【11年連続増配】ソフト99コーポレーション(4464)を8指標分析

ソフト99コーポレーション(4464)連続増配株の8指標分析

最終更新日:2026年8月5日

11年連続増配・洗車用品と半導体向け素材で稼ぐ「ソフト99コーポレーション」

こんにちは。10年以上連続増配株の情報を発信している桃モアイです。雨の日のフロントガラスに塗る撥水剤「ガラコ」や、拭くだけで洗車ができるシート「フクピカ」を、カー用品店で手に取ったことがある方も多いのではないでしょうか。この2つを生んだソフト99コーポレーションは、いまでは半導体向けの精密洗浄・研磨材が営業利益の約半分を稼ぐ会社へと事業の幅を広げています(2026年3月期決算説明会資料p.12)。

今回は9月と3月に配当権利が確定する連続増配株の1社、ソフト99コーポレーション(証券コード:4464)を私独自の8指標で分析しました。

結論から言うと、ソフト99コーポレーションは8指標すべてをクリアしました。11年連続増配で、予想配当利回りは1.91%です。2027年3月期は68円への大幅な増配を見込んでいますが、株主構成をめぐって確認しておきたい点もあります。理由も含めて、このあとひとつずつ分かりやすく説明します。

📊 株価・利回りの基準日:2026年8月4日時点の値です
📊 財務指標は2026年3月期(実績)の数値を使用しています


ソフト99コーポレーションとはどんな会社?

ソフト99コーポレーションは、大阪に本社を置く化学メーカーです。1954年の創立で、2001年6月に東京証券取引所へ上場し、現在は東証スタンダード市場に上場しています。連結子会社9社を含めた従業員数は839名です(2026年3月31日時点・決算説明会資料p.2)。

事業は4つに分かれます。祖業の「ファインケミカル事業」は、カーワックスや撥水剤などの洗車用品、自動車用の補修用品、家庭用品のほか、TPMS(タイヤ空気圧監視装置)や電子機器・ソフトウェアの開発販売を手がけます。「ポーラスマテリアル事業」は、PVA(ポリビニルアルコール)やウレタンなどの多孔質体を素材に、半導体産業向けの精密洗浄・研磨材や医療用の吸液材などを作ります。このほか、自動車整備・鈑金や自動車教習所などの「サービス事業」、不動産賃貸や温浴施設運営の「不動産関連事業」があります(2026年3月期決算短信p.9)。

2026年3月期の売上構成は、ファインケミカルが44.7%、ポーラスマテリアルが32.4%、サービス・不動産関連が22.9%です(決算説明会資料p.12)。営業利益42億円の内訳では、半導体向けが伸びたポーラスマテリアルが20億円と最も大きく、祖業のファインケミカルの15億円を上回りました(同資料p.8・p.9)。

会社の基本情報は次のとおりです。

上場市場:東証スタンダード
業種:化学
決算月:3月
連続増配:11年(2026年3月期時点)
株価:3,555円(2026年8月4日時点)
予想配当利回り:1.91%(2027年3月期 会社予想配当68円ベース)
配当権利確定:9月・3月(年2回)


配当情報

ソフト99コーポレーションは増配を続けていて、2026年3月期で11年連続増配になりました。1株あたりの年間配当は、2026年3月期の実績で47円(中間23.5円+期末23.5円)です。前期の43円から4円増えました。

2027年3月期の会社予想は、21円増の年間68円(中間34円+期末34円)です。前期比44.7%の大幅な増配予想で、実施されれば12期連続の増配になります。

利益のうち配当に回す割合(配当性向)は、2026年3月期の実績で34.1%でした。桃モアイ基準の50%以下は満たしています。会社は安定的な配当の継続を株主還元の基本方針とし、2026年4月に始まった第8次中期経営計画では、自己株式の取得を実施しなくとも過去の還元を上回る配当を計画し、「連結営業利益35.0%」をベースにした還元を実施するとしています(2026年3月期決算短信p.6)。68円への増配予想は、この新しい方針にもとづくものです。

項目 内容
株価 3,555円(2026年8月4日時点)
予想配当利回り 1.91%(2027年3月期 会社予想配当68円ベース)
連続増配年数 11年(2026年3月期時点)
配当性向 34.1%(2026年3月期 実績。47円÷137円65銭)

出典:株価はYahoo!ファイナンス(2026年8月4日時点)、配当・EPS・配当性向は決算短信・IRBANK。予想配当利回りは2027年3月期の会社予想配当(1株68円)に基づき、株価の変動により変わります。連続増配年数は配当実績ベースで、2015年3月期が17円の据え置きだったため2016年3月期を増配1年目とし、2026年3月期で11年連続と数えています。株式分割は過去10年間実施されていません(直近は2005年9月27日の1株→2株)。

いちばん右の薄いグレーの棒は会社予想(2027年3月期)です。

ソフト99コーポレーション 1株あたりの配当の推移 11年連続増配

1株あたりの配当は、2017年3月期の21円から2026年3月期の47円まで、約2.2倍に増えました。毎年ならすと約9.4%ずつ増やしてきた計算です。2027年3月期の予想68円が実施されれば、増配ペースは一段と速まります。


8指標分析の結果

ここからは、ソフト99コーポレーションを私独自の8指標で見ていきます。8指標の詳しい説明はこちらの記事をご覧ください。

なお私が確認する8つの指標は、売上高・EPS(1株あたりの利益)・営業利益率・自己資本比率・営業活動によるCF(以下、営業CF)・現金等・1株あたりの配当・配当性向です。

指標 基準 ソフト99コーポレーション 判定
売上高 増加傾向 223億円→312億円(10年で約1.4倍。減収は3回・いずれも1%未満)
EPS(1株あたりの利益) 安定して増加傾向 82.6円→137.7円(直近期がピークで最古年の約1.7倍。単年▲30%超の急落なし)
営業利益率 5%以上 13.6%(直近期・実績)
自己資本比率 40%以上 87.8%(直近期・実績)
営業活動によるCF 過去10年すべてプラス 全期間プラス(過去10年のレンジは20億〜42億円)
現金等 増加傾向 146億円→237億円(過去10年で約1.6倍)
1株あたりの配当 10年以上連続増配 11年連続増配
配当性向 50%以下 34.1%(直近期・実績)

※判定欄の✅は桃モアイ基準を満たした指標です。
※財務指標は2026年3月期(実績)。IRBANKおよび決算短信をもとに桃モアイが独自に分析しています。「増加傾向」「安定して増加傾向」は過去10年の長期トレンドで判定し、一時的な減少はクリア扱いとしています。2026年3月期は売上高312億円(前期比5.0%増)・営業利益42億円(同5.1%増)の増収増益で、8指標はすべてクリアしました。金額は億円未満を切り捨てて表示しています。投資判断の参考としてご活用ください。


グラフで見る業績の推移(過去10年・2017年3月期〜2026年3月期実績+2027年3月期予想)

ここからは、過去10年の業績をグラフで見ていきます。グラフは2017年3月期〜2026年3月期の実績で、会社予想のある系列(売上高・営業利益率・EPS・1株配当)は2027年3月期の予想も示しています。

売上高と営業利益率

売上高は、2017年3月期の223億円から2026年3月期の312億円へ、10年で約1.4倍に増えました。前年を下回った年は3回(2020・2024・2025年3月期)ありますが、いずれも1%未満の小さな減少です。2026年3月期は前期比5.0%増の312億円で、過去10年で最も高い水準でした。2027年3月期の会社予想は317億円(前期比1.5%増)です。

営業利益率(売上に対する本業のもうけの割合)は、2017年3月期の10.8%から2026年3月期の13.6%へ高まりました。過去10年のレンジは9.9〜13.6%で、桃モアイ基準の5%以上を全期間で大きく上回っています。2027年3月期の会社予想は13.1%(営業利益41億円・前期比2.1%減)です。

ソフト99コーポレーション 売上高と営業利益率の推移

EPS(1株あたりの利益)と配当性向

EPS(1株あたりの利益)は、2017年3月期の82.6円から2026年3月期の137.7円へ、約1.7倍に増えました。2019〜2021年3月期は3年続けて減少し、2023年3月期も前期比24.7%減とぶれのある推移ですが、単年で30%を超える急落はなく、直近の2026年3月期が過去10年のピークです。2027年3月期の会社予想は143.6円です。

配当性向は、2017年3月期の25.4%から2026年3月期の34.1%になりました。EPSが落ち込んだ2021年3月期に45.5%まで上がりましたが、その後はおおむね3割台で推移しています。なお2027年3月期の会社予想は、大幅増配を反映して47.4%の見込みです。

ソフト99コーポレーション EPSと配当性向の推移

営業活動によるCFと現金等

営業CF(本業で稼いだ現金)は、過去10年すべてプラスでした(レンジは20億〜42億円。最小は2017年3月期、最大は2025年3月期)。2026年3月期は34億円(前期比17.6%減)で、公開買付関連費用の支払い3.3億円や法人税等の支払額の増加などが要因です(2026年3月期決算短信p.5)。

現金等(手元の現金)は、2017年3月期の146億円から2026年3月期の237億円へと約1.6倍になりました。総資産670億円の3分の1超を現金で持っている計算で、直近も前期から17億円増えています。

ソフト99コーポレーション 営業CFと現金等の推移

自己資本比率

自己資本比率(会社の資産のうち、返す必要のないお金でまかなえている割合)は、過去10年を通じて86.4〜87.8%と高い水準で安定し、2026年3月期は87.8%でした。桃モアイ基準の40%以上を大きく上回ります。負債合計81億円に対して純資産は588億円あり、借入金は2026年3月期末に残高ゼロになりました(同短信p.16・p.26)。

ソフト99コーポレーション 自己資本比率の推移


注目ポイント

半導体向けの精密素材が育ち、営業利益の約半分を稼ぐ

ポーラスマテリアル事業は、スポンジ状の多孔質素材を半導体産業向けの精密洗浄・研磨材などに加工する事業です。2026年3月期は売上101億円(前期比11.3%増)・営業利益20億円(同19.3%増)とそろって伸び、営業利益の構成比は47.3%と全社の約半分になりました(決算説明会資料p.9・p.12)。生成AI需要の増加やIoTの進展で半導体関連の市場拡大が続き、米国・台湾・韓国などの海外向けは前期比22.6%増でした(同資料p.9・決算短信p.3)。

自己資本比率87.8%・現金等237億円と、財務がきわめて堅い

自己資本比率87.8%、借入金ゼロ、現金等237億円という財務は、上場企業のなかでも際立って堅い部類です。営業CFは過去10年すべてプラスで、景気の波を受けても手元資金が細りにくい体質になっています。この資金力が、11年連続増配と今後の還元強化を支える土台です。

新しい中期経営計画で、株主還元の強化を打ち出した

2026年4月に始まった第8次中期経営計画では、最終年度の2029年3月期に売上高335億円・営業利益42.5億円を目標とし、資本効率の改善を意識した株主還元を掲げています。3年間は自己株式の取得を実施しなくとも過去の還元を上回る配当を計画し、「連結営業利益35.0%」をベースにした還元を実施する方針です(決算短信p.6・p.12)。初年度の2027年3月期は、68円(前期比44.7%増)への増配予想です。

いっぽうで、株主構成や中核事業の利益には確認しておきたい点もあります。次の「投資の留意点」でくわしく説明します。


投資の留意点

確認しておきたい点が3つあります。

第一に、投資ファンドが親会社となり、非公開化(上場廃止)の可能性が残る点です。2025年8月、当時の社長側が設立した会社によるMBO(経営陣による買収)が公表されましたが、応募が集まらず不成立になりました。対抗してTOB(株式公開買付け)を実施した投資ファンドのエフィッシモ・キャピタル・マネージメント側が、2026年1〜3月の2回目のTOBを経て親会社になっています(議決権は3分の2未満)。少数株主の株式を強制的に買い取って非公開化する手続き(スクイーズ・アウト)について、会社は協議中で決定している事項はないと開示し、2026年6月の定時株主総会に議案を上程する予定はないとしていました(2026年5月15日適時開示)。実施されれば上場廃止となり、長期保有を前提とした配当投資は続けられなくなります。あわせて、2026年3月末時点では東証スタンダード市場の流通株式比率25%以上の基準を満たしていませんでした。前社長の取締役退任により開示日現在は26.19%と適合する見込みですが、正式な判定は2026年10月以降の東証の通知で行われ、改善期間は2027年3月末までです(同日適時開示)。

第二に、祖業のファインケミカル事業が減益となった点です。2026年3月期の同事業は、売上139億円(前期比2.2%増)に対し営業利益は15億円(同14.5%減)でした。広告宣伝費をはじめとした戦略経費の増加や、基幹システムの稼働に伴う減価償却費の増加が要因です(決算短信p.3)。また全社では、洗車場や飲食店舗などの減損損失1.9億円と公開買付関連費用3.3億円を特別損失に計上し、純利益は29億円(前期比1.6%増)と小幅な伸びにとどまりました(同短信p.17・p.29)。2027年3月期は、増収ながら営業利益41億円(前期比2.1%減)の減益予想です。

第三に、予想配当利回り1.91%は連続増配株のなかでも低めで、増配後の配当性向は基準に近づく点です。買収をめぐる攻防を通じて株価が上昇したこともあり、予想PERは約24.8倍(株価3,555円÷予想EPS143円55銭・桃モアイ算出)と、2010年以降のレンジ(7.66〜30.44倍・IRBANK)のなかでも高い側の水準です。PBRは約1.30倍(1株あたり純資産2,724円92銭で算出)です。これまで配当性向が3割前後と控えめだったことも、利回りが低い理由のひとつです。2027年3月期は68円へ44.7%の大幅増配予想ですが、予想配当性向は47.4%と基準の50%に近づきます。営業利益の35%を還元する方針のため、今後の配当は利益の水準に連動しやすくなります。


まとめ

ソフト99コーポレーション(4464)は、洗車用品と半導体向けの精密素材を手がける化学メーカーで、2026年3月期で11年連続増配となった、8指標すべてをクリアした連続増配株です。強みと留意点を3点ずつにまとめると、次のとおりです。

【強み】
✅ 11年連続増配・年平均約9.4%の増配ペースで、配当性向34.1%は基準の50%以下
✅ 自己資本比率87.8%・借入金ゼロ・現金等237億円と財務がきわめて堅い
✅ 半導体向けが伸びるポーラスマテリアル事業が営業利益の約半分を稼ぐ

【留意点】
・投資ファンドのエフィッシモ側が親会社となり、非公開化(上場廃止)となるかは未定のまま
・祖業のファインケミカル事業が減益(▲14.5%)で、2027年3月期は全社でも営業減益予想
・2027年3月期の予想配当性向47.4%は基準の50%に近づく(68円は前期比44.7%の大幅増配予想)

9月と3月に配当の権利が確定する、年2回の銘柄です。予想配当利回りは1.91%で、株主構成の行方と半導体向け事業の伸びをチェックしていきたい1社です。


連続増配株への投資を始めるには、証券口座が必要です。どの証券会社で始めるか迷っている方は、こちらの記事で楽天証券とSBI証券を比較しています。

楽天証券とSBI証券、連続増配株を始めるならどっち?

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※業績・配当・還元方針などのデータは、ソフト99コーポレーションの2026年3月期決算短信〔日本基準〕(連結・2026年5月14日。2026年5月18日の訂正は配当支払開始予定日のみで財務数値の変更はありません)および2026年3月期決算説明会資料(2026年5月29日・該当ページは本文中に記載)に基づきます。過去10年の各指標はIRBANKと決算短信を突合し、増減率の機械照合で確認しています。EPSは決算短信の1株当たり当期純利益(2026年3月期137円65銭)です。連続増配年数は配当実績ベースで、2015年3月期が17円の据え置きだったため2016年3月期を増配1年目とし、2026年3月期で11年連続と数えています。株式分割は過去10年間実施されていません(直近は2005年9月27日の1株→2株)。MBO・TOBと上場維持基準に関する記述は、当社の適時開示「当社株式を非公開化するための手続に関する今後の見通しについて」「上場維持基準への適合に向けた計画(改善期間入り)について」(いずれも2026年5月15日)に基づきます。予想PER・PBRは、株価3,555円を予想EPS143円55銭・1株あたり純資産2,724円92銭で割った桃モアイの算出値です。株価・予想配当利回りはYahoo!ファイナンス(2026年8月4日時点)によります。

※本記事は情報提供を目的としており、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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