【12年連続増配】イー・ガーディアン(6050)を8指標分析

イー・ガーディアン(6050)連続増配株の8指標分析

最終更新日:2026年7月19日

12年連続増配・AIと人でネットの安心を守る総合ネットセキュリティ企業イー・ガーディアン

こんにちは。10年以上連続増配株の情報を発信している桃モアイです。SNSや動画、ネット通販に日々あふれる膨大な投稿を、AIと人の目で24時間365日チェックし、ネットの安心を守っている会社があります。2023年にチェンジホールディングスの連結子会社となり、AIの活用を軸に業務の効率化を進めています。

今回は9月に配当権利が確定する連続増配株の1社、イー・ガーディアン(証券コード:6050)を私独自の8指標で分析しました。

結論から言うと、イー・ガーディアンは8つの指標のうち7つをクリアしました。12年連続の増配と、自己資本比率87.8%という厚い財務が強みですが、利益(EPS)の推移には確認しておきたい点もあります。理由は、このあとひとつずつ分かりやすく説明します。

📊 株価・利回りの基準日:2026年7月16日時点の値です
📊 財務指標は2025年9月期(実績)の数値を使用しています


イー・ガーディアンとはどんな会社?

イー・ガーディアンは、東京に本社を置く総合ネットセキュリティ企業です。SNSや動画、ネット通販サイトなどへの投稿を24時間365日体制でチェックする「投稿監視」を中心に、カスタマーサポート、広告審査、ゲームのデバッグ(不具合チェック)、サイバーセキュリティまでを一気通貫で手がけます。事業はインターネットセキュリティ事業の単一セグメントです。

売上の6割強は投稿監視やカスタマーサポートなどのソーシャルサポートが占めます(2026年9月期 上期実績)。純国産WAF「SiteGuard」(Webサイトを攻撃から守るセキュリティ製品)の開発販売も行います。1998年に設立し、2010年12月に東証マザーズへ上場、2016年9月に東証一部へ市場変更、現在は東証プライム市場です。2023年10月からはチェンジホールディングスの連結子会社です。

会社の基本情報は次のとおりです。

上場市場:東証プライム
業種:サービス業
決算月:9月
連続増配:12年(2025年9月期時点)
株価:1,770円(2026年7月16日時点)
予想配当利回り:2.15%(2026年9月期 会社予想配当38円ベース)
配当権利確定:9月(年1回)


配当情報

イー・ガーディアンは増配を続けていて、2025年9月期で12年連続増配になりました。1株あたりの年間配当は、分割調整後で2025年9月期が35円、2026年9月期の会社予想は38円です。配当は期末のみの年1回で、実施されれば13期連続の増配です。

配当性向(利益のうち配当に回す割合)は2025年9月期の実績で42.9%と、基準の50%以下に収まっています。

📌 株式分割と本記事の基準:イー・ガーディアンは2015年に1株→3株、2016年7月1日(効力発生日)に1株→2株の株式分割を実施しています(累積で1株→6株)。本記事の配当・EPSはすべて分割をさかのぼって調整した「調整後」の金額で、株価は実際の取引価格です。2016年7月以降、分割はありません。

項目 内容
株価 1,770円(2026年7月16日時点)
予想配当利回り 2.15%(2026年9月期 会社予想配当38円ベース)
連続増配年数 12年(2025年9月期時点)
配当性向 42.9%(2025年9月期 実績)

出典:株価はYahoo!ファイナンス(2026年7月16日時点)、配当は決算短信・決算説明資料。予想配当利回りは株価の変動により変わります。配当性向は2025年9月期の実績(配当35円÷EPS81.52円=42.9%)です。連続増配年数は、2014年9月期を増配1年目として実績ベースで12年と数えています。

いちばん右の薄いグレーの棒は会社予想(2026年9月期)です。

イー・ガーディアン 1株あたりの配当の推移 12年連続増配

1株あたりの配当は、調整後で2016年9月期の4円から2025年9月期の35円まで増えました。毎年ならすと約27.3%ずつ増やしてきた計算です。なお2016年9月期の4円には、東証一部への市場変更を記念した記念配当1円を含みます。


8指標分析の結果

ここからは、イー・ガーディアンを私独自の8指標で見ていきます。

8指標の詳しい説明はこちらの記事をご覧ください。

なお私が確認する8つの指標は、売上高・EPS(1株あたりの利益)・営業利益率・自己資本比率・営業活動によるCF(以下、営業CF)・現金等・1株あたりの配当・配当性向です。

指標 基準 イー・ガーディアン 判定
売上高 増加傾向 38億円→113億円(過去10年で約3.0倍)
EPS(1株あたりの利益) 安定して増加傾向 35.3円→81.5円(過去10年で約2.3倍)
営業利益率 5%以上 13.3%(直近期・実績)
自己資本比率 40%以上 87.8%(直近期・実績)
営業活動によるCF 過去10年すべてプラス 全期間プラス(4.9億〜17.4億円)
現金等 増加傾向 16.0億円→109.9億円(過去10年で約6.9倍)
1株あたりの配当 10年以上連続増配 12年連続増配
配当性向 50%以下 42.9%(直近期・実績)

※判定欄の✅は桃モアイ基準を満たした指標、「-」は基準に届かなかった指標です。
※財務指標は2025年9月期(実績)。IRBANKおよび決算短信・決算説明資料をもとに桃モアイが独自に分析しています。「増加傾向」「安定して増加傾向」は過去10年の長期トレンドで判定し、一時的な減少はクリア扱いとしています。2025年9月期は2年連続の減収となり、EPSも3期連続で減少しました。8指標のうち7つをクリア。EPSは、ピークの2022年9月期168.4円に対して直近が81.5円と半分程度の水準にとどまり、「安定して増加傾向」の基準に届きませんでした。配当・EPSは2015年・2016年の株式分割をさかのぼって調整した調整後の金額です。2016年9月期の配当性向はIRBANK上に表示がないため、調整後の年間配当4円÷EPS35.26円=11.3%として桃モアイが算出しています。金額は原則として億円未満を切り捨て、営業CF・現金等は0.1億円単位で表示しています。投資判断の参考としてご活用ください。


グラフで見る業績の推移(過去10年・2016年〜2025年実績+2026年予想)

ここからは、過去10年の業績をグラフで見ていきます。会社予想のある系列は、いちばん右にグレーで2026年9月期の予想を示しています。

売上高と営業利益率

売上高は、2016年9月期の38億円から2025年9月期の113億円へと、過去10年で約3.0倍に増えました。ただ直近は2024年・2025年と2期連続の小幅な減収です(▲4.3%・▲0.6%)。監視業務の既存大口顧客の売上減少が主因です(決算短信)。営業利益率(売上に対する本業のもうけの割合)は過去10年13.3〜19.8%で推移し、基準の5%以上をつねに大きく上回ります。2026年9月期の会社予想は売上120億円・営業利益率13.4%です。

イー・ガーディアン 売上高と営業利益率の推移

EPS(1株あたりの利益)と配当性向

EPSは、調整後で2016年9月期の35.3円から2025年9月期の81.5円へと、過去10年で約2.3倍になりました。ただピークは2022年9月期の168.4円で、その後は122.7円→92.1円→81.5円と3期連続で減少しています。ゲームサポートの大型案件の終了や、監視業務の既存顧客の売上減少などが背景です(決算短信)。配当性向は10.3〜42.9%で推移し、EPSが減るなかでも増配を続けたため近年は上昇しています。2026年9月期の会社予想はEPS89.36円・配当性向42.5%です。

イー・ガーディアン EPSと配当性向の推移

営業活動によるCFと現金等

営業CF(本業で稼いだ現金)は、過去10年すべてプラスでした(最小は2016年9月期の4.9億円、最大は2024年9月期の17.4億円)。2025年9月期は17.4億円→10.5億円に減りましたが、プラスは保っています。現金等(手元の現金)は、2016年9月期の16.0億円から2025年9月期の109.9億円へと過去10年で約6.9倍に増えました。2024年9月期に大きく増えたのは、チェンジホールディングスによる第三者割当増資の引き受けで資金が入ったことが主因です(同社2024年3月期決算短信)。

イー・ガーディアン 営業CFと現金等の推移

自己資本比率

自己資本比率(会社の資産のうち、返す必要のないお金でまかなえている割合)は、過去10年つねに70%を超え、直近は87.8%まで高まりました(レンジは70.4〜87.8%)。貸借対照表(会社の資産と、その元手=借金や自己資本をまとめた表)に借入金の科目はなく、実質的に無借金の財務です。2026年9月期の第2四半期末では89.9%と、さらに高い水準にあります(決算短信)。

イー・ガーディアン 自己資本比率の推移


注目ポイント

「AIと人のハイブリッド」で投稿監視20年以上、全社員がAIを使う体制へ

イー・ガーディアンの中核は、月間2,000万件以上の投稿監視で培ったデータと運用ノウハウです(会社サイト)。2025年12月にはAI戦略統括部を新設し、10名規模へ拡大しました(説明資料p.14)。さらに国内BPO企業として初めて、すべてのセンター社員へAI開発環境「Claude Code」を提供し、現場が自ら効率化ツールを開発しています(同p.16)。AI実装案件の増加もあり、売上総利益率は2026年9月期の第1四半期25.8%から第2四半期30.0%へ改善しました(同p.10)。

自己資本比率87.8%・現金等109.9億円の厚い財務

自己資本比率は87.8%と基準の40%を大きく上回り、現金等は109.9億円と総資産の8割にあたります(2025年9月期末)。借入金はなく、営業CFも過去10年すべてプラスです。財務の心配が小さいぶん、増配や株主優待などの還元と、AIやM&Aへの投資の両方に資金を回せる体制です。

3円増配の38円を予想、株主優待も

2026年9月期の配当予想は、前の期から3円増配の38円です。上期は減益でしたが、通期の業績予想と配当予想は据え置かれています(決算短信)。また継続保有期間に応じたデジタルギフトの株主優待(100株以上で5,000円〜8,000円相当)もあります(説明資料p.20)。

いっぽうで、利益(EPS)や足元の業績には確認しておきたい点もあります。次の「投資の留意点」で分かりやすく説明します。


投資の留意点

強みのある会社ですが、確認しておきたい点が3つあります。

第一に、EPSの減少が3期続いている点です。ピークの2022年9月期から3期連続で減り、直近はその半分程度の水準にとどまります。2026年9月期は89.36円へ戻す計画ですが、上期の純利益は前年同期比▲38.5%と苦戦しました。通期の達成は、下期の大型案件の受注やAI実装による利益率改善など、下期の挽回が前提です(説明資料p.5)。

第二に、売上が特定の大口顧客の動向に左右されやすい点です。2024年・2025年と2期連続の減収に続き、2026年9月期の上期も▲6.9%の減収でした。監視業務の既存大口先の売上減少が主因で、EC向けサポートやWAFの成長で補えるかが焦点です(決算短信・説明資料p.5)。

第三に、親会社を持つ上場会社である点です。2023年10月に、公開買付けと第三者割当増資を通じてチェンジホールディングスの連結子会社となりました(同社2024年3月期決算短信)。グループ連携はセキュリティ分野などで強みになる一方、経営の重要な判断に親会社の意向が反映されやすい構造です。


まとめ

イー・ガーディアン(6050)は、「AIと人のハイブリッド」で投稿監視などを担う総合ネットセキュリティ企業で、2025年9月期で12年連続増配となった、8指標のうち7つをクリアした連続増配株です。強みと留意点を3点ずつにまとめると、次のとおりです。

【強み】
✅ 自己資本比率87.8%・現金等109.9億円・借入金なしの厚い財務
✅ 営業CFは過去10年すべてプラスで、配当性向42.9%と増配余力を残す
✅ 国内BPO企業として初めて全センター社員へClaude Codeを提供するなど、AI活用を加速

【留意点】
・EPSはピークの2022年9月期から3期連続で減少
・売上は2期連続の減収で、2026年9月期の通期計画は下期の挽回が前提
・親会社チェンジホールディングスの意向が反映されやすい構造

9月に配当の権利が確定する銘柄です。予想利回りは2.15%で、AI活用による利益率の改善が下期の挽回と増配の継続につながるかを、これからの決算で見ていきたい1社です。


連続増配株への投資を始めるには、証券口座が必要です。どの証券会社で始めるか迷っている方は、こちらの記事で楽天証券とSBI証券を比較しています。

楽天証券とSBI証券、連続増配株を始めるならどっち?

10年以上連続増配株一覧に戻る

※業績・AI戦略・株主還元などは、イー・ガーディアンの2026年9月期 第2四半期決算短信、2026年9月期 第2四半期決算説明資料(2026年5月)に基づきます。過去10年の各系列はIRBANKと突合し、EPS・配当は株式分割をさかのぼって調整した調整後の値を使用しています。2016年9月期の記念配当1円は会社開示(2016年9月16日)、2023年10月の連結子会社化と第三者割当増資はチェンジホールディングスの2024年3月期決算短信に基づきます。株価・予想配当利回りはYahoo!ファイナンス(2026年7月16日時点)です。

※本記事は情報提供を目的としており、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA