【22年連続増配】ニトリホールディングス(9843)を8指標分析

ニトリホールディングス(9843)連続増配株の8指標分析

最終更新日:2026年6月23日

22年連続増配・家具インテリア最大手の連続増配株

こんにちは。10年以上連続増配株の情報を発信している桃モアイです。

今回は9月・3月に配当権利が確定する連続増配株の1社、ニトリホールディングス(証券コード:9843)を私独自の8指標で分析しました。

結論から言うと、ニトリホールディングスは8指標すべてをクリアでした。売上高・EPS・営業利益率・自己資本比率・営業活動によるCF・現金等・連続増配・配当性向の8つを、いずれも基準どおりに満たしています。家具・インテリアの製造小売で国内最大手で、2026年3月期で22年連続増配となりました。営業利益率は13.8%、自己資本比率は62.9%、営業活動によるCFは過去10年すべてプラスと、財務の土台はかなり強固です。

📊 株価・利回りの基準日:2026年6月22日時点の値です
📊 財務指標は2026年3月期(実績)の数値を使用しています


ニトリホールディングスとはどんな会社?

ニトリホールディングスは、家具・インテリア用品の企画から製造・物流・販売までを自社で一貫して手がける「製造物流小売業(SPA)」の国内最大手です。「お、ねだん以上。」のキャッチコピーで知られ、家具専門店「ニトリ」や小型店「デコホーム」、2021年2月期に子会社化したホームセンター「島忠」などを国内外で展開しています。近年は中国・台湾・東南アジアなど海外への出店や、EC(ネット通販)にも力を入れています。

事業は2つのセグメントに分かれます。中核の「ニトリ事業」は2026年3月期の売上収益8,161億円・営業利益1,183億円(営業利益率14.5%)で、グループの大半を占めます。「島忠事業」は売上収益1,102億円・営業利益72億円で、前期の営業赤字(▲12億円)から黒字へ転換しました。なお、2つの事業の売上の単純合計は、セグメント間取引消去前の数値のため、連結売上収益(9,122億円)とは一致しません。店舗数は2026年3月期末で1,069店(国内860店・海外209店)です。海外は前期に中国の不採算店の整理を進めたため一時的に純減しましたが、台湾や東南アジアでは出店を続けており、2027年3月期は国内外あわせて143店の純増(うち海外82店・期末1,212店)を計画しています。

2026年3月期は、売上収益(IFRSでの売上高にあたります)9,122億円(前期比1.8%減)、営業利益1,255億円(同6.7%増)、当期利益892億円(同8.1%増)と、減収ながら増益で着地しました。売上は国内の消費環境などの影響でわずかに減ったものの、円安の落ち着きによる仕入コスト改善や原価低減で利益を伸ばし、営業利益率は前期の12.7%から13.8%へ回復しています。なお当社はIFRS(国際会計基準)を採用しています。

会社の基本情報は次のとおりです。

上場市場:東証プライム・札証
業種:小売業(家具・インテリア)
決算月:3月
連続増配:22年(2026年3月期時点)
株価:2,336円(2026年6月22日時点)
予想配当利回り:1.37%(2027年3月期 会社予想ベース)
配当権利確定:9月・3月(年2回)


配当情報

ニトリホールディングスは、2026年3月期で22年連続増配となりました。年間配当(分割をさかのぼって調整した「調整後」の金額)は、2026年3月期の実績が30.8円です。2027年3月期の会社予想は32円で、前期から増配となる見通しです(達成すれば23年連続増配)。配当性向はまだ20%前後と低く、利益に対して配当を増やす余地は大きい状態です。

項目 内容
株価 2,336円(2026年6月22日時点)
予想配当利回り 1.37%(2027年3月期 会社予想ベース)
連続増配年数 22年(2026年3月期時点)
配当性向 19.5%(2026年3月期 実績)

出典:株価はYahoo!ファイナンス(2026年6月22日時点)、配当は2026年3月期 決算短信。予想配当利回りは2027年3月期の会社予想配当(32円)に基づきます。株価変動により利回りは変わります。配当性向は2026年3月期の実績(年間配当30.8円÷EPS158.0円)です。

📌株式分割について:ニトリホールディングスは2025年10月1日付で普通株式1株を5株に分割しています(過去10年ではこの1回。これ以前にも2014年2月などに分割を行っています)。本記事のEPS・1株あたりの配当は、これらの分割をさかのぼって調整した「調整後」の金額で表示・集計しています(株価は実際の取引価格のため調整しません)。

いちばん右の薄いグレーの棒は会社予想(2027年3月期)です。

ニトリホールディングス 1株あたりの配当の推移 22年連続増配

1株あたりの配当(調整後)は、2017年2月期の16.4円から2026年3月期は30.8円へと、過去10年で約1.9倍になりました。2017年から2026年までの9期で、年平均(年率換算)約7.3%の増配ペースです。2027年3月期は32円の会社予想で、達成すれば23年連続増配となります。


8指標分析の結果

ここからは、ニトリホールディングスを私独自の8指標で見ていきます。

8指標の詳しい説明はこちらの記事をご覧ください。

指標 基準 ニトリHD 判定
売上高 増加傾向 5,129億円→9,122億円(過去10年で増加)
EPS(1株あたりの利益) 安定して増加傾向 108.2円→158.0円(過去10年で右肩上がり・急落なし)
営業利益率 5%以上 13.8%
自己資本比率 40%以上 62.9%
営業活動によるCF 過去10年すべてプラス 全期間プラス(768〜1,811億円)
現金等 増加傾向 660億円→1,450億円(過去10年で増加)
1株あたりの配当 10年以上連続増配 22年連続増配
配当性向 50%以下 19.5%

※判定欄の✅は桃モアイ基準を満たした指標です。
※財務指標は2026年3月期(実績)。IRBANKのデータをもとに桃モアイが独自に分析。8指標表の「売上高」は、IFRSでの「売上収益」を指します。EPSは期中の加重平均株式数をもとに算出された値です。自己資本比率は会計基準により表記が異なり、IFRS採用企業ではIRBANK上「株主資本比率」と表示されます。なお8指標の「増加傾向」「安定して増加傾向」は過去10年の長期トレンドで判定しており、一時的な減少はクリア扱いとしています。2026年3月期は売上収益が前期比1.8%減となりましたが、営業利益・当期利益は増益でした。EPSは2025年3月期に一度落ち込みましたが、2026年3月期に回復し、ピーク(2022年2月期)比でも約9割の水準を保っています。なお2023年3月期は決算期変更(2月期→3月期)により13か月の変則決算で、売上・利益が見かけ上やや大きく出ています。ニトリHDは8指標すべてをクリアしています。金額は億円未満を切り捨てて表示しています。投資判断の参考としてご活用ください。


グラフで見る業績の推移(過去10年・2017年〜2026年実績+2027年予想)

ここからは、過去10年の業績をグラフで確認していきます。なお2023年3月期は決算期変更により13か月の変則決算となっている点にご留意ください。

売上高と営業利益率

売上収益は2017年2月期の5,129億円から、2026年3月期は9,122億円へと、長期では着実に伸びています(直近は前期比1.8%の減収)。国内の出店・改装に加え、海外事業やEC、島忠事業の取り込みが規模拡大を支えてきました。営業利益率(売上に対する本業のもうけの割合)は、2021年2月期の19.2%をピークに低下しましたが、2026年3月期は13.8%と桃モアイ基準の5%を大きく上回っています。なお2027年3月期は13.6%の見込みです。

ニトリホールディングス 売上高と営業利益率の推移

EPS(1株あたりの利益)と配当性向

EPS(1株あたりの利益)は、2017年2月期の108.2円から2026年3月期は158.0円へと、長期で右肩上がりです。ピークは2022年2月期の171.3円で、その後2025年3月期の146.1円まで一度落ち込みましたが、2026年3月期に158.0円へ回復しました。途中に大きく落ち込む年(前期比30%超の急落)はなく、ピーク比でも約9割の水準です。配当性向(利益のうち配当に回す割合)は、おおむね15〜20%台で推移し、2026年3月期は19.5%でした。桃モアイ基準の50%以下を大きく下回り、増配の余地は大きい状態です。

ニトリホールディングス EPSと配当性向の推移

営業活動によるCFと現金等

営業活動によるCF(本業で稼いだ現金)は、2017年2月期の779億円から2026年3月期は1,489億円へと増え、過去10年すべての期でプラスを確保しています(768〜1,811億円のレンジ)。本業でしっかり現金を稼げている状態です。現金等(決算書の「現金及び現金同等物」)は、660億円から1,450億円へと過去10年で増えています(直近2026年3月期末は1,450億円)。出店・改装やM&A、株主還元へ資金を使いながらも、手元資金は厚く積み上がっています。

ニトリホールディングス 営業CFと現金等の推移

自己資本比率

自己資本比率(会社の資産のうち、返す必要のないお金でまかなえている割合)は、過去10年を通して50%台後半〜80%台で推移しています。2021年2月期以降は島忠の子会社化などで一時60〜70%台へ下がりましたが、2026年3月期は62.9%でした。桃モアイ基準の40%を大きく上回る、余裕のある財務状態です。IFRS採用企業のため、IRBANK上は「株主資本比率」と表示されます。

ニトリホールディングス 自己資本比率の推移


注目ポイント

2026年3月期で22年連続増配、配当性向は20%前後と低水準

ニトリホールディングスは2026年3月期で22年連続増配となりました。1株あたりの配当(調整後)は2017年2月期の16.4円から2026年3月期は30.8円へと、9期で年平均約7.3%のペースで増えています。2027年3月期は32円の会社予想で、達成すれば23年連続増配となります。

家具・インテリアの製造小売で国内最大手、海外・EC・島忠も

ニトリホールディングスは家具・インテリアSPAの国内最大手で、中核のニトリ事業(2026年3月期 売上収益8,161億円・営業利益率14.5%)が利益の柱です。これに前期の赤字から黒字転換した島忠事業(売上収益1,102億円)が加わり、家具専門店「ニトリ」、小型店「デコホーム」、アパレルの「Nプラス」などを展開しています。国内860店・海外209店の計1,069店を構え、中国では不採算店の整理を進めつつ、台湾・東南アジアでの出店とECの拡大で成長を図っています。

営業CFと自己資本比率が示す、強固な財務基盤

営業活動によるCFは過去10年すべてプラス(768〜1,811億円)で、現金等は660億円から1,450億円へと増えています。自己資本比率も62.9%と高く、桃モアイ基準を大きく上回ります。配当性向が低いことと合わせ、財務の余力と増配の余地を両立している点が、連続増配株としての安心感につながっています。具体的な数値は前のグラフのとおりです。

今後の見どころ:利益率の回復と海外事業

営業利益率はコロナ特需が落ち着いた2021年2月期をピークに低下し、直近2026年3月期は13.8%へ回復しました。今後、国内の消費環境や為替の影響を受けながら、利益率と海外事業をどう伸ばしていくかが見どころです。確認しておきたい点は次の「投資の留意点」で説明します。


投資の留意点

8指標はすべてクリアしていますが、確認しておきたい点が3つあります。

第一に、近年の増配幅が小さくなっている点です。配当性向は20%前後と低く余地はあるものの、1株あたりの配当(調整後)は2023年3月期以降、29.2円→29.4円→30.4円→30.8円と、ここ数年は年あたり1円前後の小幅な増配にとどまっています。2027年3月期の会社予想32円も前期比1.2円の増配です。今後の増配ペースは、配当の原資となるEPS(1株あたりの利益)の伸び次第という面があります。

第二に、営業利益率がピークから低下している点です。営業利益率は2021年2月期の19.2%をピークに、2025年3月期は12.7%まで下がりました。直近2026年3月期は13.8%へ回復しましたが、コロナ特需の反動に加え、円安による輸入コストや国内の消費環境の影響を受けやすい面があります。利益率の回復が続くかは引き続き確認しておきたいところです。

第三に、海外比率の拡大と為替の影響です。海外への出店を進めるなかで、為替(特に円安)が仕入れコストや海外事業の収益に影響します。また、2023年3月期は決算期変更(2月期→3月期)により13か月の変則決算となっており、前後の期と単純に比べると増収増益が見かけ上大きく出ています。グラフを見る際はこの点も踏まえておくと安心です。


まとめ

ニトリホールディングスは、家具・インテリアの製造小売で国内最大手の連続増配株で、2026年3月期で22年連続増配となりました。売上・EPSは長期で右肩上がり、営業利益率13.8%・自己資本比率62.9%・営業活動によるCFは過去10年すべてプラスと財務も強固で、私独自の8指標はすべてクリアしました。

【強み】
✅ 2026年3月期で22年連続増配、年平均約7.3%(2017→2026)の増配ペース(2027年3月期32円予想で23年連続を見込む)
✅ 売上収益は過去10年で5,129億円→9,122億円、EPSは108.2円→158.0円と安定して右肩上がりで、8指標オールクリア
✅ 自己資本比率62.9%・営業活動によるCFは10年すべてプラス・配当性向19.5%と低水準で、財務の余力と増配の余地を両立

【留意点】
・近年の増配幅は年1円前後と小幅(配当性向は低く余地はあるが、今後はEPSの伸び次第)
・営業利益率はコロナ特需後の反動で2021年ピークから低下(直近2026年3月期は13.8%へ回復)
・海外比率の拡大で為替の影響を受けやすい/2023年3月期は決算期変更による13か月の変則決算

9月・3月に配当権利が確定する銘柄です。8指標オールクリアの家具・インテリア最大手として、増配ペースや利益率の回復、海外事業の進み具合を今後もチェックしていきます。


連続増配株への投資を始めるには、証券口座が必要です。どの証券会社で始めるか迷っている方は、こちらの記事で楽天証券とSBI証券を比較しています。

楽天証券とSBI証券、連続増配株を始めるならどっち?

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※会社概要・事業内容・連結業績(売上収益9,122億円、営業利益1,255億円、当期利益892億円、営業利益率13.8%、自己資本比率=親会社所有者帰属持分比率62.9%、営業活動によるCF1,489億円、現金及び現金同等物期末残高1,450億円、配当方針など)は、ニトリホールディングスの2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結/2026年5月14日)の公表値に基づきます。セグメント別業績(ニトリ事業 売上収益8,161億円・営業利益1,183億円、島忠事業 売上収益1,102億円・営業利益72億円)、店舗数(2026年3月期末1,069店=国内860店・海外209店、2027年3月期は143店純増計画)、22期連続増配は、同社の2026年3月期 決算説明会資料(2026年5月14日)に基づきます。株式分割(2025年10月1日付 1→5)も同短信・同資料に基づきます。EPS・1株あたりの配当・各種比率の過去10年系列はIRBANKを参照し、分割をさかのぼって調整した「調整後」の値です。

※本記事は情報提供を目的としており、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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