最終更新日:2026年7月10日
13年連続増配・都市部の戸建分譲で成長を続ける不動産大手
こんにちは。10年以上連続増配株の情報を発信している桃モアイです。オープンハウスグループは、「東京に、家を持とう。」で知られ、都市部で手の届く価格の戸建分譲を主力とする不動産会社です。グループのプレサンスは、2025年の分譲マンション供給戸数で全国トップに立っています。
今回は3月・9月に配当権利が確定する連続増配株の1社、オープンハウスグループ(証券コード:3288)を私独自の8指標で分析しました。
結論から言うと、オープンハウスグループは8つのうち6つをクリア(自己資本比率と営業CFが未達)でした。2025年9月期で13年連続の増配を続けていて、直近期は売上高・利益とも過去最高です。一方、分譲用の不動産を積み上げて成長する不動産デベロッパーという業種の特性から、自己資本比率と営業CFには確認しておきたい点があります。理由はこのあと分かりやすく説明します。
📊 株価・利回りの基準日:2026年7月9日時点の値です
📊 財務指標は2025年9月期(実績)の数値を使用しています
オープンハウスグループとはどんな会社?
オープンハウスグループは、都市部で住宅や収益不動産を企画・分譲・仲介する不動産会社です(業種は「不動産業」)。2013年9月に株式会社オープンハウスとして東京証券取引所へ上場し、2022年1月に持株会社体制へ移行して現在の株式会社オープンハウスグループとなりました。現在は東証プライム市場に上場しています。
事業は大きく5つに分かれます。主力は「戸建関連事業」で、東京圏を中心に、狭小地を活用した手の届く価格の戸建を企画・分譲します。次いで、関西圏でマンション分譲を手がける「プレサンス」、投資用物件を扱う「収益不動産事業」、富裕層向けの「アメリカ不動産等」、都市部の「マンション事業」が続きます。2025年9月期の売上構成は、戸建関連事業が約51%、プレサンス約17%、収益不動産事業約16%、アメリカ不動産等約11%、マンション事業約5%です(構成比は四捨五入のため、合計が100%にならない場合があります)。
2025年9月期の売上高は1兆3,364億円(前の年より3.1%増)と過去最高でした。都市部の住宅需要が高く、戸建・収益不動産の販売が好調だったためです。本業のもうけを示す営業利益も1,459億円と過去最高で、営業利益率は10.9%でした。純利益は1,006億円、EPS(1株あたりの利益)は875.2円です。
会社は2026年5月に業績予想を上方修正し、レンジ形式で開示しています。2026年9月期の会社予想は、売上高1兆4,850億〜1兆5,000億円、営業利益1,765億〜1,800億円、純利益1,165億〜1,185億円、EPS1,044.67〜1,062.61円、配当200円です。中東情勢の不確定さを考慮し、幅を持たせた開示としています。
オープンハウスグループの強みは、都市部に絞った「手の届く価格」の戸建分譲モデルと、実需・投資を組み合わせたポートフォリオ経営です。一方で、財務の安全性(自己資本比率)や本業の現金の動き(営業CF)には確認しておきたい点もあります。くわしくは「投資の留意点」で説明します。
会社の基本情報は次のとおりです。
上場市場:東証プライム
業種:不動産業
決算月:9月
連続増配:13年(2025年9月期時点)
株価:8,672円(2026年7月9日時点)
予想配当利回り:2.31%(2026年9月期 会社予想配当200円ベース)
配当権利確定:3月・9月(年2回)
配当情報
オープンハウスグループは増配を続けていて、2025年9月期で13年連続増配になりました。1株あたりの年間配当は、2025年9月期の実績で178円です(中間84円+期末94円)。さらに2026年9月期の会社予想は200円(中間100円+期末100円)で、これが実施されれば14期連続の増配となります。
会社は株主還元方針として「総還元性向40%以上」を掲げています(2025年に、配当性向20%以上の方針から拡充しました)。増配に加え、当期は250億円の自己株式取得と消却も実施しました。3カ年(2024〜2026年9月期)の株主還元額は、当初の1,000億円から1,300億円へ上方修正しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 株価 | 8,672円(2026年7月9日時点) |
| 予想配当利回り | 2.31%(2026年9月期 会社予想配当200円ベース) |
| 連続増配年数 | 13年(2025年9月期時点) |
| 配当性向 | 20.3%(2025年9月期 実績) |
出典:株価はYahoo!ファイナンス(2026年7月9日時点)、配当は決算短信です。予想配当利回りは2026年9月期の会社予想配当(1株200円)にもとづくため、株価の変動で変わります。配当性向20.3%は2025年9月期の実績(年間配当178円÷EPS875.2円)で、決算短信の公表値と一致します。連続増配年数は実績ベースの13年です。
📌 オープンハウスグループは、効力発生日2015年7月1日と2019年10月1日に、それぞれ1株→2株の株式分割を実施しました(過去10年ではこのうち2019年の1回。2015年はその直前です)。2回の分割で、1株が計4株になった計算です。本記事の株価・配当・EPSは、これらの分割をさかのぼって調整した「調整後」の基準でそろえています(株価は実際の取引価格です)。
いちばん右の薄いグレーの棒は会社予想(2026年9月期)です。

1株あたりの配当は、2016年9月期の25円から2025年9月期の178円まで増えました。毎年ならすと約24.4%ずつ増やしてきた計算です。2026年9月期の会社予想200円が実施されれば、14期連続の増配となります。
8指標分析の結果
ここからは、オープンハウスグループを私独自の8指標で見ていきます。
8指標の詳しい説明はこちらの記事をご覧ください。
なお私が確認する8つの指標は、売上高・EPS(1株あたりの利益)・営業利益率・自己資本比率・営業活動によるCF(以下、営業CF)・現金等・1株あたりの配当・配当性向です。
| 指標 | 基準 | オープンハウスグループ | 判定 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 増加傾向 | 2,472億円→1兆3,364億円(過去10年で約5.4倍) | ✅ |
| EPS(1株あたりの利益) | 安定して増加傾向 | 166.03円→875.2円(過去10年で約5.3倍) | ✅ |
| 営業利益率 | 5%以上 | 10.9%(過去10年とも5%超) | ✅ |
| 自己資本比率 | 40%以上 | 38.1%(基準を下回る水準) | - |
| 営業活動によるCF | 過去10年すべてプラス | 年により変動し複数年でマイナス(▲163億〜1,047億円) | - |
| 現金等 | 増加傾向 | 675億円→4,076億円(過去10年で約6.0倍) | ✅ |
| 1株あたりの配当 | 10年以上連続増配 | 13年連続増配 | ✅ |
| 配当性向 | 50%以下 | 20.3%(基準を下回る水準) | ✅ |
※判定欄の✅は桃モアイ基準を満たした指標、「-」は基準に届かなかった指標です。
※財務指標は2025年9月期(実績)。IRBANKおよび決算短信のデータをもとに桃モアイが独自に分析しています。EPSは決算短信の基本的1株当たり当期純利益を使用しています。株価・配当・EPSは、効力発生日2015年7月1日・2019年10月1日の各1株→2株の株式分割をさかのぼって調整した「調整後」の基準でそろえています。8指標の「増加傾向」「安定して増加傾向」は過去10年の長期トレンドで判定しており、一時的な減少はクリア扱いとしています。オープンハウスグループは分譲用の不動産(棚卸資産)を積み上げて成長する不動産デベロッパーで、この業種特性から2つの指標が基準に届きませんでした。自己資本比率は、成長投資を借入も使って進めるため2025年9月期で38.1%と基準の40%をやや下回りました(2020年9月期は41.0%)。営業活動によるCFは、分譲用不動産の仕入れ(棚卸資産の増加)が先行するため、過去10年のうち2018年9月期・2022年9月期などでマイナスとなり、「過去10年すべてプラス」に届きませんでした。以上より8指標のうち6つをクリアしました。金額は億円未満を切り捨てて表示しています(増減率は開示の百万円ベースで計算しているため、切り捨て後の億円どうしの差とは一致しないことがあります)。投資判断の参考としてご活用ください。
グラフで見る業績の推移(過去10年・2016年〜2025年実績+2026年予想)
ここからは、過去10年の業績をグラフで見ていきます。オープンハウスグループは9月決算です。グラフは2016年9月期〜2025年9月期の実績に、数字が出ている項目だけ2026年9月期の会社予想を加えています(営業CF・現金等・自己資本比率は実績10年だけ)。会社予想はレンジ開示のため、グラフには下限(ダウンサイド)の数値を用いています。
売上高と営業利益率
売上高は、2016年9月期の2,472億円から2025年9月期の1兆3,364億円へと、過去10年で約5.4倍に増えました。都市部の戸建分譲や、関西のマンション分譲を担うプレサンスの取り込み、収益不動産の伸びが背景です。直近は過去最高を更新しています。会社予想では2026年9月期に1兆4,850億〜1兆5,000億円と、さらに増収の計画です。営業利益率(売上に対する本業のもうけの割合)は過去10年とも5%を超え、直近2025年9月期は10.9%と桃モアイ基準の5%以上を上回りました。

EPS(1株あたりの利益)と配当性向
EPS(1株あたりの利益)は、2016年9月期の166.03円から2025年9月期の875.2円へと、過去10年で約5.3倍に増えました。大きな急落はなく、着実に積み上がっています。会社予想では2026年9月期に1,044.67〜1,062.61円を見込みます。配当性向(利益のうち配当に回す割合)は、過去10年おおむね15〜21%台で推移し、2025年9月期は20.3%と基準の50%以下に十分収まっています。

営業活動によるCFと現金等
営業CF(本業で稼いだ現金)は、年により大きく振れ、過去10年のうち複数年でマイナスとなりました。範囲は約▲163億〜約1,047億円です。オープンハウスは分譲用の不動産(棚卸資産)を先に仕入れてから販売・引き渡す事業のため、仕入れが先行した年は営業CFがマイナスになります。基準の「過去10年すべてプラス」には届きませんでした。一方、現金等(会社が手元に持っている現金)は675億円から4,076億円へと過去10年で約6.0倍に増え、こちらは基準を満たしています。

自己資本比率
自己資本比率(会社の資産のうち、返す必要のないお金でまかなえている割合)は、2025年9月期で38.1%と、桃モアイ基準の40%をやや下回りました。2020年9月期には41.0%まで上がった時期もありますが、成長投資と株主還元を借入も使って進めているためです。背景は「投資の留意点」で説明します。

注目ポイント
都市部の「手の届く価格」の戸建分譲
オープンハウスの強みは、東京圏を中心に、狭小地を活用して手の届く価格の戸建を企画・分譲する独自のモデルです。都市部の住宅需要は高く、販売契約は高水準で推移しています。共働き世帯の都心志向や、賃金・都市部所得の上昇といった追い風もあり、戸建関連事業は売上の約5割を占める柱に育っています。
実需と投資を組み合わせたポートフォリオ経営
戸建・マンションの実需不動産に加え、収益不動産やアメリカ不動産といった投資不動産まで手がけ、幅広い顧客層を取り込んでいます。関西圏のマンション分譲を担うプレサンスは、2025年の分譲マンション供給戸数で全国トップ。国内富裕層のアメリカ現物不動産への投資需要も取り込んでいます。
株主還元の強化
会社は「総還元性向40%以上」を掲げ、増配と自己株式の取得・消却を継続しています。当期は250億円の自己株式取得を実施しました。3カ年(2024〜2026年9月期)の株主還元額は、当初の1,000億円から1,300億円へ上方修正しており、還元に積極的な姿勢です。
いっぽうで、財務の安全性(自己資本比率)や本業の現金の動き(営業CF)には確認しておきたい点もあります。次の「投資の留意点」でくわしく説明します。
投資の留意点
強みのある会社ですが、確認しておきたい点が3つあります。
第一に、自己資本比率が基準を下回る点です。2025年9月期の自己資本比率は38.1%で、桃モアイ基準の40%をやや下回ります。成長のための用地・棚卸資産の積み増しや、自己株式の取得を、借入も使って進めているためです。自己資本の額自体はむしろ増えていますが(純資産は2025年9月末で5,388億円)、借入を活用して規模を拡大する局面にあります。なお会社は、ネットD/Eレシオ0.6倍を健全性の目安として示しています。
第二に、営業CFがマイナスになる年がある点です。オープンハウスは分譲用の不動産(棚卸資産)を先に仕入れてから販売・引き渡す事業構造のため、仕入れが先行した年は営業CFがマイナスになります。過去10年でも2018年9月期・2022年9月期などでマイナスでした。手元の現金等は約4,076億円と潤沢で、借入や販売代金の回収でまかなう形ですが、「本業で毎年安定して現金を生む」タイプではない点は理解しておきたいところです。
第三に、業績が不動産市況・金利の影響を受けやすい点です。都市部の住宅需要や地価、住宅ローン金利の動向に業績が左右されます。金利の上昇は、借入コストの増加や住宅需要の減退につながりえます。会社は2026年9月期の業績予想を上方修正し過去最高を見込む一方、中東情勢の不確定さを理由に予想をレンジ形式で開示しています。外部環境の振れには注意が必要です。
まとめ
オープンハウスグループ(3288)は、都市部の戸建分譲を主力に成長を続ける不動産大手で、2025年9月期で13年連続増配となった、8指標のうち6つをクリアの連続増配株です。強みと留意点を3点ずつにまとめると、次のとおりです。
【強み】
✅ 都市部の「手の届く価格」の戸建分譲が主力。売上高は過去10年で約5.4倍・直近は過去最高
✅ 実需と投資のポートフォリオ経営。プレサンスは2025年の分譲マンション供給戸数で全国トップ
✅ 13年連続増配・直近10年は年平均で約24.4%のペースで増配。総還元性向40%以上の還元方針
【留意点】
・自己資本比率は38.1%で基準の40%をやや下回る(成長投資・株主還元を借入も活用)
・営業CFは過去10年で複数年マイナス(分譲用不動産の仕入れが先行する業種特性)
・不動産市況・金利の影響を受けやすく、2026年9月期はレンジ形式の業績予想
3月・9月に配当の権利が確定する銘柄です。都市部の分譲力と積極的な株主還元が強みの一方、業種特有の財務・CFの動きを理解しながら、これからの決算もチェックしていきたい1社です。
連続増配株への投資を始めるには、証券口座が必要です。どの証券会社で始めるか迷っている方は、こちらの記事で楽天証券とSBI証券を比較しています。
※会社概要・経営成績・セグメント情報・業績予想・株主還元方針・財政状態は、オープンハウスグループの2026年9月期 第2四半期決算短信(2026年5月11日)および決算説明資料にもとづきます(通期業績予想はレンジ開示・上方修正)。8指標(売上高・EPS・1株あたりの配当・配当性向・営業活動によるCF・現金等・自己資本比率・営業利益率)の推移はIRBANKおよび各期決算短信を参照しています。株式分割(効力発生日2015年7月1日・2019年10月1日の各1株→2株)は同社開示にもとづきます。株価・予想配当利回りはYahoo!ファイナンス(2026年7月9日時点)です。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

