最終更新日:2026年7月18日
12年連続増配・金融機関の7割超にシステムを提供する「情報企画」
こんにちは。10年以上連続増配株の情報を発信している桃モアイです。銀行がお金を貸すときの「担保の評価」や「決算書の読み取り」を支えるシステムを作る会社があります。全国の金融機関の7割超が同社のシステムを使っています(2026年3月末・会社資料)。
今回は3月・9月に配当権利が確定する連続増配株の1社、情報企画(証券コード:3712)を私独自の8指標で分析しました。
結論から言うと、情報企画は8つの指標をすべてクリアしました。12年連続の増配に加え、高い収益性と実質無借金の財務が特徴です。このあとひとつずつ分かりやすく説明します。
📊 株価・利回りの基準日:2026年7月15日時点の値です
📊 財務指標は2025年9月期(実績)の数値を使用しています
情報企画とはどんな会社?
情報企画は、東京本社(東京都千代田区)を構える、金融機関向けの業務システム会社です。1986年に設立し、2003年に東京証券取引所へ上場しました(現在は東証スタンダード市場)。銀行・信用金庫・信用組合向けに、融資や審査まわりの業務支援システムを独自に開発・販売しています。
主力は、融資の担保となる不動産を評価・管理する「担保不動産評価管理システム」です。ほかにも取引先の決算書を読み取る「総合決算書リーディングシステム」、融資の稟議を支援する「融資稟議支援システム」などをそろえます。いずれも融資・審査という専門分野に特化したシステムです。
事業は、システムの開発・販売と保守からなる「システム事業」と、賃貸物件を持つ「不動産賃貸事業」の2つです。売上の柱はシステム事業です。従業員は134名(うち技術者103名・2026年3月31日現在)の少数精鋭の会社です。
会社の基本情報は次のとおりです。
上場市場:東証スタンダード
業種:情報・通信業
決算月:9月
連続増配:12年(2025年9月期時点)
株価:992円(2026年7月15日時点)
予想配当利回り:2.42%(2026年9月期 会社予想配当24円〔分割後換算〕ベース)
配当権利確定:3月・9月(年2回)
配当情報
情報企画は増配を続けていて、2025年9月期で12年連続増配になりました。1株あたりの年間配当は、2025年9月期の実績で23円(分割調整後。分割前の実額は115円=中間55円・期末60円)です。2026年9月期の会社予想は分割後換算で24円で、実施されれば13期連続の増配となります。
📌 株式分割と本記事の基準:情報企画は2026年4月1日(効力発生日)に1株→5株の株式分割を実施しました。本記事の株価・配当・EPSはすべて分割後の基準で統一しています。過去の配当・EPSは分割をさかのぼって調整した「調整後」の金額です(株価は実際の取引価格のため調整しません)。予想配当24円は、分割後に換算した年間額です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 株価 | 992円(2026年7月15日時点) |
| 予想配当利回り | 2.42%(2026年9月期 会社予想配当24円〔分割後換算〕ベース) |
| 連続増配年数 | 12年(2025年9月期時点) |
| 配当性向 | 32.3%(2025年9月期 実績) |
出典:株価はYahoo!ファイナンス(2026年7月15日時点)、配当は決算短信および株主通信。予想配当利回りは2026年9月期の会社予想配当(分割後換算24円)に基づき、株価の変動により変わります。配当性向は2025年9月期の実績(23円÷EPS71.24円=32.3%)です。連続増配年数は、2014年9月期を増配1年目として実績ベースで12年と数えています(会社開示の「12期連続増配」と同じ数え方)。
いちばん右の薄いグレーの棒は会社予想(2026年9月期)です。

1株あたりの配当は、2016年9月期の10円から2025年9月期の23円まで増えました。毎年ならすと約9.7%ずつ増やしてきた計算です。
8指標分析の結果
ここからは、情報企画を私独自の8指標で見ていきます。
8指標の詳しい説明はこちらの記事をご覧ください。
なお私が確認する8つの指標は、売上高・EPS(1株あたりの利益)・営業利益率・自己資本比率・営業活動によるCF(以下、営業CF)・現金等・1株あたりの配当・配当性向です。
| 指標 | 基準 | 情報企画 | 判定 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 増加傾向 | 25.1億円→38.4億円(過去10年で約1.5倍) | ✅ |
| EPS(1株あたりの利益) | 安定して増加傾向 | 31.8円→71.2円(過去10年で約2.2倍) | ✅ |
| 営業利益率 | 5%以上 | 40.0%(直近期・実績) | ✅ |
| 自己資本比率 | 40%以上 | 82.6%(直近期・実績) | ✅ |
| 営業活動によるCF | 過去10年すべてプラス | 全期間プラス(過去10年のレンジは5.4億〜12.1億円) | ✅ |
| 現金等 | 増加傾向 | 13.9億円→28.5億円(過去10年で約2.0倍) | ✅ |
| 1株あたりの配当 | 10年以上連続増配 | 12年連続増配 | ✅ |
| 配当性向 | 50%以下 | 32.3%(直近期・実績) | ✅ |
※判定欄の✅は桃モアイ基準を満たした指標です。
※財務指標は2025年9月期(実績)。IRBANKおよび決算短信・株主通信をもとに桃モアイが独自に分析しています。「増加傾向」「安定して増加傾向」は過去10年の長期トレンドで判定し、一時的な減少はクリア扱いとしています。2025年9月期は増収増益で、売上高・各利益とも過去最高となりました。8指標はすべてクリアです。情報企画は第36期(2022年9月期)から連結決算に移行しており、表・グラフの2021年9月期以前は単体、2022年9月期以降は連結の数値です。配当・EPSは株式分割をさかのぼって調整した調整後の金額で、EPSはIRBANKの調整後系列を使用しています(直近期は決算短信ベースの計算と一致することを確認)。金額は0.1億円単位(四捨五入)で表示しています。投資判断の参考としてご活用ください。
グラフで見る業績の推移(過去10年・2016年〜2025年実績+2026年予想)
ここからは、過去10年の業績をグラフで見ていきます。会社予想のある系列は、いちばん右にグレーで2026年9月期の予想を示しています。
売上高と営業利益率
売上高は、2016年9月期の25.1億円から2025年9月期の38.4億円へと、過去10年で約1.5倍に増えました。減収は2017年9月期(約4%減)の1回だけで、その後は8期連続の増収です。営業利益率(売上に対する本業のもうけの割合)は過去10年31.3〜40.1%で推移し、直近は40.0%と基準の5%以上をけた違いに上回ります。2026年9月期の会社予想は売上41.0億円・営業利益率37.6%です。

EPS(1株あたりの利益)と配当性向
EPS(1株あたりの利益)は、2016年9月期の31.8円から2025年9月期の71.2円へと、過去10年で約2.2倍になりました。減少は2018年9月期と2022年9月期の2回だけで、いずれも1〜2%の小幅なものです。単年で30%を超える急落は一度もありません。配当性向(利益のうち配当に回す割合)は過去10年28.3〜35.5%の狭い範囲で安定しており、直近は32.3%です。

営業活動によるCFと現金等
営業CF(本業で稼いだ現金)は、過去10年すべてプラスでした(レンジは5.4億〜12.1億円。最小は2016年9月期、最大は2024年9月期)。ソフトウエアの販売・保守が中心で、大きな仕入れや設備がいらないビジネスです。現金等(手元の現金)は、2016年9月期の13.9億円から2025年9月期の28.5億円へと過去10年で約2.0倍に増えました。2023年9月期にいったん減りましたが、その後は2年連続で増えています。

自己資本比率
自己資本比率(会社の資産のうち、返す必要のないお金でまかなえている割合)は、過去10年72.0〜82.6%の高い水準で推移し、直近は82.6%です。基準の40%以上を大きく上回り、2026年9月期の第2四半期末には86.9%へさらに上昇しています(第2四半期決算短信)。

注目ポイント
過去最高の業績を更新中、第2四半期も2けたの増収増益
2025年9月期は売上・各利益とも過去最高を更新しました(株主通信)。この勢いは続いており、2026年9月期の第2四半期(2025年10月〜2026年3月)も売上21.9億円(前年同期比14.5%増)・営業利益9.1億円(同14.8%増)と好調で、通期の営業利益予想に対する進捗率は59.2%です。日銀の利上げを受けた金融機関の業況は堅調で、システム導入・更新の要望が増えていると会社は説明しています(第2四半期決算短信)。
金融機関の7割超が使う専門システム、保守が支える安定収益
融資の審査・担保評価という専門分野に特化し、全国535の金融機関のうち73.1%が同社のシステムを利用しています(2026年3月31日現在・株主通信)。システム事業の売上は開発・販売が約6割、保守などのサポートが約4割です(2026年9月期 第2四半期)。保守には路線価データの納品など毎年の更新需要があり、業績を下支えします。自社開発したシステムの販売と、この保守収入が、40.0%という高い営業利益率の土台です。
実質無借金の財務と3割程度の配当性向、増配の余力は大きい
自己資本比率82.6%・現金等28.5億円で、借入金に頼らない安定した財務です。配当性向は32.3%と利益の3分の1程度に収まっています。12年連続増配を続けながらこの水準を保てているのは、EPSの伸びが増配ペースを上回ってきたためです。2026年9月期予想でみた配当性向も33.0%と、余力を残しています。
いっぽうで、顧客の構成や通期の利益計画には確認しておきたい点もあります。次の「投資の留意点」でくわしく説明します。
投資の留意点
強みのある会社ですが、確認しておきたい点が3つあります。
第一に、顧客が国内の金融機関に集中している点です。システム事業の顧客は銀行・信用金庫・信用組合が中心で、業績は金融機関のシステム投資意欲に左右されます。すでに7割超が導入済みのうえ、金融機関の数自体も536から535へと減っています(2025年9月末→2026年3月末・株主通信)。既存分野だけでは市場の拡大余地が限られる点は意識しておきたいところです。
第二に、2026年9月期の通期計画では利益がほぼ横ばいにとどまる点です。会社予想は売上41.0億円(前期比6.7%増)に対し、営業利益は15.4億円(同0.2%増)です。第2四半期までは営業利益14.8%増と計画を上回るペースで、計画どおりなら下半期の利益は前年同期を下回る計算になります。上方修正があるか、下半期に費用が膨らむのか、今後の開示を確認したいところです。
第三に、少数精鋭の小型株で、本業と性質の異なる不動産投資も続けている点です。従業員は134名(うち技術者103名・2026年3月31日現在)と規模が小さく、専門性の高いシステム開発は人材の採用・定着が前提になります。また不動産賃貸事業では賃貸物件の取得が続き、2026年9月期の第2四半期も有形固定資産の取得に約9.0億円を支出しました(第2四半期決算短信)。手厚い手元資金の使い道として妥当か、確認しておきたい点です。
まとめ
情報企画(3712)は、金融機関向けの業務システムを主力に、2025年9月期で12年連続増配となった、8指標をすべてクリアした連続増配株です。強みと留意点を3点ずつにまとめると、次のとおりです。
【強み】
✅ 売上・各利益とも過去最高を更新中。2026年9月期の第2四半期も2けたの増収増益
✅ 金融機関の7割超が利用する専門システムと保守収入で、営業利益率は40.0%
✅ 自己資本比率82.6%の実質無借金。配当性向32.3%で増配の余力も大きい
【留意点】
・顧客が国内の金融機関に集中し、既存分野の拡大余地は限られる
・2026年9月期の通期計画は増収でも利益はほぼ横ばい
・従業員134名の小型株で、人材の確保と不動産投資の動向に注意
3月・9月に配当の権利が確定する銘柄です。営業利益率40.0%という高い収益性を土台にした増配が続くか、これからの決算で見ていきたい1社です。
連続増配株への投資を始めるには、証券口座が必要です。どの証券会社で始めるか迷っている方は、こちらの記事で楽天証券とSBI証券を比較しています。
※業績・セグメント・システム利用実績・従業員数・株式分割などは、情報企画の2026年9月期 第2四半期決算短信、第39期株主通信(2025年9月期)、第40期上半期株主通信に基づきます。過去10年の各系列はIRBANKと一次資料を突合し、全系列を増減率で機械検算しています。株価・予想配当利回りはYahoo!ファイナンス(2026年7月15日時点)です。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

