナジーを見込んでいます(同p.31)。海外保険の修正利益は、2024年度の13.8億ドルから2025年度は15.0億ドルへ増えました(同p.28)。海外保険は、グループの成長を引っぱる存在です。

いっぽうで、利益(EPS)の振れ幅や財務指標の見方には確認しておきたい点もあります。次の「投資の留意点」でくわしく説明します。


投資の留意点

強みのある会社ですが、確認しておきたい点が3つあります。

第一に、EPSの振れ幅が大きく、2027年3月期は減益予想である点です。2027年3月期は純利益4,900億円(前期比▲23.4%)・EPS549.2円の計画です。自然災害が非常に少なかった前期の反動に加え、国内の自然災害による損害を1,100億円見込んでいるためです(決算短信p.3)。会社が実力値とみる修正連結利益は4,375億円→5,000億円と増える計画ですが、単年の利益は災害や市場環境で振れやすい点は押さえておきたいところです。

第二に、自己資本比率が27.8%と、桃モアイ基準の40%に届かない点です。巨額の保険負債と運用資産を抱える保険業の構造によるもので、比率は15.1%→27.8%と上昇傾向にあり、自己資本の額も増えています。財務の健全性は、傘下の損保ジャパンの格付けが補っています。S&P「A+」・Moody’s「A1」・R&I「AA」で、いずれも見通しは安定的です(2026年4月1日時点・説明資料p.42)。

第三に、海外の比重が高まり、為替や海外の自然災害の影響を受けやすくなる点です。保険収益の約45%が海外で、利益の約半分を海外が稼ぐ構造です。2027年3月期の予想は、為替や市場が2026年3月末から大きく変動しない前提で組まれています(決算短信p.3)。買収したAspenの経営統合を最優先とする方針のため(説明資料p.15)、統合の進み具合とシナジーの実現度もあわせて確認したいところです。


まとめ

SOMPOホールディングス(8630)は、損保ジャパンを傘下に持つ保険グループで、2026年3月期で12年連続増配となった、8指標のうち6つをクリアした連続増配株です。強みと留意点を3点ずつにまとめると、次のとおりです。

【強み】
✅ 12年連続増配・年平均約19.6%の増配ペースで、2027年3月期は200円(+33%)へ大幅増配予想
✅ 2026年3月期は純利益6,400億円・修正連結利益5,352億円と過去最高益
✅ 配当性向を中期的に50%へ引き上げる還元方針、営業CFは過去10年すべてプラス

【留意点】
・EPSは自然災害や市場環境で振れが大きく、2027年3月期は減益予想(EPSは549.2円へ減少見込み)
・自己資本比率27.8%は保険業の構造として基準の40%に未達
・海外比重の高まりで、為替や海外の自然災害の影響を受けやすい

3月と9月に配当の権利が確定する銘柄です。予想配当利回りは2.75%で、2027年3月期の200円への増配(13期連続)が実現するかをチェックしていきたい1社です。


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※業績・配当・セグメント・還元方針などのデータは、SOMPOホールディングスの2026年3月期決算短信〔IFRS〕(2026年5月20日)および個人投資家向け説明資料(2026年5月・該当ページは本文中に記載)に基づきます。過去10年の各指標はIRBANKと決算短信を突合し、増減率の機械照合で確認しています。EPSは決算短信の基本的1株当たり当期利益(2026年3月期701円03銭・2027年3月期予想549円17銭)です。利益率は営業利益の開示がない保険業のため、経常利益÷正味収入保険料(2025年3月期以降は税引前利益÷保険収益)で桃モアイが算出しました。連続増配年数は配当実績ベースで、2015年3月期を増配1年目として数えています。買収したAspen社の正式社名はAspen Insurance Holdings Limitedです(決算短信)。株価・予想配当利回りはYahoo!ファイナンス(2026年7月27日時点)によります。

※本記事は情報提供を目的としており、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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