【18年連続増配】コスモス薬品(3349)を8指標分析

コスモス薬品(3349)連続増配株の8指標分析

最終更新日:2026年8月16日

18年連続増配・売上1兆円超のディスカウントドラッグストア大手

こんにちは。10年以上連続増配株の情報を発信している桃モアイです。

食品や日用品の値上がりが続き、少しでも安いお店でまとめ買いしたい場面が増えました。コスモス薬品は2026年5月期に105店舗を新規出店し、店舗数は全国1,708店まで広がっています。

今回は5月・11月に配当権利が確定する連続増配株の1社、コスモス薬品(証券コード:3349)を私独自の8指標で分析しました。

結論から言うと、コスモス薬品は8つのうち7つをクリアでした(営業利益率のみ基準に届きませんでした)。18年連続増配と、売上高10年で約2.2倍・1兆円超の成長力が見どころの銘柄です。一方で、利益率や来期の利益見通しには、確認しておきたい点もあります。理由も含めて、このあとひとつずつ分かりやすく説明します。

📊 株価・利回りの基準日:2026年8月14日時点の値です
📊 財務指標は2026年5月期(実績)の数値を使用しています


コスモス薬品とはどんな会社?

コスモス薬品は、九州を地盤に郊外型の大型店を展開するディスカウントドラッグストアの大手です。食品の取り扱いが多く、「毎日低価格」を掲げて日用品から食品までをまとめ買いできる独自のモデルが特徴で、売上の6割超を一般食品が占めます。店舗網は九州から関東・中部・関西へと全国に広がっています。

薄い利幅で大きな商いを回すビジネスのため、店舗網の拡大がそのまま売上の伸びにつながりやすく、売上高は過去10年で約2.2倍に増え、2026年5月期は1兆995億円となりました。売上高は業界でもトップクラスの規模です。

一方で、毎日低価格を掲げる業態のため、売上に対する本業のもうけ(営業利益率)が構造的に低くなりやすいという特徴もあります。この点はあとの「投資の留意点」でも触れます。

会社の基本情報は次のとおりです。

上場市場:東証プライム
業種:小売業
決算月:5月
連続増配:18年(2026年5月期時点)
株価:6,584円(2026年8月14日 東証終値)
予想配当利回り:1.28%(2027年5月期 会社予想ベース)
配当権利確定:5月・11月(年2回)


配当情報

コスモス薬品は増配が始まった2009年5月期から増配を続けており、2026年5月期で18年連続増配となりました。年間配当は2026年5月期の実績が82円(中間37.50円+期末44.50円)です。期初の会社予想は年間75円でしたが、決算発表(2026年7月13日)にあわせて期末配当を44.50円へ増額し、82円で着地しました。2027年5月期の会社予想は84円(中間42円+期末42円)で、前期から増配の見通しです。

📌株式分割について:コスモス薬品は過去に2回の株式分割を行っています(2020年6月1日付・2024年9月1日付の効力発生日で、いずれも1株を2株。累積で1株が4株になりました)。本記事のEPS・配当は分割後の基準で統一しており、グラフ・表の過去の数値は2回の分割をさかのぼって調整した「調整後」の金額です。株価は現在の実際の取引価格(もともと分割後の水準)のため、そのまま表示しています。
項目 内容
株価 6,584円(2026年8月14日 東証終値)
予想配当利回り 1.28%(2027年5月期 会社予想ベース)
連続増配年数 18年(2026年5月期時点)
配当性向 20.3%(2026年5月期 実績)

出典:株価は東証終値(2026年8月14日時点)、配当は2026年5月期 決算短信。予想配当利回りは2027年5月期の会社予想配当(年間84円)に基づきます。株価変動により利回りは変わります。連続増配年数は、増配が始まった2009年5月期を1年目として2026年5月期まで18期連続として数えています(このあとの推移グラフは過去10年分にあたる2017年5月期〜2026年5月期を表示しています)。

いちばん右の薄いグレーの棒は会社予想(2027年5月期)です。

コスモス薬品 1株あたりの配当の推移 18年連続増配

過去10年でみると、1株あたりの配当は20円から82円へと約4.1倍になりました(いずれも分割をさかのぼって調整した「調整後」の金額です)。2017年から2026年までの9期で、年平均(年率換算)約17.0%の増配ペースです。コスモス薬品は2024年に株主優待制度を廃止し、配当による還元へ一本化したうえで、累進配当(原則として減配せず、配当を維持・増配していく方針)を基本方針に掲げています。


8指標分析の結果

ここからは、コスモス薬品を私独自の8指標で見ていきます。

8指標の詳しい説明はこちらの記事をご覧ください。

なお私が確認する8つの指標は、売上高・EPS(1株あたりの利益)・営業利益率・自己資本比率・営業活動によるCF(以下、営業CF)・現金等・1株あたりの配当・配当性向です。

指標 基準 コスモス薬品 判定
売上高 増加傾向 5,027億円→1兆995億円(10年で約2.2倍) ✅
EPS(1株あたりの利益) 安定して増加傾向 230.00円→404.33円(10年で約1.8倍) ✅
営業利益率 5%以上 3.85% -
自己資本比率 40%以上 47.6% ✅
営業活動によるCF 過去10年すべてプラス 全期間プラス(278〜654億円) ✅
現金等 増加傾向 277億円→532億円(10年で増加) ✅
1株あたりの配当 10年以上連続増配 18年連続増配 ✅
配当性向 50%以下 20.3% ✅

※判定欄の✅は桃モアイ基準を満たした指標、「-」は基準に届かなかった指標です。
※財務指標は2026年5月期(実績)。IRBANKのデータをもとに桃モアイが独自に分析。なお8指標の「増加傾向」「安定して増加傾向」は過去10年の長期トレンドで判定しており、一時的な減少はクリア扱いとしています。2026年5月期は増収増益となりました。8指標のうち7つをクリア。営業利益率は、毎日低価格を掲げるディスカウントドラッグストアの薄利多売モデルのため基準に届きませんでした。金額は億円未満を切り捨てて表示しています。投資判断の参考としてご活用ください。


グラフで見る業績の推移(過去10年・2017年〜2026年実績+2027年予想)

ここからは、過去10年の業績をグラフで確認していきます。薄いグレーの棒は会社予想(2027年5月期)です。

売上高と営業利益率

売上高は5,027億円から1兆995億円へと、10年で約2.2倍に増えました。増収は35期連続で、営業利益・経常利益・純利益もそろって過去最高を更新しています(2026年5月期 決算説明資料)。2027年5月期は1兆1,900億円と、さらに増収の会社予想です。営業利益率(売上に対する本業のもうけの割合)はおおむね3〜4%台で推移し、直近の2026年5月期は3.85%でした。桃モアイ基準の5%は下回る水準です。理由は「投資の留意点」でくわしく説明します。

コスモス薬品 売上高と営業利益率の推移

EPS(1株あたりの利益)と配当性向

EPS(1株あたりの利益)は230.00円から404.33円へと、10年で約1.8倍に伸びました。2018年に小幅な減少があり、2022年には342.9円から292.4円へと前期比14.7%の減少がありましたが、その後は持ち直して2026年に過去最高を更新しています。なお2027年5月期のEPSは387.35円と、前期比4.2%の減少となる会社予想です。積極的な新規出店にともなう費用が先行しているためとみられ、くわしくは「投資の留意点」で説明します。配当性向(利益のうち配当に回す割合)は8.7%から20.3%へと、利益の成長を上回るペースで増配が進み、緩やかに上昇してきました。直近の20.3%は、桃モアイ基準の50%に大きく余裕があります。

コスモス薬品 EPSと配当性向の推移

営業活動によるCFと現金等

営業CF(本業で稼いだ現金)は、過去10年すべてプラスで、278億円から654億円のレンジで推移しています。直近の2026年5月期は587億円と、前期からさらに増えました。現金等(決算書の「現金及び現金同等物」)は277億円から532億円へと10年で増えています。なお直近は570億円から532億円へ約6.7%減りましたが、これは出店を加速して投資に使う現金(有形固定資産の取得704億円など)が増えたことが主因で、本業のキャッシュ創出はむしろ拡大しています。10年の長期でみれば、手元資金は着実に積み上がっています。

コスモス薬品 営業CFと現金等の推移

自己資本比率

自己資本比率(会社の資産のうち、返す必要のないお金でまかなえている割合)は、41.2%から47.6%へと10年で改善しました。直近の2026年5月期は前期の49.1%から低下していますが、これは出店投資で店舗などの固定資産と借入金が増え、総資産がふくらんだためです。自己資本の額自体は2,574億円から2,837億円へむしろ増えています。桃モアイ基準の40%は上回る水準です。

コスモス薬品 自己資本比率の推移


注目ポイント

18年連続増配・年平均約17.0%の増配ペース

1株あたりの配当は18年連続で増えています(2026年5月期時点)。増配ペースは2017年から2026年までの9期で年平均約17.0%と高く、2026年5月期は期初予想の75円から上積みして82円で着地しました。2024年には株主優待制度を廃止して還元を配当へ一本化し、累進配当を基本方針に掲げています。2027年5月期も年間84円と増配の会社予想です。

売上1兆円超・35期連続の増収

九州を地盤に郊外型の大型店を展開するディスカウントドラッグストアの大手で、食品の取り扱いが多く「毎日低価格」を掲げる独自のモデルが特徴です。2026年5月期は105店舗を新規出店して店舗数は1,708店となり、売上高は10年で約2.2倍・1兆995億円まで伸びました。増収は35期連続で、売上高は業界でもトップクラスの規模です。

財務は良好・営業活動によるCFは10年すべてプラス

自己資本比率は41.2%から47.6%へと10年で改善し、桃モアイ基準の40%を上回っています。営業CFは過去10年すべてプラスで、直近は587億円と高水準です。現金等も277億円から532億円へと積み上がっており、増配と出店投資を支える土台となっています。

いっぽうで、営業利益率や来期の利益見通しには確認しておきたい点もあります。次の「投資の留意点」でくわしく説明します。


投資の留意点

確認しておきたい点が3つあります。

第一に、営業利益率が3.85%で、桃モアイ基準の5%を下回る点です。これは毎日低価格を掲げ、薄い利幅で大きな商いを回すディスカウントドラッグストアのモデルによるものです。売上やEPSは大きく伸びているものの、売上に対する本業のもうけの割合という観点では、基準を下回る水準が続いています。2027年5月期の会社予想でも3.61%と、同じ水準の見込みです。

第二に、2027年5月期は純利益とEPSが減少する会社予想となっている点です。売上高は1兆1,900億円と増収、営業利益・経常利益も増益の予想ですが、純利益は前期比4.2%減、EPSも387.35円と減少の見込みです。積極的な新規出店にともなう費用が先行しているためとみられ、有利子負債(借入金ベース)も428億円から706億円へ増えています。出店投資が将来の成長と利益の伸びにつながっていくかは、今後の見どころです。

第三に、予想配当利回りが1.28%と低めで、株主優待も廃止されている点です。予想PERは約17.0倍・PBRは約1.8倍(いずれも桃モアイ自算)で、株価が特別に割高というより、配当性向が20.3%と低く、利益の多くを出店投資に回しているために利回りが低くなっています。また1単元(100株)の購入には約66万円が必要な値がさ株のため、少額から始めたい場合は単元未満株の活用も選択肢になります。配当利回りや優待を重視する場合は、この点をふまえて検討するとよいでしょう。


まとめ

コスモス薬品(3349)は、2026年5月期で18年連続増配となった、8指標のうち7つをクリアした連続増配株です。強みと留意点を3点ずつにまとめると、次のとおりです。

【強み】
✅ 18年連続増配・年平均約17.0%の増配ペース(累進配当を基本方針)
✅ 売上高は10年で約2.2倍・1兆円超、35期連続の増収
✅ 自己資本比率47.6%・営業CFは10年すべてプラス・配当性向20.3%と余裕

【留意点】
・営業利益率は3.85%で基準(5%以上)を下回る(ディスカウントドラッグストアの薄利多売モデル)
・2027年5月期は純利益・EPSが減少の会社予想(積極出店の費用先行とみられます)
・予想配当利回りは1.28%と低め+株主優待は廃止済み(配当へ一本化)

5月・11月に配当権利が確定する銘柄です。長期の増配実績と1兆円規模の成長力をあわせ持つ1社として、今後の決算もチェックしていきます。


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※本記事の財務数値は、コスモス薬品の2026年5月期 決算短信・決算説明資料および過去の決算短信、IRBANKのデータに基づきます。株価は東証終値(2026年8月14日時点)です。

※本記事は情報提供を目的としており、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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