【11年連続増配】ストライクグループ(6196)を8指標分析

ストライクグループ(6196)連続増配株の8指標分析

最終更新日:2026年7月27日

11年連続増配・営業利益率30%超、後継ぎ探しを支えるM&A仲介の「ストライクグループ」

こんにちは。10年以上連続増配株の情報を発信している桃モアイです。経営者の高齢化で後継ぎが見つからない会社を、事業を引き継ぐ次の担い手と結びつける「M&A仲介」を全国で手がける会社があります。2026年4月には持株会社体制へ移行し、社名をストライクからストライクグループへ改めました。

今回は9月に配当権利が確定する連続増配株の1社、ストライクグループ(証券コード:6196)を私独自の8指標で分析しました。

結論から言うと、ストライクグループは8つの指標のうち7つをクリアしました。売上は過去10年で約10.1倍、営業利益率31.2%・自己資本比率86.7%と、成長力と財務の強さを兼ね備えています。基準に届かなかったのは配当性向の1つだけです。理由は、このあとひとつずつ分かりやすく説明します。

📊 株価・利回りの基準日:2026年7月24日時点の値です
📊 財務指標は2025年9月期(実績)の数値を使用しています


ストライクグループとはどんな会社?

ストライクグループは、1997年7月に設立されたM&A仲介の会社です。荒井邦彦社長が創業し、1999年には日本初のオンラインM&A仲介サイト「SMART」を開設しました(会社IRサイト)。「世界を変える仲間をつくる。」をミッションに掲げ、2016年6月に東証マザーズへ上場、2017年6月に東証一部を経て、2022年4月にプライム市場へ移行しています。2026年4月1日には持株会社体制へ移行し、現在の社名になりました。

事業はM&A仲介の単一セグメントです。後継者のいない中小企業(譲渡側)と、事業を引き継ぐ買収側をマッチングし、双方から仲介報酬を受け取ります。着手金は無料で、基本合意時に100〜300万円、成約時に譲渡金額などに応じた成約報酬を受け取る仕組みです(決算説明資料p.47〜49)。持株会社化にあわせて、FA(ファイナンシャル・アドバイザー)とM&A戦略コンサルティングの新会社も設立しました(同p.30)。

強みは、全国9拠点の営業網と2,000以上の提携先(金融機関・会計事務所)から案件の紹介を受けるネットワーク、そして約19,000社の買収ニーズを蓄積したデータベースです(同p.24〜26)。2025年9月期の成約組数は275組で、国内M&A(推計約12,000組)に占めるシェアは約2%です(会社推計・同p.37)。

会社の基本情報は次のとおりです。

上場市場:東証プライム
業種:サービス業
決算月:9月(2021年に8月から変更)
連続増配:11年(2025年9月期時点)
株価:1,338円(2026年7月24日時点)
予想配当利回り:4.86%(2026年9月期 会社予想配当65円ベース)
配当権利確定:9月(年1回)


配当情報

ストライクグループは増配を続けていて、2025年9月期で11年連続増配になりました。1株あたりの年間配当は、2025年9月期の実績で60円です(分割調整後・期末のみの年1回)。なお上場(2016年6月)後の増配実績は9年です。2026年9月期の会社予想は65円(2026年4月に60円から増額修正)で、実施されれば12期連続の増配となります。

配当の方針は、2028年9月期まで1株65円を下限に固定したうえで、配当性向50%を維持し、50%を下回る場合は50%に達するまで増配するというものです。さらなる増配や自社株買いも状況に応じて機動的に検討するとしています(決算説明資料p.4・p.35)。

利益に対する配当の割合(配当性向)は73.2%と、桃モアイ基準の50%以下を上回っています。この点は「投資の留意点」で説明します。

📌 ストライクグループは2016年12月1日付(1株→3株)・2018年6月1日付(1株→2株)・2026年4月1日付(1株→3株)で株式分割を実施しています(累積で1株→18株)。本記事の配当額・EPSは、すべての分割をさかのぼって調整した「分割調整後」の基準で記載しています(株価は実際の取引価格のため調整しません)。

項目 内容
株価 1,338円(2026年7月24日時点)
予想配当利回り 4.86%(2026年9月期 会社予想配当65円ベース)
連続増配年数 11年(2025年9月期時点)
配当性向 73.2%(2025年9月期 実績)

出典:株価はYahoo!ファイナンス(2026年7月24日時点)、配当・配当性向は決算短信・IRBANK。予想配当利回りは2026年9月期の会社予想配当(1株65円・増額修正後)に基づき、株価の変動により変わります。配当性向は2025年9月期の実績(60円÷EPS81.93円=73.2%)です。連続増配年数は、株式分割をさかのぼって調整した配当実績ベース(IRBANK・決算短信)で、2015年8月期を増配1年目として実績11年と数えています(上場前の決算期を含みます)。

いちばん右の薄いグレーの棒は会社予想(2026年9月期)です。

ストライクグループ 1株あたりの配当の推移 11年連続増配

1株あたりの配当は、2016年8月期の1.94円から2025年9月期の60円まで増えました(分割調整後)。毎年ならすと約46.4%ずつ増やしてきた計算で、増配ペースはかなり速い部類です。2026年9月期は60円→65円と、約8.3%の増配予想です。


8指標分析の結果

ここからは、ストライクグループを私独自の8指標で見ていきます。8指標の詳しい説明はこちらの記事をご覧ください。

なお私が確認する8つの指標は、売上高・EPS(1株あたりの利益)・営業利益率・自己資本比率・営業活動によるCF(以下、営業CF)・現金等・1株あたりの配当・配当性向です。

指標 基準 ストライクグループ 判定
売上高 増加傾向 20.1億円→203.1億円(過去10年で約10.1倍)
EPS(1株あたりの利益) 安定して増加傾向 10.1円→81.9円(過去10年で約8.1倍)
営業利益率 5%以上 31.2%(直近期・実績)
自己資本比率 40%以上 86.7%(直近期・実績)
営業活動によるCF 過去10年すべてプラス 全期間プラス(過去10年のレンジは4.3億〜68.1億円)
現金等 増加傾向 23.8億円→201.5億円(過去10年で約8.5倍)
1株あたりの配当 10年以上連続増配 11年連続増配
配当性向 50%以下 73.2%(直近期・実績)

※判定欄の✅は桃モアイ基準を満たした指標、「-」は基準に届かなかった指標です。
※財務指標は2025年9月期(実績)。IRBANKおよび決算短信・決算説明資料をもとに桃モアイが独自に分析しています。「増加傾向」「安定して増加傾向」は過去10年の長期トレンドで判定し、一時的な減少はクリア扱いとしています。8指標のうち7つをクリアしました。配当性向73.2%は基準の50%以下を満たしていません(このあとのグラフと投資の留意点で説明します)。EPSは分割調整後で、2025年9月期は81円93銭です。2016〜2018年8月期の配当性向はIRBANK上に表示がないため、調整後の年間配当÷EPSとして桃モアイが算出しました。2021年に決算期を8月から9月へ変更しており、2021年9月期は13ヶ月の変則決算です。金額は表示桁未満を四捨五入しています。


グラフで見る業績の推移(過去10年・2016年8月期〜2025年9月期実績+2026年9月期予想)

ここからは、過去10年の業績をグラフで見ていきます。グラフは2016年8月期〜2025年9月期の実績で、会社予想のある系列は2026年9月期の予想もグレーで示しています。2026年9月期の予想は、第3四半期から移行する連結決算ベースの数値です。

売上高と営業利益率

売上高は、2016年8月期の20.1億円から2025年9月期の203.1億円へと、過去10年で約10.1倍に増えました。この10年は毎年増収で、2025年9月期も過去最高を更新しています。成約組数の増加(275組)に加えて、1組あたりの案件単価が上がってきたことが伸びを支えています(決算説明資料p.5・p.9)。2026年9月期は売上高225.2億円(10.9%増)の計画です。

営業利益率(売上に対する本業のもうけの割合)は過去10年31.2〜43.1%で推移し、直近は31.2%と基準の5%以上を大きく上回ります。直近の低下は、コンサルタントの増員に伴う人件費や、提携先からの紹介案件の増加に伴う案件紹介料など、将来の成長に向けた費用が先行しているためです(決算説明資料p.7・p.20)。2026年9月期の会社予想は32.5%です。

ストライクグループ 売上高と営業利益率の推移

EPS(1株あたりの利益)と配当性向

EPS(1株あたりの利益)は、過去10年で10.1円から81.9円へと約8.1倍になりました。単年で大きく落ち込んだ年はなく、2025年9月期の▲4.7%が唯一の減少です。それでも最新はピーク(2024年9月期の86.0円)の9割超の水準を保っており、2026年9月期の会社予想は87.2円と過去最高の計画です。

配当性向は2023年9月期まで20%台以下の低い水準でしたが、2024年9月期に35.3%、2025年9月期に73.2%へ切り上がりました。還元方針を配当性向35%から50%へ引き上げ(決算説明資料p.32)、さらに1株65円を下限とする配当に踏み込んだためです。2026年9月期の会社予想は74.5%です(65円÷予想EPS87.23円。グラフの破線)。

ストライクグループ EPSと配当性向の推移

営業活動によるCFと現金等

営業CF(本業で稼いだ現金)は、過去10年すべてプラスでした(レンジは4.3億〜68.1億円。最小は2016年8月期、最大は2023年9月期)。2025年9月期は38.5億円と前の年から減りましたが、過去10年では3番目に高い水準です。現金等(手元の現金)は、2016年8月期の23.8億円から2025年9月期の201.5億円へと約8.5倍に増えました。会社はこの手元資金を「守り102億円・攻め(成長投資)54億円・還元10億円」と使い道を区分して開示しています(決算説明資料p.34)。

ストライクグループ 営業CFと現金等の推移

自己資本比率

自己資本比率(会社の資産のうち、返す必要のないお金でまかなえている割合)は、過去10年78.3〜87.8%で推移し、直近は86.7%です。基準の40%以上を大きく上回ります。2025年9月期末は借入金がなく、総資産の8割以上を現金が占める身軽な財務です(決算短信)。

ストライクグループ 自己資本比率の推移


注目ポイント

受託・基本合意がともに過去最高、成約前の案件が積み上がる

2026年9月期の上期は、新規受託が636件(前年同期比+101件)、買い手との独占交渉に入る基本合意組数が208組(同+58組)と、いずれも上期として過去最高でした(決算説明資料p.4)。会社によると基本合意した案件の約8割が成約に至るため、成約の先行指標になります(同p.11)。受託残も1,425件へ増え、将来の売上のもとになる案件が厚く積み上がっています(同p.12)。

営業利益率31.2%・借入なしの高収益財務

営業利益率は直近でも31.2%と高く、自己資本比率86.7%・現金等201.5億円で2025年9月期末は借入金がありません。ROE(自己資本利益率)は23.6%(期中平均ベース)で、会社は連結ベースで25%以上の維持を目標に掲げています(決算説明資料p.32〜33)。

拡大するM&A市場、中期計画は売上300億円が目標

経営者の平均年齢は63.81歳まで上がり、休廃業・解散する会社も増えています(東京商工リサーチ調べ・決算説明資料p.39)。国内のM&A件数は推計約12,000組で、シェア約2%の同社には伸びしろがあります(同p.37)。中期経営計画では売上高の年平均成長率10〜20%を目標とし、2028年9月期に売上高300.0億円・営業利益100.9億円(いずれも連結)を計画しています(同p.21)。

いっぽうで、配当性向や今期の業績計画には確認しておきたい点もあります。次の「投資の留意点」で説明します。


投資の留意点

強みのある会社ですが、確認しておきたい点が3つあります。

第一に、配当性向が73.2%と、基準の50%を上回る点です。会社の方針そのものが「配当性向50%+1株65円の下限固定」という高還元の設計で、2026年9月期の予想ベースでも74.5%と50%を超える見込みです。65円は2028年9月期までの下限のため、配当性向が50%を上回る間は据え置きとなる公算が大きく、会社資料の試算でも2027年9月期61.5%・2028年9月期54.2%と50%超が続く前提です(決算説明資料p.35)。この場合、連続増配は2026年9月期の12期でいったん止まる可能性があります。下限を固定した還元のため急な減配は想定しにくい一方、増配の再開は利益の伸びしだいです。

第二に、2026年9月期は通期予想を期中に下方修正しており、達成は下期の成約増が前提である点です。買い手に占める上場企業の割合の増加や顧客の要請で、最終契約からクロージング(取引の実行)までの期間が延び、通期予想をいったん取り下げたうえで連結ベースで再設定しました(売上高243.5億円→225.2億円の実質的な下方修正。決算説明資料p.4・p.18)。上期の売上達成率は43.2%で、会社は好調な基本合意の積み上がりを背景に下期の挽回を見込んでいます(同p.8〜9)。

第三に、業界のルール整備と人材確保です。M&A仲介業界では中小M&Aガイドラインの改訂や資格制度創設の動きが進み、支援の質がこれまで以上に問われています。会社も、対応する工数や必要な知識が増え、コンサルタントが収益に貢献するまでの期間が長くなっていると説明しています(決算説明資料p.10・p.42〜43)。コンサルタントは増員計画(年間+55名)に対し、2026年3月末時点で17名の純減です。4月には新卒を含む50名が入社しており、会社は計画どおりの進捗と説明しています(同p.13)。なお2026年9月期第3四半期から連結決算へ移行するため、過去の数値との単純な比較がしにくくなる点にも留意が必要です。


まとめ

ストライクグループ(6196)は、後継者不在の中小企業の事業承継を支えるM&A仲介の大手で、2025年9月期で11年連続増配となった、8指標のうち7つをクリアした連続増配株です。強みと留意点を3点ずつにまとめると、次のとおりです。

【強み】
✅ 売上は過去10年で約10.1倍・毎年増収、EPSも約8.1倍に成長
✅ 営業利益率31.2%・自己資本比率86.7%・借入なしの高収益財務
✅ 11年連続増配、2028年9月期まで1株65円を下限とする還元方針

【留意点】
・配当性向73.2%と基準の50%を上回る(予想ベースも74.5%)
・連続増配は12期でいったん止まる可能性(増配再開は配当性向50%割れが条件)
・今期は通期予想を下方修正済みで、達成は下期の成約増が前提

9月に配当の権利が確定する銘柄です。下期の成約の進み具合と、利益の伸びによって配当性向50%割れ→増配再開の条件が近づくかをチェックしていきたい1社です。


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※業績・配当・受託や成約の件数・市場データは、ストライクグループの2026年9月期 第2四半期決算短信および決算説明資料(該当ページは本文中に記載)、2025年9月期以前の決算短信に基づきます。過去10年の各指標はIRBANKと決算短信を突合し、増減率の機械照合で確認しています。EPSは分割調整後(2025年9月期は81円93銭)。2016〜2018年8月期の配当性向は調整後の年間配当÷EPSとして桃モアイが算出しました。株式分割(2016年12月1日付・2018年6月1日付・2026年4月1日付)と上場の沿革は会社IRサイトの表記(効力発生日)に基づきます。2021年に決算期を8月から9月へ変更しており、2021年9月期は13ヶ月の変則決算です。株価・予想配当利回りはYahoo!ファイナンス(2026年7月24日時点)によります。

※本記事は情報提供を目的としており、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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