最終更新日:2026年8月18日
11年連続増配・営業利益率30%超の防災テック企業
こんにちは。10年以上連続増配株の情報を発信している桃モアイです。スマートフォンから119番に現場の映像を送れる「Live119」という仕組みを提供しているのが、消防や警察向けのクラウドサービスを手がけるドーンです。いまではクラウド利用料が売上の5割を超え、継続的に積み上がるストック型の収益構造が定着してきました。
今回は5月に配当権利が確定する連続増配株の1社、ドーン(証券コード:2303)を私独自の8指標で分析しました。
結論から言うと、ドーンは8指標すべてクリアでした。11年連続増配と年平均約21.1%の速い増配ペース、営業利益率30%超の高い収益力が見どころの銘柄です。理由も含めて、このあとひとつずつ分かりやすく説明します。
📊 株価・利回りの基準日:2026年8月17日時点の値です
📊 財務指標は2026年5月期(実績)の数値を使用しています
ドーンとはどんな会社?
ドーンは、防災や市民の安全にかかわる分野を中心に、官公庁向けのシステムやクラウドサービスを開発・提供する会社です。緊急通報システム「NET119」、映像通報システム「Live119」、災害情報共有サービス「DMaCS」、警視庁の防犯アプリ「デジポリス」など、自治体・消防・警察が使うサービスに強みを持ち、いわゆるGov-tech(行政分野のDX=デジタル変革)を手がけています。
売上高は10年で約2.2倍と着実に増えており、なかでもクラウド利用料などのストック型収益(継続的に積み上がる収益)が伸びています。営業利益率(売上に対する本業のもうけの割合)もおおむね右肩上がりで、直近は37%台の高い水準です。いっぽうで、会社の規模はまだ小さく、官公庁向けが中心で業績に季節変動があります。この点はあとの「投資の留意点」でも触れます。
会社の基本情報は次のとおりです。
上場市場:東証スタンダード
業種:情報・通信業
決算月:5月
連続増配:11年(2026年5月期時点)
現在の株価:1,363円(2026年8月17日時点)
予想配当利回り:1.17%(2027年5月期 会社予想ベース)
配当権利確定:5月(年1回)
配当情報
ドーンは2016年5月期から増配を続けており、2026年5月期で11年連続増配となりました。配当は5月の期末に年1回支払われます。本記事は2026年6月1日付の株式分割を反映した「分割後」の基準でそろえており、年間配当は2026年5月期の実績が14円、2027年5月期の会社予想が16円です。
📌株式分割について:ドーンは2026年6月1日付で、1株→2株の株式分割を行いました。本記事の1株あたりの配当・EPSは、この分割をさかのぼって調整した「調整後」の金額で統一しています。決算短信では2025年5月期・2026年5月期の配当は分割前の実額(24円・28円)で記載されており、調整後はそれぞれ12円・14円です。2027年5月期の予想16円は分割後の金額です(分割を考慮しない場合は32円)。株価は現在の実際の取引価格(分割後)のため、そのまま表示しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 株価 | 1,363円(2026年8月17日時点) |
| 予想配当利回り | 1.17%(2027年5月期 会社予想ベース) |
| 連続増配年数 | 11年(2026年5月期時点) |
| 配当性向 | 17.9%(2026年5月期 実績) |
出典:株価は東証終値(2026年8月17日時点)、配当は2026年5月期 決算短信。予想配当利回りは2027年5月期の会社予想配当(16円・分割後)に基づきます。株価変動により利回りは変わります。連続増配年数は、増配1年目を2016年5月期として数えています。なお2016年6月1日以前にも株式分割がありますが、いずれも本記事の表示期間(2017年5月期以降)より前のため、表示値への追加の調整はありません。
いちばん右の薄いグレーの棒は会社予想(2027年5月期)です。

過去10年でみると、1株あたりの配当は2.5円から14円へと約5.6倍になりました(いずれも分割後の調整後ベース)。年平均(年率換算)で約21.1%の速い増配ペースです。配当性向が17.9%と低めで、増配の余地が残っている点も特徴です。
8指標分析の結果
ここからは、ドーンを私独自の8指標で見ていきます。
8指標の詳しい説明はこちらの記事をご覧ください。
なお私が確認する8つの指標は、売上高・EPS(1株あたりの利益)・営業利益率・自己資本比率・営業活動によるCF(以下、営業CF)・現金等・1株あたりの配当・配当性向です。
| 指標 | 基準 | ドーン | 判定 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 増加傾向 | 7.9億円→17.3億円(10年で約2.2倍) | ✅ |
| EPS(1株あたりの利益) | 安定して増加傾向 | 14.11円→78.02円(10年で約5.5倍) | ✅ |
| 営業利益率 | 5%以上 | 37.77% | ✅ |
| 自己資本比率 | 40%以上 | 89.4% | ✅ |
| 営業活動によるCF | 過去10年すべてプラス | 全期間プラス(0.4〜6.5億円) | ✅ |
| 現金等 | 増加傾向 | 2.8億円→10.1億円(10年で約3.6倍) | ✅ |
| 1株あたりの配当 | 10年以上連続増配 | 11年連続増配 | ✅ |
| 配当性向 | 50%以下 | 17.9% | ✅ |
※判定欄の✅は桃モアイ基準を満たした指標です。
※財務指標は2026年5月期(実績)。IRBANKのデータをもとに桃モアイが独自に分析。なお8指標の「増加傾向」「安定して増加傾向」は過去10年の長期トレンドで判定しており、一時的な減少はクリア扱いとしています。売上高とEPSは過去10年、毎年増加しています。2026年5月期は増収増益となりました。EPSは決算短信の「1株当たり当期純利益」(2026年5月期78.02円)を使用しており、IRBANKの表示(77.92円)とはわずかな差がありますが、短信の値を優先しています。金額は小数第一位までを四捨五入して表示しています。投資判断の参考としてご活用ください。
グラフで見る業績の推移(過去10年・2017年〜2026年実績+2027年予想)
ここからは、過去10年の業績をグラフで確認していきます。いちばん右の薄いグレーの棒は会社予想(2027年5月期)です。
売上高と営業利益率
売上高は7.9億円から17.3億円へと、10年で約2.2倍に増えました。大きな落ち込みはなく、毎年増加する安定した右肩上がりです。2027年5月期は18.0億円と増収の会社予想です。営業利益率もおおむね右肩上がりで、直近は37.77%と高い水準です。クラウド利用料が売上の約52%を占めるまで成長し、保守などを合わせたストック型の収入は全体の約59%に達しています。この積み上げが利益率を押し上げており、2027年5月期は会社予想ベースで37.22%の見込みです。

EPS(1株あたりの利益)と配当性向
EPS(1株あたりの利益)は14.11円から78.02円へと、10年で約5.5倍に伸びました(分割後の調整後ベース)。過去10年は毎年増加しており、直近の2026年5月期は過去10年で最高の78.02円です。2027年5月期のEPSは81.58円と増加の会社予想です。配当性向(利益のうち配当に回す割合)は15〜18%の低い水準で安定しており、直近は17.9%です。桃モアイ基準の50%以下に対して余裕のある水準で、2027年5月期も会社予想ベースで19.6%の見込みです。なおグラフの2017年の配当性向はIRBANKに掲載がないため、調整後配当2.5円÷EPS14.11円=17.7%で私が算出した値です。

営業活動によるCFと現金等
営業活動によるCF(本業で稼いだ現金)は過去10年すべてプラスです。年により振れがあり、2017年5月期は0.4億円まで小さくなった年もありましたが、2026年5月期は税引前当期純利益の増加や売掛金の回収が進んだことで6.5億円と、過去10年で最大になりました。現金等は2.8億円から10.1億円へと10年で大きく増えました。2025年5月期には投資有価証券の取得などで一時減少しましたが、2026年5月期は前期から2.7億円増えて10.1億円に戻っています。なお会社は、余剰資金の一部を安全性を重視した債券などで運用する方針を示しています。

自己資本比率
自己資本比率(会社の資産のうち、返す必要のないお金でまかなえている割合)は、おおむね88〜90%の非常に高い水準で推移しており、直近は89.4%です。桃モアイ基準の40%を大きく上回ります。

注目ポイント
11年連続増配・年平均約21.1%の速い増配ペース
1株あたりの配当は11年連続で増えています。過去10年でみると2.5円から14円へと約5.6倍、年平均(年率換算)で約21.1%という速い増配ペースです(いずれも分割後の調整後ベース)。配当性向が17.9%と低く、増配の余地が残っている点も特徴です。2027年5月期も16円への増配が会社予想となっており、達成すれば12期連続となります。
営業利益率30%超の高い収益力
営業利益率はおおむね右肩上がりで、直近は37.77%と高い水準です。桃モアイ基準の5%を大きく上回ります。映像通報「Live119」の導入は消防人口カバー率で約6割(2026年5月末時点)に達し、防犯アプリは21県警に導入されるなど、サービスの広がりがクラウド利用料を中心としたストック型収益を支えています。
自己資本比率約90%の堅固な財務
自己資本比率はおおむね88〜90%と非常に高く、営業活動によるCFも過去10年すべてプラスです。現金等も10年で約3.6倍に増えており、財務の安定感は増配を続けるうえでの土台になっています。いっぽうで、会社の規模や配当利回りの水準には確認しておきたい点もあります。次の「投資の留意点」でくわしく説明します。
投資の留意点
確認しておきたい点が3つあります。
第一に、会社の規模が小さい点です。ドーンは時価総額が約90億円、売上高も約17.3億円と小型の銘柄です。一般に小型株は、業績の振れが株価に反映されやすく、売買のしやすさ(流動性)の面でも大型株とは異なる傾向があります。投資する際は、この規模感を頭に入れておきたいところです。
第二に、官公庁・公共分野が中心で、業績に季節変動がある点です。顧客である官公庁や大手企業の決算期が集中する3月末にかけて売上が偏る傾向があり、四半期ごとの業績は振れやすくなっています。2026年5月期も、受託開発(SI)は前期の大型案件の反動で前期比約26%の減少となるなど、案件のタイミングに業績が左右されやすい面があります。営業CFも年によって差があり、2017年5月期には0.4億円まで小さくなった年もありました。
第三に、予想配当利回りが1.17%と低めな点です。これは株価の割高さというより、配当性向が19.6%(2027年5月期 会社予想ベース)と低く、利益の多くを成長投資や内部留保に回しているためです。私の計算では、PERは約16.7倍(株価1,363円÷予想EPS81.58円)、PBRは約2.7倍(株価1,363円÷1株あたり純資産502.52円)です。配当の受け取り額を重視する方は、この利回り水準を確認しておきたいところです。
まとめ
ドーン(2303)は、2026年5月期で11年連続増配となった、8指標すべてをクリアした連続増配株です。強みと留意点を3点ずつにまとめると、次のとおりです。
【強み】
✅ 11年連続増配・年平均約21.1%の速い増配ペース(配当性向は17.9%と低め)
✅ 営業利益率はおおむね右肩上がりで、直近37.77%の高い収益力
✅ 自己資本比率89.4%・営業活動によるCFは過去10年すべてプラス
【留意点】
・時価総額約90億円・売上約17.3億円と会社の規模が小さい
・官公庁中心で季節変動があり、業績・営業CFが年により振れる
・予想配当利回りは1.17%と低め(配当性向が低く、利益を成長投資に回しているため)
5月に配当権利が確定する銘柄です。速い増配ペースと高い収益力を備えた1社として、今後の決算もチェックしていきます。
連続増配株への投資を始めるには、証券口座が必要です。どの証券会社で始めるか迷っている方は、こちらの記事で楽天証券とSBI証券を比較しています。
出典:業績・財務の数値は2026年5月期 決算短信(2026年7月9日公表)およびIRBANK。クラウド利用料の売上構成比(約52%)・ストック型収入の比率(約59%)・Live119の消防人口カバー率(約6割・2026年5月末時点)・防犯アプリの導入県警数(21県警)は「2026年5月期 決算説明会」要旨(2026年7月29日公表)によります。2017年5月期の配当性向はIRBANKに掲載がないため、調整後配当2.5円÷EPS14.11円=17.7%で算出しています。PER・PBR・時価総額は2026年8月17日時点の株価1,363円をもとにした自前計算値です。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

