【13年連続増配】ノジマ(7419)を8指標分析

ノジマ(7419)連続増配株の8指標分析

最終更新日:2026年7月21日

13年連続増配・売上1兆円へ向かう家電量販店のノジマ

こんにちは。10年以上連続増配株の情報を発信している桃モアイです。家電量販店でありながらM&Aでキャリアショップやネット事業へ広がり、2027年3月期に売上1兆円をめざす会社があります。

今回は9月・3月に配当権利が確定する連続増配株の1社、ノジマ(証券コード:7419)を私独自の8指標で分析しました。

結論から言うと、ノジマは8つの指標をすべてクリアしました。13年連続の増配と、13年で約10倍になった速い増配ペースが強みですが、大型買収など確認しておきたい点もあります。理由は、このあとひとつずつ分かりやすく説明します。

📊 株価・利回りの基準日:2026年7月16日時点の値です
📊 財務指標は2026年3月期(実績)の数値を使用しています


ノジマとはどんな会社?

ノジマは、1959年に神奈川県相模原市で創業した家電量販大手です。1994年12月に株式を店頭登録(公開)し、2016年に東証一部へ市場変更、現在は東証プライム市場です。2026年3月には本社を東京・品川へ移しました。「メーカー販売員・携帯会社派遣がいない唯一の家電専門店」として、自社の従業員がフラットな立場でお客様に合う商品を提案する「コンサルティングセールス」を強みにしています(会社説明資料)。

M&Aで事業の幅を広げてきたのも特徴です。売上の内訳は、キャリアショップ運営(約39.9%)、デジタル家電専門店運営(約34.2%)、海外(約8.8%)、インターネット(約7.4%)、プロダクト(約6.6%)、メディア(約2.5%)です(2026年3月期・外部顧客への売上高ベース。このほか金融・その他の小さい区分があり、構成比は四捨五入のため合計は100%になりません)。@niftyのニフティ、パソコンのVAIO、コネクシオなどをグループに持ち、店舗数は国内外で1,293店舗です(2026年3月期末)。

会社の基本情報は次のとおりです。

上場市場:東証プライム
業種:小売業
決算月:3月
連続増配:13年(2026年3月期時点)
株価:1,338円(2026年7月16日時点)
予想配当利回り:1.49%(2027年3月期 会社予想配当20円ベース)
配当権利確定:9月・3月(年2回)


配当情報

ノジマは増配を続けていて、2026年3月期で13年連続増配になりました。1株あたりの年間配当は、分割調整後で2026年3月期が17.7円(前期比+17.8%)です。会社は「13期連続増配・13年で10倍の配当額」と説明しています(決算説明資料p.20)。配当性向(利益のうち配当に回す割合)は、2026年3月期の実績で13.1%でした。

2027年3月期の会社予想は20円(前期比+13.2%)で、実施されれば14期連続の増配です。なお2025年3月期の配当には、上場30周年の記念配当(調整後約0.7円)が含まれています(決算短信)。

📌 株式分割と本記事の基準:ノジマは過去10年で2回、2022年10月に1株→2株、2025年10月(効力発生日:2025年10月11日)に1株→3株の株式分割を実施しました。累積では1株→6株です。本記事の株価・配当・EPSはすべて分割後の基準で記載しています(過去の配当・EPSは分割をさかのぼって調整した「調整後」の金額、株価は実際の取引価格です)。なお対象期間の外でも、2015年7月に1株→2株の分割を行っています。

項目 内容
株価 1,338円(2026年7月16日時点)
予想配当利回り 1.49%(2027年3月期 会社予想配当20円ベース)
連続増配年数 13年(2026年3月期時点)
配当性向 13.1%(2026年3月期 実績)

出典:株価はYahoo!ファイナンス(2026年7月16日時点)、配当は決算短信・決算説明資料。予想配当利回りは株価の変動により変わります。配当性向は2026年3月期の実績(調整後の年間配当17.7円÷EPS134.6円=13.1%、決算短信の公表値と一致)です。連続増配年数は、2014年3月期を増配1年目として実績ベースで13年と数えています(2013年3月期は前期と同額のため起点に含めません)。

いちばん右の薄いグレーの棒は会社予想(2027年3月期)です。

ノジマ 1株あたりの配当の推移 13年連続増配

1株あたりの配当は、調整後で2017年3月期の4.2円から2026年3月期の17.7円まで、約4.2倍に増えました。年平均の増配率は約17.4%と速いペースです。


8指標分析の結果

ここからは、ノジマを私独自の8指標で見ていきます。

8指標の詳しい説明はこちらの記事をご覧ください。

なお私が確認する8つの指標は、売上高・EPS(1株あたりの利益)・営業利益率・自己資本比率・営業活動によるCF(以下、営業CF)・現金等・1株あたりの配当・配当性向です。

指標 基準 ノジマ 判定
売上高 増加傾向 4,321億円→9,828億円(過去10年で約2.3倍)
EPS(1株あたりの利益) 安定して増加傾向 34.7円→134.6円(過去10年で約3.9倍)
営業利益率 5%以上 5.9%(直近期・実績)
自己資本比率 40%以上 40.8%(直近期・実績)
営業活動によるCF 過去10年すべてプラス 全期間プラス(203.9億〜582.0億円)
現金等 増加傾向 62.8億円→963.0億円(過去10年で約15.3倍)
1株あたりの配当 10年以上連続増配 13年連続増配
配当性向 50%以下 13.1%(直近期・実績)

※判定欄の✅は桃モアイ基準を満たした指標です。
※財務指標は2026年3月期(実績)。IRBANKおよび決算短信をもとに桃モアイが独自に分析しています。「増加傾向」「安定して増加傾向」は過去10年の長期トレンドで判定し、一時的な減少はクリア扱いとしています。2026年3月期は増収増益で、売上高と営業利益は過去最高を更新しました(会社開示)。8指標すべてをクリア。なおEPSの2021年3月期には、スルガ銀行等の持分法による投資利益251億円(一過性)を含み、翌期の減少はその反動です。EPSは決算短信の公表値を使用し、配当・EPSは2022年・2025年の株式分割を遡って調整した調整後の金額です。金額は四捨五入で表示しています。投資判断の参考としてご活用ください。


グラフで見る業績の推移(過去10年・2017年〜2026年実績+2027年予想)

ここからは、過去10年(いずれも3月期)の業績をグラフで見ていきます。会社予想のある系列は、いちばん右にグレーで2027年3月期の予想を示しています。

売上高と営業利益率

売上高は、2017年3月期の4,321億円から2026年3月期の9,828億円へと、過去10年で約2.3倍に増えました。2018年3月期以降はほぼ一貫して増収で、直近3期は2桁の伸びが続いています。営業利益率(売上に対する本業のもうけの割合)は過去10年3.4〜6.5%で推移しました。2024年3月期は4.0%まで下がりましたが、直近2期は5.7%→5.9%と持ち直し、基準の5%以上をクリアしています。2027年3月期の会社予想は売上1兆円・営業利益率5.9%です。

ノジマ 売上高と営業利益率の推移

EPS(1株あたりの利益)と配当性向

EPSは、調整後で2017年3月期の34.7円から2026年3月期の134.6円へと、過去10年で約3.9倍になりました。2021年3月期の178.1円にはスルガ銀行等の持分法による投資利益251億円(一過性)が含まれ、翌2022年3月期はその反動で▲51.1%と減少しています(決算説明資料p.11)。この1年を除けば単年▲30%超の急落はなく、134.6円は実質的な過去最高です。配当性向は過去10年4.3〜16.2%と低く、直近は13.1%です。2027年3月期の会社予想は、EPS165.9円・配当性向12.1%です。

ノジマ EPSと配当性向の推移

営業活動によるCFと現金等

営業CF(本業で稼いだ現金)は、過去10年すべてプラスでした。レンジは203.9億〜582.0億円(最小は2017年3月期、最大は2024年3月期)で、直近の2026年3月期は575.8億円です。現金等(手元の現金)は、2017年3月期の62.8億円から2026年3月期の963.0億円へと過去10年で約15.3倍に増えました。2026年3月期は、営業CFに加えて子会社株式の売却による収入などもあり、大きく積み上がっています(決算短信)。

ノジマ 営業CFと現金等の推移

自己資本比率

自己資本比率(会社の資産のうち、返す必要のないお金でまかなえている割合)は、過去10年23.0〜41.8%で推移しています。大型M&Aで資産が膨らんだ年に下がりやすく、2023年3月期は28.1%でした。直近の2026年3月期は40.8%と前期から8.4ポイント上昇し、基準の40%以上を上回りました。上昇の主な要因は、金融事業の売却で総資産が圧縮されたことと、利益剰余金が積み上がったことです(決算短信)。

ノジマ 自己資本比率の推移


注目ポイント

売上1兆円へ。売上・営業利益とも過去最高を更新

2026年3月期は、売上9,828億円(+15.2%)・営業利益580億円(+20.1%)・純利益389億円(+20.6%)の増収増益で、売上高と営業利益は過去最高を更新しました(決算短信)。エアコン・パソコンの需要やキャリアショップの人材育成が業績を支えています。2027年3月期は売上1兆円・営業利益590億円と、さらに増収増益の計画です。

「メーカー販売員がいない家電専門店」×M&Aで広がる事業

ノジマはコンサルティングセールスを軸にしながら、M&Aで隣接する事業を取り込んできました。キャリアショップのITX・コネクシオ、ネットのニフティ、パソコンのVAIO、メディアのAXNなどが加わり、家電とキャリアショップで売上の約7割を占めつつ、収益の柱を複数持つ構成になっています。

13年で配当約10倍、配当性向13.1%と残る増配余力

増配のペースは速く、会社も「13年で10倍の配当額」と説明しています(決算説明資料p.20)。それでも配当性向は13.1%と低い水準です。利益の1割強しか配当に回していないため、業績の伸びに合わせて増配を続ける余力が大きく残っています。

いっぽうで、大型買収と財務、いまの配当利回りには確認しておきたい点もあります。次の「投資の留意点」で分かりやすく説明します。


投資の留意点

強みのある会社ですが、確認しておきたい点が3つあります。

第一に、日立の家電事業を概算1,100億円で買収する予定がある点です。2026年4月、日立グローバルライフソリューションズの家電事業を承継する新会社の株式80.1%を取得する契約の締結を決議しました(決算短信・重要な後発事象)。企業結合は2027年3月期中の予定で、資金調達のための特別目的会社を設立しています。借入やのれんの増加など財務への影響は、これからの開示で確認が必要です。

第二に、自己資本比率が40.8%と、基準の40%をわずかに上回る水準にとどまる点です。過去10年は23.0〜41.8%で推移し、大型M&Aの年には低下しています。のれん372億円を含む無形固定資産984億円を抱えており(2026年3月期末)、買収した事業の採算が想定を下回れば減損のリスクもあります。今回の買収でも、財務の数値は再び動く可能性があります。

第三に、予想配当利回りが1.49%と低めである点です。増配ペースは速いものの、株価に対していま受け取れる配当は控えめです。高い利回りを重視する方には物足りない可能性があり、増配と事業の成長をじっくり待てるかがポイントになります。


まとめ

ノジマ(7419)は、2026年3月期で13年連続増配となった、8指標すべてをクリアした連続増配株です。強みと留意点を3点ずつにまとめると、次のとおりです。

【強み】
✅ 売上・営業利益とも過去最高を更新。2027年3月期は売上1兆円の計画
✅ 13年で配当約10倍・年平均約17.4%の増配ペース。配当性向13.1%と増配余力が大きい
✅ 営業CFは10年連続プラスで直近575.8億円、現金等963.0億円と手元資金が厚い

【留意点】
・日立の家電事業を概算1,100億円で買収予定。財務への影響はこれからの開示を確認
・自己資本比率は40.8%と基準ぎりぎりで、M&Aの年に低下しやすい
・予想配当利回りは1.49%と低め。いまの配当より増配の成長を取る銘柄

9月・3月に配当の権利が確定する、予想利回り1.49%の銘柄です。売上1兆円と日立の家電事業の統合がどう進むか、注目したい1社です。


連続増配株への投資を始めるには、証券口座が必要です。どの証券会社で始めるか迷っている方は、こちらの記事で楽天証券とSBI証券を比較しています。

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※出典:2026年3月期 決算短信(業績・財務・株式分割・日立の家電事業の買収=重要な後発事象)、2026年3月期 決算説明資料(p.11 一過性利益/p.20 配当)、IRBANK(過去10年の各系列)、Yahoo!ファイナンス(株価・2026年7月16日時点)。配当・EPSは2022年10月(1株→2株)・2025年10月11日効力発生日(1株→3株)の分割を遡って調整した調整後の金額で、EPSは決算短信の公表値です。2023年3月期の配当性向はIRBANKの決算まとめの表に表示がないため、調整後の年間配当9.3円÷EPS79.6円=11.7%として桃モアイが算出しています(IRBANKの配当ページでは端数処理の差により11.8%と表示)。

※本記事は情報提供を目的としており、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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