【12年連続増配】エコス(7520)を8指標分析

エコス(7520)連続増配株の8指標分析

最終更新日:2026年7月24日

12年連続増配・関東で食品スーパー137店舗を展開する「エコス」

こんにちは。10年以上連続増配株の情報を発信している桃モアイです。「TAIRAYA」の看板を、関東にお住まいなら見かけたことがあるかもしれません。運営するのは、地域スーパーのM&Aを重ねて規模を広げてきた食品スーパーのエコスグループです。

今回は2月に配当権利が確定する連続増配株の1社、エコス(証券コード:7520)を私独自の8指標で分析しました。

結論から言うと、エコスは8つの指標のうち6つをクリアしました(EPSと営業利益率が未達)。12年連続の増配に加え、改善が続く財務と低めの配当性向が特徴です。未達の理由も含め、このあとひとつずつ分かりやすく説明します。

📊 株価・利回りの基準日:2026年7月23日時点の値です
📊 財務指標は2026年2月期(実績)の数値を使用しています


エコスとはどんな会社?

エコスは、東京都昭島市に本社を置く食品スーパーマーケットチェーンです。1965年に「たいらや商店」として設立し、1996年に株式を店頭市場で公開、合併を重ねて1999年に商号をエコスへ変更しました。2004年3月に東京証券取引所市場第二部へ上場し、2005年2月に第一部へ指定替え、2022年4月からはプライム市場です。

店名は「TAIRAYA」「エコス」などで、関東の1都6県と福島県に連結137店舗を展開します(2026年2月末)。内訳はエコス74店舗・たいらや28店舗・与野フードセンター14店舗・マスダ13店舗・ココスナカムラ8店舗です。2004年のマスダから2024年のココスナカムラまで、M&Aで店舗網を広げてきた会社です。

事業は食品スーパーの単一セグメントです。自社のノウハウを生かし、ほかのスーパーへ商品を共同で仕入れて届ける「商品供給事業」も育てています。

会社の基本情報は次のとおりです。

上場市場:東証プライム
業種:小売業
決算月:2月
連続増配:12年(2026年2月期時点)
株価:2,445円(2026年7月23日時点)
予想配当利回り:2.86%(2027年2月期 会社予想配当70円ベース)
配当権利確定:2月(年1回)


配当情報

エコスは増配を続けていて、2026年2月期で12年連続増配になりました。1株あたりの年間配当は、2026年2月期の実績で70円(期末のみの年1回)です。2027年2月期の会社予想は70円の据え置きで、現時点で増配の予想は出ていません。

項目 内容
株価 2,445円(2026年7月23日時点)
予想配当利回り 2.86%(2027年2月期 会社予想配当70円ベース)
連続増配年数 12年(2026年2月期時点)
配当性向 29.7%(2026年2月期 実績)

出典:株価はYahoo!ファイナンス(2026年7月23日時点)、配当は決算短信。予想配当利回りは株価の変動により変わります。配当性向は2026年2月期の実績(70円÷EPS235.6円=29.7%)です。連続増配年数は、2015年2月期を増配1年目として実績ベースで12年と数えています。

いちばん右の薄いグレーの棒は会社予想(2027年2月期)です。

エコス 1株あたりの配当の推移 12年連続増配

1株あたりの配当は、2017年2月期の25円から2026年2月期の70円まで増えました。毎年ならすと約12.1%ずつ増やしてきた計算です。


8指標分析の結果

ここからは、エコスを私独自の8指標で見ていきます。

8指標の詳しい説明はこちらの記事をご覧ください。

なお私が確認する8つの指標は、売上高・EPS(1株あたりの利益)・営業利益率・自己資本比率・営業活動によるCF(以下、営業CF)・現金等・1株あたりの配当・配当性向です。

指標 基準 エコス 判定
売上高 増加傾向 1,124億円→1,342億円(過去10年で約1.2倍)
EPS(1株あたりの利益) 安定して増加傾向 155.4円→235.6円(過去10年で約1.5倍)
営業利益率 5%以上 4.3%(直近期・実績)
自己資本比率 40%以上 51.8%(直近期・実績)
営業活動によるCF 過去10年すべてプラス 全期間プラス(過去10年のレンジは33.3億〜73.6億円)
現金等 増加傾向 43.4億円→101.5億円(過去10年で約2.3倍)
1株あたりの配当 10年以上連続増配 12年連続増配
配当性向 50%以下 29.7%(直近期・実績)

※判定欄の✅は桃モアイ基準を満たした指標、「-」は基準に届かなかった指標です。
※財務指標は2026年2月期(実績)。IRBANKおよび決算短信・決算説明資料をもとに桃モアイが独自に分析しています。「増加傾向」「安定して増加傾向」は過去10年の長期トレンドで判定し、一時的な減少はクリア扱いとしています。8指標のうち6つをクリア。EPSは約1.5倍に増えたものの▲30%超の急落が3回あり、営業利益率は4.3%で、それぞれ基準に届きませんでした。EPS・自己資本比率は決算短信(会社公表値)を使用しています(EPSはIRBANK表示とわずかな差があります)。売上高は億円未満、営業CF・現金等は0.1億円単位で四捨五入して表示しています。投資判断の参考としてご活用ください。


グラフで見る業績の推移(過去10年・2017年〜2026年実績+2027年予想)

ここからは、過去10年の業績をグラフで見ていきます。会社予想のある系列は、いちばん右にグレーで2027年2月期の予想を示しています。

売上高と営業利益率

売上高は、2017年2月期の1,124億円から2026年2月期の1,342億円へと、過去10年で約1.2倍に増えました。2023年2月期に▲11.7%の減収がありますが、これは「収益認識に関する会計基準」の適用による会計上の影響が主な要因で、以降は3期連続の増収です。営業利益率(売上に対する本業のもうけの割合)は過去10年3.0〜4.5%で推移し、直近は4.3%と基準の5%を下回ります。2027年2月期の会社予想は営業収益(売上高に営業収入を加えたもの)で1,380億円、営業利益率は4.0%です。

エコス 売上高と営業利益率の推移

EPS(1株あたりの利益)と配当性向

EPS(1株あたりの利益)は、2017年2月期の155.4円から2026年2月期の235.6円へと、過去10年で約1.5倍になりました。ただし振れは大きく、2021年2月期(▲38.0%)・2023年2月期(▲59.9%)・2026年2月期(▲36.1%)に急落しています。要因は次の「投資の留意点」で説明します。配当性向(利益のうち配当に回す割合)は過去10年13.9〜38.2%で、直近は29.7%です。

エコス EPSと配当性向の推移

営業活動によるCFと現金等

営業CF(本業で稼いだ現金)は、過去10年すべてプラスでした(レンジは33.3億〜73.6億円。最小は2023年2月期、最大は2024年2月期)。現金等(手元の現金)は、2017年2月期の43.4億円から2026年2月期の101.5億円へと過去10年で約2.3倍に増えました。直近は前の期の134.4億円から減っていますが、新規出店・改装などの投資と借入金の返済に充てたためで、赤字による流出ではありません。

エコス 営業CFと現金等の推移

自己資本比率

自己資本比率(会社の資産のうち、返す必要のないお金でまかなえている割合)は、2017年2月期の27.3%から2026年2月期の51.8%へ大きく高まりました。基準の40%は2022年2月期に超え、その後も上昇が続いています。なお2027年2月期の第1四半期末は49.1%です(第1四半期決算短信)。

エコス 自己資本比率の推移


注目ポイント

M&Aと商品供給事業で規模を拡大中

たいらや・マスダ・与野フードセンター・ココスナカムラと、地域スーパーのM&Aを重ねて成長してきました。2026年2月期の営業収益は1,379.8億円で、3期連続の増収です。蓄積したノウハウを生かした商品供給事業はローカルスーパー10社(計18店舗)に広がっており、会社はさらなる拡大を掲げています(決算説明資料p.19)。

自己資本比率は27.3%→51.8%、財務の改善が続く

過去10年で自己資本比率はほぼ倍増し、営業CFは10年すべてプラスでした。2026年2月期は有利子負債を1年で28.2億円減らして99.2億円とし、純資産は292.2億円まで積み上がっています。M&Aで規模を広げながら借金を減らしてきた点は、配当を長く払い続けるうえでの土台です。

配当性向29.7%、利益の3割で12年連続増配

12年にわたり増配を続けながら、配当性向は29.7%と利益の3割程度に収まっています。EPSの伸びが増配ペースを上回ってきたためで、増配の余力を残した水準です。

いっぽうで、利益の振れ幅や今後の増配ペースには確認しておきたい点もあります。次の「投資の留意点」でくわしく説明します。


投資の留意点

強みのある会社ですが、確認しておきたい点が3つあります。

第一に、EPS(1株あたりの利益)の振れが大きい点です。営業利益は底堅い一方、店舗の減損損失などの特別損失が重なると純利益が急落します。2026年2月期も約25.8億円の特別損失を計上し、純利益は前期比▲36.0%でした。過去10年で▲30%超の急落が3回あり、8指標でもEPSは「-」です。多店舗を抱えるスーパーの構造上、今後も出うる振れとして意識しておきたいところです。

第二に、営業利益率が4%前後の薄利で、基準の5%に届かない点です。食品スーパーは仕入原価と人件費の比重が大きい業態です。2026年2月期は人件費を中心とした経費増で経常減益となり、既存店も客数が前年比95.5%と苦戦しました。中期経営計画の最終年度目標(営業収益1,600億円・経常利益70億円)に対し、2027年2月期の会社計画は1,380億円・55億円と開きがあります(決算説明資料p.16)。第1四半期も小幅な減収減益で、通期計画は第2四半期以降の挽回が前提です。

第三に、2027年2月期の配当予想が70円の据え置きである点です。このまま実施されれば、連続増配はいったん12年で止まります。会社は減損の反動で純利益35億円(予想EPS312.0円)への増益を見込んでおり、据え置きでも予想配当性向は22.4%と低めです。業績の進み具合しだいで予想が増配へ修正されるか、今後の開示を確認したいところです。


まとめ

エコス(7520)は、関東で食品スーパー137店舗を展開し、2026年2月期で12年連続増配となった、8指標のうち6つをクリアした連続増配株です。強みと留意点を3点ずつにまとめると、次のとおりです。

【強み】
✅ M&Aと商品供給事業で規模を拡大中。3期連続の増収
✅ 自己資本比率は27.3%→51.8%へ上昇し、営業CFは10年連続プラス
✅ 配当性向29.7%と低めで、25円→70円へ年平均約12.1%の増配ペース

【留意点】
・店舗の減損損失などでEPSが急落する年があり、8指標のEPSは「-」
・営業利益率は4%前後の薄利で基準5%に未達。中期経営計画の目標にも開き
・2027年2月期の配当予想は70円の据え置き(実施されれば増配は12年でいったん停止)

2月に配当の権利が確定する銘柄です。据え置きの配当予想が増配へ修正されるか、これからの決算で見ていきたい1社です。


連続増配株への投資を始めるには、証券口座が必要です。どの証券会社で始めるか迷っている方は、こちらの記事で楽天証券とSBI証券を比較しています。

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※業績・店舗数・既存店指標・中期経営計画などは、エコスの2025年度決算説明資料(2026年4月14日)および2027年2月期 第1四半期決算短信に基づきます。過去10年の各系列はIRBANKと決算説明資料「主要財務データ」を突合し、全系列を増減率で機械検算しています。株価・予想配当利回りはYahoo!ファイナンス(2026年7月23日時点)です。

※本記事は情報提供を目的としており、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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