最終更新日:2026年7月18日
12年連続増配・実質無借金の独立系システムインテグレーター東計電算
こんにちは。10年以上連続増配株の情報を発信している桃モアイです。企業の業務システムを、開発から日々の運用・保守まで一手に引き受けている会社があります。自社のデータセンターを備えた独立系(特定の大手メーカーの系列に属さない)のシステムインテグレーターで、借入金のない強固な財務のもと12年連続の増配を続けています。
今回は6月・12月に配当権利が確定する連続増配株の1社、東計電算(証券コード:4746)を私独自の8指標で分析しました。
結論から言うと、東計電算は8つの指標のうち7つをクリアしました。12年連続の増配と、借入金のない強固な財務が強みですが、配当性向には確認しておきたい点があります。理由は、このあとひとつずつ分かりやすく説明します。
📊 株価・利回りの基準日:2026年7月16日時点の値です
📊 財務指標は2025年12月期(実績)の数値を使用しています
東計電算とはどんな会社?
東計電算は、神奈川県川崎市に本社を置く独立系のシステムインテグレーターです。1970年に、自動車部品メーカー・東京濾器の計算部門などを母体に設立されました。業種・業務ごとに専門特化した情報システムを、開発から運用・保守まで一貫して提供しています。自社のデータセンターを備え、お客様のシステムを預かって動かす運用サービスが収益の柱です。
事業は、情報処理・ソフトウェア開発業務(売上の約9割)、機器販売業務、リース等その他の業務(事務用機器のリース、ビル・マンションの不動産賃貸)の3つです(構成比は2026年12月期 第1四半期実績)。2000年3月に東証2部へ上場し、2004年12月に東証1部へ指定替え、現在は東証スタンダード市場です。
会社の基本情報は次のとおりです。
上場市場:東証スタンダード
業種:情報・通信業
決算月:12月
連続増配:12年(2025年12月期時点)
株価:4,800円(2026年7月16日時点)
予想配当利回り:3.60%(2026年12月期 会社予想配当173円ベース)
配当権利確定:6月・12月(年2回)
配当情報
東計電算は増配を続けていて、2025年12月期で12年連続増配になりました。1株あたりの年間配当は、分割調整後で2025年12月期が173円です。配当性向(利益のうち配当に回す割合)は、2025年12月期の実績で57.7%でした。
会社は、安定した配当の継続を業績に応じて行うことを配当の基本方針としています(会社開示)。2025年12月期は期初の予想が前期と同額の125円でしたが、期中に3度の増額修正を経て、最終的に173円(前期比+38.4%)となりました。2026年12月期の会社予想は173円で、前期と同額の据え置きです。
📌 株式分割と本記事の基準:東計電算は2024年1月1日付で1株→2株の株式分割を実施しました。本記事の株価・配当・EPSはすべて分割後の基準で記載しています(過去の配当・EPSは分割をさかのぼって調整した「調整後」の金額、株価は実際の取引価格です)。過去10年で分割はこの1回です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 株価 | 4,800円(2026年7月16日時点) |
| 予想配当利回り | 3.60%(2026年12月期 会社予想配当173円ベース) |
| 連続増配年数 | 12年(2025年12月期時点) |
| 配当性向 | 57.7%(2025年12月期 実績) |
出典:株価はYahoo!ファイナンス(2026年7月16日時点)、配当は決算短信・会社適時開示。予想配当利回りは株価の変動により変わります。配当性向は2025年12月期の実績(年間配当173円÷EPS299.87円=57.7%、決算短信の公表値と一致)です。連続増配年数は、2014年12月期を増配1年目として実績ベースで12年と数えています(2013年12月期は前期と同額のため起点に含めません)。
いちばん右の薄いグレーの棒は会社予想(2026年12月期)です。

1株あたりの配当は、調整後で2016年12月期の35円から2025年12月期の173円まで、右肩上がりに増えてきました。2026年12月期の会社予想は173円で、前期と同額です。
8指標分析の結果
ここからは、東計電算を私独自の8指標で見ていきます。
8指標の詳しい説明はこちらの記事をご覧ください。
なお私が確認する8つの指標は、売上高・EPS(1株あたりの利益)・営業利益率・自己資本比率・営業活動によるCF(以下、営業CF)・現金等・1株あたりの配当・配当性向です。
| 指標 | 基準 | 東計電算 | 判定 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 増加傾向 | 126億円→208億円(過去10年で約1.7倍) | ✅ |
| EPS(1株あたりの利益) | 安定して増加傾向 | 99.7円→299.9円(過去10年で約3.0倍) | ✅ |
| 営業利益率 | 5%以上 | 30.1%(直近期・実績) | ✅ |
| 自己資本比率 | 40%以上 | 79.6%(直近期・実績) | ✅ |
| 営業活動によるCF | 過去10年すべてプラス | 全期間プラス(18.6億〜64.0億円) | ✅ |
| 現金等 | 増加傾向 | 11.4億円→28.3億円(過去10年で約2.5倍) | ✅ |
| 1株あたりの配当 | 10年以上連続増配 | 12年連続増配 | ✅ |
| 配当性向 | 50%以下 | 57.7%(直近期・実績) | - |
※判定欄の✅は桃モアイ基準を満たした指標、「-」は基準に届かなかった指標です。
※財務指標は2025年12月期(実績)。IRBANKおよび決算短信をもとに桃モアイが独自に分析しています。「増加傾向」「安定して増加傾向」は過去10年の長期トレンドで判定し、一時的な減少はクリア扱いとしています。2025年12月期は増収増益で、売上高・EPSとも過去10年で最高となりました。8指標のうち7つをクリア。配当性向は、2025年12月期に大きく増配した結果57.7%となり、基準の50%以下に届きませんでした。EPSは決算短信の公表値を使用し、配当・EPSは2024年1月1日付の株式分割を調整した調整後の金額です。金額は原則として億円未満を切り捨て、営業CF・現金等は0.1億円単位で表示しています。投資判断の参考としてご活用ください。
グラフで見る業績の推移(過去10年・2016年〜2025年実績+2026年予想)
ここからは、過去10年の業績をグラフで見ていきます。会社予想のある系列は、いちばん右にグレーで2026年12月期の予想を示しています。
売上高と営業利益率
売上高は、2016年12月期の126億円から2025年12月期の208億円へと、過去10年で約1.7倍に増えました。2017年12月期からは9期連続の増収です。営業利益率(売上に対する本業のもうけの割合)は過去10年18.3〜30.1%で推移し、2021年12月期から5年連続で上昇して直近は30.1%です。基準の5%以上を大きく上回ります。2026年12月期の会社予想は売上218億円・営業利益率31.2%です。

EPS(1株あたりの利益)と配当性向
EPSは、調整後で2016年12月期の99.7円から2025年12月期の299.9円へと、過去10年で約3.0倍になりました。落ち込みは2020年12月期の▲2.7%だけで、安定した右肩上がりです。配当性向は2016年12月期の35.1%から徐々に高まり、2020〜2024年12月期は46.0〜49.7%、直近の2025年12月期は増配の強化により57.7%となりました。2026年12月期の会社予想は56.5%です。

営業活動によるCFと現金等
営業CF(本業で稼いだ現金)は、過去10年すべてプラスでした。レンジは18.6億〜64.0億円(最小は2019年12月期、最大は2025年12月期)で、直近の64.0億円は過去10年で最大です。現金等(手元の現金)は、2016年12月期の11.4億円から2025年12月期の28.3億円へと過去10年で約2.5倍に増えました(レンジは11.4億〜32.7億円。直近2025年12月期末は28.3億円)。

自己資本比率
自己資本比率(会社の資産のうち、返す必要のないお金でまかなえている割合)は、過去10年79.6〜84.8%で推移しています。直近の2025年12月期は79.6%で、基準の40%以上を大きく上回ります。決算短信の連結財務諸表に借入金の科目はなく、実質的に無借金の財務です。

注目ポイント
9期連続の増収と、30%台に乗せた営業利益率
2025年12月期は、売上208億円(+6.1%)・営業利益62億円(+12.5%)・純利益53億円(+19.5%)の増収増益でした。売上は2017年12月期から9期連続で伸び、営業利益率は5年連続の上昇で30.1%に達しています。2026年12月期も売上218億円・営業利益68億円と増収増益の計画です。第1四半期は売上54億円(+4.3%)・営業利益16億円(+6.7%)と順調で、システム運用業務が堅調に推移しています(2026年12月期 第1四半期決算短信)。
借入金ゼロ・自己資本比率79.6%の強固な財務
自己資本比率は過去10年を通じて79%を下回ったことがなく、決算短信の連結財務諸表に借入金の科目がない実質無借金の経営です。営業CFも10年連続プラスで、財務の安定性は8指標の中でも際立った強みです。
年平均約19.4%の速い増配ペース
1株あたりの配当は、調整後で2016年12月期の35円から173円へと約4.9倍になりました。年平均の増配率は約19.4%と速いペースです。配当金の総額も、2024年12月期の22億円から2025年12月期は31億円へ増えています(決算短信)。
いっぽうで、配当性向と来期の配当予想には確認しておきたい点もあります。次の「投資の留意点」で分かりやすく説明します。
投資の留意点
強みのある会社ですが、確認しておきたい点が3つあります。
第一に、配当性向が57.7%と基準の50%を上回る点です。2025年12月期の大幅な増配で、配当性向は前の年の49.7%から一気に高まりました。2026年12月期の会社予想でも56.5%と5割超が続く見込みです。予想EPSは306.16円(前期比+2.1%)と伸びが小さく、以前ほどの増配余力は残っていません。
第二に、2026年12月期の予想配当が173円と、前期と同額の据え置きである点です。予想のまま実施されれば、連続増配はいったん12年で止まります。2025年12月期も期初は据え置き予想から期中の増額修正で増配となりましたが、同じ展開を前提にはできません。
第三に、保有する投資有価証券(長期で持つ株や債券など)の値動きが財務に影響しやすい点です。投資有価証券は484億円と総資産632億円の7割超を占め、純資産の約3分の1は保有株式などの評価差額金です(2025年12月期末)。株式市場が大きく下落する局面では、純資産や自己資本比率を押し下げる要因になります。
まとめ
東計電算(4746)は、業種・業務ごとに専門特化した情報システムを開発から運用まで手がける独立系のシステムインテグレーターで、2025年12月期で12年連続増配となった、8指標のうち7つをクリアした連続増配株です。強みと留意点を3点ずつにまとめると、次のとおりです。
【強み】
✅ 9期連続の増収で、営業利益率は30.1%まで上昇。2026年12月期も増収増益の計画
✅ 借入金のない実質無借金の経営で、自己資本比率79.6%・営業CFは10年連続プラス
✅ 年平均約19.4%の速い増配ペース。2025年12月期は前期比+38.4%の増配
【留意点】
・配当性向は57.7%と基準の50%を上回り、以前ほどの増配余力はない
・2026年12月期の予想配当は173円の据え置き(実施されれば連続増配はいったん12年で止まる)
・投資有価証券484億円を保有し、株式市場の変動が純資産に影響しやすい
6月・12月に配当の権利が確定する、予想利回り3.60%の銘柄です。今期の配当予想がどう動くかを、これからの開示で見ていきたい1社です。
連続増配株への投資を始めるには、証券口座が必要です。どの証券会社で始めるか迷っている方は、こちらの記事で楽天証券とSBI証券を比較しています。
※業績・配当・財務の数値は、東計電算の2025年12月期 決算短信、2024年12月期 決算短信、2026年12月期 第1四半期決算短信に基づきます。過去10年の各系列はIRBANKと決算短信を突合し、EPSは決算短信の公表値を使用しています(2024年1月1日付の株式分割を遡って調整)。配当の増額修正の経緯は会社の適時開示(2025年11月4日・12月15日・2026年2月2日)によります。株価・予想配当利回りはYahoo!ファイナンス(2026年7月16日時点)です。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

